お歳暮メールの正しい書き方とは?社内・取引先・上司別の例文とマナーを完全解説

お歳暮メールの正しい書き方とは?社内・取引先・上司別の例文とマナーを完全解説

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はじめに|「お歳暮をいただいたら、メールで返信してもいいの?」という不安から始まるあなたへ

年末が近づくと、多くの企業や個人の間で「お歳暮」が贈られる季節がやってきます。お歳暮は、一年間の感謝を形にする日本ならではの文化であり、贈る側も受け取る側も「心を込めて対応する」ことが求められます。とはいえ、現代ではビジネスのスピード感やコミュニケーション手段の多様化により、「お礼状をわざわざ郵送しなくても、メールで返信して大丈夫なのだろうか?」と悩む方が少なくありません。

特に、上司や取引先といった目上の方に対しては「メールだと失礼にあたらないか」「簡略すぎて軽んじていると思われないか」と不安に感じるものです。その一方で、感謝の気持ちはできるだけ早く伝えるべきであり、封書やはがきにこだわるあまり返信が遅れてしまうのは、かえって相手に不快感を与えることもあります。

つまり、形式よりも大切なのは「感謝の気持ちを誠実に、適切なタイミングで伝えること」です。メールはスピーディーで便利な手段であり、正しいマナーと表現を用いれば、相手に失礼なく思いを届けることができます。

本記事では、お歳暮をいただいた際のメールの正しい書き方について、件名や文例、避けるべき表現まで徹底的に解説します。社内・取引先・上司といった相手別の例文も紹介しますので、シーンに合わせて使える“ストック”としてご活用ください。

それでは、まずは基本となる「メールでお礼を伝える場合のマナー」から見ていきましょう。

お歳暮メールの基本マナー|送る相手別に考える「丁寧さのレベル」

メールで送る場合の一般的なマナー

お歳暮のお礼をメールで送る際の大前提は、スピード感と誠意です。届いてからすぐに返信することが望ましく、理想は当日中〜翌日までに送ること。
ビジネスシーンでは、お礼が遅れると「受け取ったのか不安」「感謝の気持ちが薄いのでは」と受け取られかねません。

また、文章は簡潔で丁寧にまとめることが重要です。
長文すぎても読む側に負担をかけてしまいますので、以下の流れを意識するとスムーズです。

  1. 冒頭の挨拶(時候の挨拶は省略可)

  2. お歳暮を受け取った旨の報告

  3. 贈り物への感謝の言葉

  4. 今後の関係を大切にしたい気持ち

  5. 結びの挨拶

ビジネスとプライベートで異なる温度感

  • 取引先や上司などビジネス相手
     敬語を正しく使い、格式ばった表現を意識する。やや硬めの文章が無難。

  • 社内の同僚や親しい関係
     基本のマナーは守りつつ、やや柔らかい表現でも可。

  • プライベートな関係(友人や親族など)
     感謝の気持ちを中心に、気持ちが伝わる言葉を優先。

お礼のタイミング:届いた当日〜翌日が理想

メールの良さは「すぐに送れること」。届いたことを確認したら、遅くとも翌日には送信しましょう。もし出張などで対応できない場合は、帰社後すぐに送る旨を社内チャットや電話で伝えておくと安心です。

封書・はがきとの違いと使い分けの考え方

  • 封書・はがき
     フォーマル度が高く、目上の方や重要な取引先への正式な挨拶に適する。

  • メール
     迅速さが最大のメリット。特にビジネス環境では即時性が重視される。

理想的には、まずメールで感謝を伝え、後日改めて手書きのお礼状を送るという二段構えが、最も丁寧な対応といえます。

件名はどう書く?印象の良いお歳暮メールの件名例

メールでお歳暮のお礼を送る際、件名は第一印象を決める大切な要素です。特にビジネスシーンでは、件名によって「大切な連絡か」「社交辞令か」が瞬時に判断されます。本文が丁寧でも、件名が曖昧だと読み手に不安を与えてしまうこともあります。

基本ルール:件名で「お礼の内容」が一目で分かること

件名に含めるべき要素は以下のとおりです。

  • 「お歳暮」というキーワードを明記

  • 「御礼」「感謝」など感謝を示す言葉を含める

  • 相手に合わせて、社内/社外で温度感を調整

社内向けの件名例

  • 「お歳暮の御礼を申し上げます」

  • 「お心遣いをいただき、ありがとうございます」

  • 「お歳暮の品を頂戴いたしました」

社外(取引先・顧客)向けの件名例

  • 「お歳暮の御礼と年末のご挨拶」

  • 「お歳暮を賜り、厚く御礼申し上げます」

  • 「心温まるお心遣いに感謝申し上げます」

カジュアルな関係(同僚・旧知の仲など)の件名例

  • 「お歳暮をありがとう!」

  • 「素敵なお心遣いに感謝します」

  • 「お歳暮の品、ありがたく頂戴しました」

NGな件名例

  • 「Re: お歳暮」
     →件名が相手からのメールをそのまま引用しているだけでは、誠意が伝わりにくい。

  • 「無題」
     →失礼な印象を与える。社会人としては避けるべき。

  • 「ありがとう」だけ
     →ビジネスではカジュアルすぎる。

ワンポイントアドバイス

件名は20文字前後に収めるのがベスト。長すぎるとモバイル端末で切れてしまうため、要点を端的に示すことを心がけましょう。


【テンプレート付き】お歳暮のお礼メール 文例集(コピペOK)

状況に応じて文面を調整しながらご利用ください。

●社内向け(上司・先輩など)

件名:お歳暮の御礼を申し上げます

〇〇部長

お疲れ様でございます。〇〇部の△△です。

先日はご丁寧にお歳暮を頂戴し、誠にありがとうございました。

温かいお心遣いに、心より感謝申し上げます。

日頃から多大なるご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。

今後とも変わらぬご指導のほど、よろしくお願いいたします。

取り急ぎ、メールにて御礼申し上げます。


●社外向け(取引先・顧客など)

件名:お歳暮の御礼と年末のご挨拶

株式会社〇〇

営業部 □□様

平素より大変お世話になっております。株式会社△△の◇◇でございます。

このたびは結構なお品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。

御社のご厚意に深く感謝申し上げます。

本年は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

来年も引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

まずは略儀ながら、メールにて御礼申し上げます。


●カジュアルな関係(同僚・旧知の仲など)

件名:お歳暮をありがとう!

〇〇さん

こんにちは、△△です。

お歳暮を送ってくれてありがとう!

とても嬉しく、家族みんなでありがたくいただきました。

また落ち着いたら、ぜひご飯でも行きましょう。

まずは取り急ぎ、メールにて御礼まで。


文例活用のポイント

テンプレートをそのまま使っても良いですが、できれば相手に合わせた一文を加えることで、より温かみのあるお礼となります。

上司・取引先など目上の方への丁寧な表現を使うポイント

お歳暮のお礼メールでは、特に目上の方への表現に注意が必要です。同じ感謝の気持ちでも、言葉の選び方によって印象が大きく変わります。

1. 謙譲語を正しく使う

  • ✕「いただきました」

  • ◯「頂戴いたしました」

「いただきました」でも丁寧ではありますが、より敬意を表すには「頂戴いたしました」の方が適切です。ビジネス文書では一段階上の敬語を選ぶことが信頼感につながります。

2. 定型表現で誠意を伝える

  • 「心温まるお心遣いに、深く感謝申し上げます」

  • 「ご厚情を賜り、誠にありがとうございます」

  • 「結構なお品を賜り、恐縮に存じます」

3. 忌み言葉を避ける

年末の挨拶やお礼では、ネガティブな言葉や不吉な表現を避けるのがマナーです。

  • ✕「切れる」「終わる」「滅びる」

  • ◯「結ぶ」「続く」「繁栄する」

例:「お付き合いが途切れることなく…」よりも「今後とも末永くお付き合いを賜れれば幸いです」と表現すると好印象です。

4. 曖昧表現を避ける

  • ✕「すごく助かりました」

  • ◯「お心遣いに心より感謝申し上げます」

「すごく」「かなり」などの口語的な表現は軽く感じられるため、ビジネス文書では避けましょう。

5. 一言で関係性を大切にする姿勢を伝える

単なる感謝で終わらず、今後の関係にも触れることで、誠実さが伝わります。

  • 「今後とも変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます」

  • 「来年もご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます」

お歳暮メールの返信マナー|「ありがとうございます」だけでは不十分?

感謝の意を正しく伝えるためには、構成・表現・心遣いが求められます。

1. 返信メールの基本構成

返信の内容は、以下の流れを意識するとスムーズです。

  1. 冒頭の挨拶(例:「平素より大変お世話になっております」)

  2. お歳暮を受け取ったことの報告(例:「先日は結構なお品をお贈りいただき、誠にありがとうございました」)

  3. 具体的な感謝の言葉(例:「温かいお心遣いに、深く感謝申し上げます」)

  4. 今後の関係に触れる一文(例:「来年も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」)

  5. 結びの言葉(例:「まずは略儀ながら、メールにて御礼申し上げます」)

2. 「ありがとうございます」だけでは失礼な理由

単に「ありがとうございます」だけでは、事務的で素っ気ない印象を与えかねません。お歳暮は、贈り手が時間と心を込めて準備した贈り物です。その気持ちを尊重するためにも、具体的な言葉で感謝を示すことが必要です。

3. お返し不要の相手にも一言添える心遣い

お歳暮は基本的にお返しを必要としません。しかし、いただきっぱなしにするのではなく、相手に安心していただける言葉を添えると好印象です。

例文

  • 「ご厚意に甘えさせていただきます」

  • 「お心遣いに感謝しつつ、大切に頂戴いたします」

  • 「恐縮ながらありがたく頂戴いたしました」

4. 電話や手紙との併用でワンランク上の対応

重要な取引先や上司からの場合、まずメールで迅速に御礼を伝え、その後電話や手書きのお礼状を送ると、より丁寧な印象を与えられます。スピードと誠意の両立が理想です。

こんな言い回しは避けたい!NG例と改善例

お歳暮メールでは、感謝の気持ちを伝えることが何より大切ですが、言葉選びを誤ると「軽い」「失礼」と受け取られることがあります。ここでは、よくあるNG表現と、その改善例を紹介します。

NG例1:カジュアルすぎる表現

  • ✕「すごく嬉しかったです」

  • ◯「ありがたく頂戴いたしました」

ビジネスメールでは「すごく」「とても」などの感情的な言葉は避け、落ち着いた表現に言い換えましょう。

NG例2:恩着せがましい表現

  • ✕「助かりました」

  • ◯「お心遣いに心より感謝申し上げます」

「助かりました」だと、贈り物を“問題解決の手段”として受け取った印象を与えてしまいます。お歳暮はあくまで感謝のしるしとして受け取るのが正解です。

NG例3:敬称の誤用

  • ✕「〇〇様殿」

  • ◯「〇〇様」

「様」と「殿」の重複は誤りです。ビジネスでは「様」を基本とし、「殿」は限られた社内文書などでのみ使用します。

NG例4:曖昧な表現

  • ✕「いろいろとお世話になりました」

  • ◯「本年も多大なるご支援を賜り、心より御礼申し上げます」

「いろいろ」「なんとなく」など漠然とした表現は避け、具体性を持たせると誠意が伝わります。

NG例5:否定的な響きのある言葉

  • ✕「お気を遣わせてしまい、すみません」

  • ◯「温かいお心遣いをいただき、心より感謝申し上げます」

謝罪よりも感謝を前面に出すほうが、相手にとって心地よい表現となります。

ワンポイント:改善例をストックしておく

お歳暮だけでなく、結婚祝いや昇進祝いなど、ビジネスシーンで「お礼」を伝える場面は多々あります。今回紹介した改善例を自分用のフレーズ集として保存しておくと、いざというときに慌てず対応できます。

【応用編】お歳暮だけじゃない!年末挨拶メールにも使える表現例

お歳暮のお礼メールは、そのまま年末年始の挨拶メールにも応用できます。特に最近は、年賀状を出さずメールで済ませる企業も増えており、ビジネスシーンでは「季節のご挨拶+お礼」を一通にまとめるケースが一般的になりつつあります。

年末挨拶に使える冒頭の言葉

  • 「本年も残すところわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」

  • 「平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」

  • 「本年中は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。」

結びの言葉として便利な表現

  • 「寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ。」

  • 「来年も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。」

  • 「新しい年が〇〇様にとって素晴らしい一年となりますよう、お祈り申し上げます。」

まとめ|お歳暮メールは“形式”と“気持ち”の両立が大切

単なる形式的な返信ではなく、相手との信頼関係を深めるための大切な機会です。もっとも重要なのは、迅速かつ誠実に感謝を伝えることです。お歳暮をいただいたら、できれば当日、遅くとも翌日にはお礼メールを送るのが望ましく、スピード感が相手への思いやりとなります。

その際、相手との関係性に応じた文面の調整も欠かせません。取引先や上司など目上の方には格式を意識した丁寧な表現を用いる一方、社内の同僚や親しい関係にはやや柔らかい表現を交えても構いません。件名はメールを開いた瞬間に内容が分かるよう、「お歳暮の御礼」や「心温まるお心遣いに感謝申し上げます」といった端的で礼儀正しいものを心がけると、第一印象が格段に良くなります。

文面を作成する際には、テンプレートを活用すると便利ですが、相手との関係性に合わせた一文を添えると、より気持ちのこもったお礼になります。また、「すごく嬉しかったです」や「助かりました」といったカジュアルすぎる表現は避け、敬意を表す適切な言葉遣いを選ぶことが大切です。さらに、お歳暮メールは年末のご挨拶メールとしても応用できるため、来年の関係性を意識した一言を加えると、より印象深いメッセージとなるでしょう。

形式ばかりにとらわれる必要はありませんが、相手に「心から感謝している」という思いがきちんと伝わる文章を心がけることが、円滑な人間関係やビジネスの信頼につながります。

これからお歳暮をいただいた際には、まず即日メールで御礼を伝え、その上で特に大切な相手には改めてお礼状や電話を添えると、より丁寧で印象に残る対応となります。本記事の文例や表現を参考に、あなた自身の言葉を交えて、お歳暮メールを“形式と気持ちが両立したメッセージ”に仕上げてみてください。

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