
お布施は、寺院や僧侶に対して感謝の気持ちを伝えるために捧げるもので、仏教の儀式や法事、読経などで行われる重要な習慣です。しかし、その包み方やお札の扱いには注意が必要です。間違った方法でお布施を渡すことは、相手に不快感を与える可能性があり、正しいマナーを守ることが求められます。この記事では、お布施を渡す際のお札の向きや新札の可否について詳しく解説します。
お布施とは?その重要性と基本マナー
まずはお布施について簡単に触れましょう。お布施は、仏教における施しの一つで、法要や供養を行っていただく僧侶や寺院に対して感謝の気持ちを示すものです。金額の決まりはなく、無理のない範囲で捧げますが、その形や包み方が適切であることが重要です。
お札の向き:肖像画の配置に注意
お札の肖像画の部分(人物の顔)がどの方向を向いているかは、感謝の意や礼儀を示す上で非常に大切です。
お札の向きの基本ルール
・お布施の場合、お札の向きは肖像画が表側に来るように包みます。これは、仏教の儀式において、お布施は感謝の意を表すものであり、あくまでも「丁重に渡す」ためです。
・具体的には、中包みや白封筒に入れる際に、お札の肖像画が封筒の表側(表紙の開いた側)に向くようにします。これは、香典などの不祝儀袋とは異なり、悲しみや哀悼の意を示すものではないためです。
香典の場合、悲しみの気持ちを表すために、肖像画が裏向きになるようにするのが一般的ですが、お布施ではその逆です。これは、お布施が感謝や祈りの気持ちを込めたものであるため、きちんとした向きで丁重に渡すべきという考え方に基づいています。
お布施に新札は使ってもいいのか?
次に、お布施に新札を使用するかどうかという点についてです。新札は「準備していた」という印象を与えるため、特に不祝儀の場合には避けるのが一般的ですが、お布施においては必ずしもその限りではありません。
新札の可否
・新札は問題ないとされています。お布施は感謝の気持ちを表すためのものなので、清潔なものを用意することが好ましいです。新札はそれに適しており、むしろ相手に対して丁寧さを示すことができます。
ただし、あまりにも新札を使うことに違和感を覚える方もいます。その場合は、新札を少し折り目をつけるなどして使うと良いでしょう。これは、新札の完全な新品感を少し和らげるための方法です。
お布施の包み方:白封筒の選び方と書き方
お布施を包む際には、適切な封筒や中包みを使用することも重要です。一般的には、白無地の封筒や、お布施専用の袋を使用します。
白封筒の選び方
・白無地の封筒や市販されている「お布施」と書かれた封筒を使用します。
・水引(みずひき)は不要です。お布施に水引は用いません。
表書きの書き方
封筒の表側には、中央に「お布施」と大きく書きます。また、裏側には自分の名前をフルネームで記載するのが一般的です。これにより、誰からの感謝の意なのかが分かるようになります。
お布施の渡し方:丁寧な作法で敬意を伝える
渡すタイミング
お布施を渡すタイミングは、寺院や葬儀の状況によって異なりますが、一般的には以下のタイミングが適切です。
・法要や供養の前:法要が始まる前に、僧侶に直接お布施を渡すことが基本です。寺院に到着してから挨拶を交わし、適切なタイミングで渡しましょう。
・受付に預ける:寺院によっては、僧侶が忙しい場合もあります。その際は、寺院の受付や寺務所でお布施を預けましょう。
お布施の渡し方の流れ
1. 袱紗からお布施を取り出す
お布施は、袱紗(ふくさ)に包んで持参します。渡す直前に、袱紗の上でお布施を取り出し、封筒の向きを確認します。このとき、肖像画が表側になっていることを忘れずに確認しましょう。
2. 両手で丁寧に差し出す
お布施は、必ず両手で渡します。片手で渡すのは失礼に当たるため、注意が必要です。両手でお布施を差し出し、相手の正面に静かに差し出すように心がけます。
3. 感謝の言葉を添える
お布施を渡す際には、簡単な感謝の言葉を一言添えると良いでしょう。例えば、「本日はどうぞよろしくお願いいたします」や「こちら、お布施でございます」といった挨拶を、軽くお辞儀をしながら伝えます。
4. 受け取りを確認してからお辞儀をする
僧侶や受付が、お布施を受け取ったことを確認してから、再度軽くお辞儀をします。お布施を渡し終えたら、その場を静かに離れましょう。
お布施の金額に関しては、別記事にまとめていますので、こちらをご覧ください。

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まとめ:お布施の正しい包み方で感謝の気持ちを伝える
お布施は、仏教の儀式において僧侶や寺院に対して感謝の気持ちを示す重要な行為です。お札の向きや新札の使用についても、正しいマナーを守ることで、より丁重にその気持ちを伝えることができます。
・お布施のお札は、肖像画が表側に来るように包みます。
・新札の使用は問題ありませんが、気になる場合は少し折り目をつけても良いでしょう。
・白無地の封筒を使い、「お布施」と書くことが基本です。
これらのポイントを押さえてお布施を準備すれば、相手に対してしっかりと感謝の気持ちを伝えることができるでしょう。正しい作法を守ることで、宗教的な儀式の場での礼儀を尽くすことができ、気持ちの良い進行をサポートすることにもつながります。
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