春のお彼岸はいつ?2026年の日程とお墓参りの正しいマナーとは

春のお彼岸はいつ?2026年の日程とお墓参りの正しいマナーとは

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春のお彼岸は、春分の日を中心とする7日間に行われる日本の伝統的な行事です。この時期、多くの家庭ではご先祖様を偲んでお墓参りをしたり、仏壇にお供え物をしたりと、静かに手を合わせる時間を持ちます。こうした習慣は、世代を超えて受け継がれてきた日本文化の大切な一部と言えるでしょう。

お彼岸は、春の自然の移ろいを感じながら、心を整え、家族とのつながりや命のつながりを再確認する貴重な機会です。また、春分の日を境に昼が長くなるこの時期は、季節の転換点としても知られ、自然のリズムに合わせた暮らしの知恵が息づいています。

この記事では、春のお彼岸の意味や起源、春と秋のお彼岸の違い、2026年の日程、供養の方法、そしてお墓参りの際に気を付けたいことまで、詳しく解説していきます。春の訪れとともに、ご先祖様に感謝を伝える行事として、改めて春のお彼岸を見つめ直すきっかけになれば幸いです。

春のお彼岸とは?

春のお彼岸は、日本の仏教文化に根ざした年中行事のひとつで、春分の日を中心とした7日間に行われます。この時期には、多くの人が先祖の墓を訪れ、供養の気持ちを形にする時間を持ちます。では、そもそも「お彼岸」とはどのような意味を持ち、なぜこの時期に行われるのでしょうか。

「彼岸」と「此岸」の意味

仏教における「彼岸(ひがん)」とは、煩悩を断ち切り、悟りの境地に達した理想の世界、いわば“向こう岸”のことを指します。これに対して、私たちが今生きている現実世界は「此岸(しがん)」、すなわち“こちら側の岸”とされます。彼岸と此岸は、文字どおり「川を挟んだ両岸」として例えられ、彼岸へ至るには、六つの修行「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を実践する必要があると説かれています。

六波羅蜜とは以下の6つの徳目です

  1. 布施(ふせ)…他者への施し
  2. 持戒(じかい)…戒律を守ること
  3. 忍辱(にんにく)…耐え忍ぶこと
  4. 精進(しょうじん)…努力を惜しまないこと
  5. 禅定(ぜんじょう)…心を静めて集中すること
  6. 智慧(ちえ)…真理を見極める知恵

これらを実践することにより、私たちは煩悩から解き放たれ、彼岸へと近づけるとされます。

春分の日とお彼岸の関係

春分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。仏教において西方は「極楽浄土」の方向とされており、この日に沈む太陽は、まさに彼岸の象徴と見なされてきました。このため、春分の日は此岸と彼岸の距離が最も近づくと考えられ、先祖との心の距離も近づく特別な時期とされているのです。

日本ではこの考え方が平安時代に仏教行事として定着し、宮中や寺院を中心に「彼岸会(ひがんえ)」が営まれるようになりました。江戸時代以降には一般庶民にも広まり、現在のように家庭単位で墓参りや仏壇への供養が行われるようになりました。

春と秋のお彼岸の違い

お彼岸は春と秋の年に2回行われますが、それぞれの季節ごとに異なる自然の意味合いや文化背景があり、供養の仕方やお供え物にも違いがあります。どちらもご先祖様を敬い、感謝の気持ちを表す機会であることに変わりはありませんが、季節と結びついた日本ならではの行事として、それぞれに独自の特色を持っています。

なぜ春と秋の2回あるのか?

お彼岸が春分と秋分の日を中心とするのは、いずれも太陽が真東から昇り、真西に沈む日であり、仏教における「彼岸(あの世)」と「此岸(この世)」がもっとも通じやすいとされる日だからです。仏教では西方に極楽浄土があると信じられており、真西に沈む太陽はその象徴とも考えられています。

春分・秋分の日は昼夜の長さがほぼ等しくなるため、「中道(ちゅうどう)」、つまり偏りのない心のあり方を表す日とも言われ、精神的にもっとも安定した時期とされてきました。こうした自然と仏教思想が結びついた結果、年に2回のお彼岸が行われるようになったのです。

季節による意味と文化の違い

春のお彼岸と秋のお彼岸は、同じ目的を持ちながらも、季節の特色や背景となる感謝の対象に違いがあります。

項目

春のお彼岸

秋のお彼岸

中日

春分の日

秋分の日

自然観

自然の芽吹きや生命の誕生への感謝

実りや収穫への感謝

お供え

ぼたもち(牡丹餅)

おはぎ(御萩)

季節の花

桜、牡丹、菜の花など

彼岸花、菊、萩など

色合い

明るく、華やかな色が中心

落ち着いた色合いが多い

春は命が芽吹く季節であり、「これからの健康や繁栄」を祈る意味が込められます。一方、秋は実りの季節であり、「収穫への感謝」や「一年の締めくくりとしての供養」の意味が強くなります。こうした違いが、供える花や食べ物、祭壇の飾りにも反映されています。

お供え物の違いとその意味

春には「ぼたもち」、秋には「おはぎ」を供える習慣がありますが、実はこれらは基本的に同じもの(もち米とうるち米を混ぜて炊き、あんこで包んだ和菓子)です。名前が異なるのは、供えられる季節の花の名前にちなんでいるからです。

  • 春:ぼたもち(牡丹餅) → 牡丹の咲く季節にちなんで。
  • 秋:おはぎ(御萩) → 萩の花が咲く季節にちなんで。

同じ料理でも、あんこの粒の粗さや形に若干の違いを出す家庭もありますが、根本にあるのは「米と小豆で作ったものを供える」ことで、感謝と祈りを表現するという文化です。

春のお彼岸の期間は?2026年の日程

春のお彼岸は、春分の日を中日(ちゅうにち)として前後3日を加えた合計7日間を指します。毎年、春分の日の日付は若干変動しますが、その年の国民の祝日として正式に定められた日が基準となります。

2026年の春分の日は、3月20日(金)です。これにより、2026年の春のお彼岸の期間は以下のようになります。

日付

曜日

意味

3月17日

彼岸入り(初日)

3月18日

二日目

3月19日

三日目

3月20日

春分の日(中日)

3月21日

五日目

3月22日

六日目

3月23日

彼岸明け(最終日)

中日(春分の日)の重要性

中日である春分の日は、昼と夜の長さがほぼ等しくなる日であり、自然のバランスが整う特別な日とされています。仏教的には、太陽が真東から昇り真西に沈むこの日こそが、彼岸(あの世)と此岸(この世)がもっとも通じやすい日であると考えられてきました。そのため、この日はお彼岸の中でも特に重視され、墓参りや供養に適した日とされています。

春のお彼岸はいつ準備すべき?

彼岸入りの前日から準備を始める家庭も多く、仏壇の掃除、供花の用意、供物の購入、親戚との連絡などを含めると、3月中旬から意識して行動を始めるとスムーズです。特にお墓が遠方にある場合や、家族の予定を合わせる必要がある場合は、早めの調整が肝心です。

連休とお彼岸の重なりに注意

2026年は、春分の日が金曜日にあたるため、週末と合わせて三連休とする家庭も多くなることが予想されます。そのため、墓地や霊園は例年以上に混雑する可能性があり、時間に余裕をもった行動が求められます。また、霊園や寺院の営業時間、交通機関の運行状況なども事前に確認しておくと安心です。

春のお彼岸にすること

春のお彼岸は、家族や親戚と共にご先祖様を偲び、心を落ち着ける大切な機会です。この期間には、伝統的な習わしに基づいてさまざまな供養や生活習慣が行われます。ここでは、春のお彼岸に具体的に何をするのか、その意味や実践方法を詳しく紹介します。

1. お墓参りをする

もっともよく行われるのが、お墓参りです。これは単なる儀礼ではなく、ご先祖様との精神的なつながりを確かめる行為でもあります。お彼岸期間中には以下のことを行うのが一般的です

  • 墓石や周辺の掃除(落ち葉、ゴミの除去、雑草取り)
  • 花、線香、水、供物(ぼたもちや季節の果物など)の供え
  • 手を合わせ、感謝と近況報告をする

遠方でお墓参りが難しい場合でも、仏壇の前で手を合わせたり、お寺に供養を依頼する方法もあります。

2. 仏壇の掃除と供養

お彼岸には仏壇を丁寧に掃除し、清らかな状態に整えることが大切です。具体的には以下のような流れになります

  • 仏具を柔らかい布で拭き、ほこりを除く
  • 新しいお花やお供え物を用意する(旬の果物や精進料理など)
  • 家族で焼香し、読経または合掌

掃除や供養の時間は、日常の喧騒から離れ、静かな気持ちで自分を見つめ直す貴重なひとときとなるでしょう。

3. ぼたもちを作る・食べる

春のお彼岸には「ぼたもち(牡丹餅)」をお供えし、家族でいただく風習があります。ぼたもちは、もち米とうるち米を混ぜて炊いたご飯を丸め、小豆の餡(粒あんが主流)で包んだ和菓子です。

名前の由来は、春に咲く花「牡丹」にちなんだもので、秋のお彼岸の「おはぎ(萩)」と対になっています。小豆には邪気を払う力があると信じられており、ご先祖様に供えることで無病息災や家内安全を祈る意味が込められています。

近年は手作りする家庭も減りましたが、和菓子店やスーパーでも購入可能で、手軽に季節感と伝統を味わうことができます。

4. 精進料理をいただく

お彼岸の期間中は、肉や魚を避けた精進料理を食べる習慣があります。これは仏教の教えに基づき、殺生を避けて心身を清めるためのものです。

定番のメニューには以下のようなものがあります:

  • ごま豆腐
  • 野菜の煮物(里芋、にんじん、しいたけなど)
  • ひじきの煮物
  • 白和えや胡麻和え

これらの料理は手間がかかりますが、その分、家族で食卓を囲むことで感謝の気持ちや食のありがたみを感じやすくなります。

5. 自分自身を省みる時間を持つ

春のお彼岸の過ごし方には、ご先祖様への供養に加えて、今の暮らしや生活習慣を整えるきっかけを作るという側面もあります。ちょうど年度末・年度始めにあたるこの時期は、新たな生活が始まる前の準備期間でもあり、生活リズムや身の回りの環境を整えるには絶好のタイミングです。

たとえば、こんな行動が春のお彼岸にふさわしい「整え方」として挙げられます。

  • 仏壇だけでなく、自宅全体の掃除や片付けをする
  • 墓参りのついでに、使っていないものや古い書類などを処分する
  • 生活リズムを整え、起床・就寝時間を見直してみる
  • スマホの連絡先を整理し、久しぶりの人に連絡を取ってみる

こうした行動は、ご先祖様に手を合わせる心と同じように、「今を大切にする」「人とのつながりを意識する」ことにつながります。

また、何か特別なことを始める必要はありません。いつもより丁寧に料理を作ってみる、家族と少しだけ深い話をしてみる。そんな小さな行動ひとつひとつが、心を整え、日々の生活に静けさや充実感をもたらしてくれるものです。

お彼岸は、過去と向き合う行事でありながら、同時に「これからをどう生きるか」を考える機会でもあります。日々の暮らしの中で立ち止まり、必要なことを見直す時間として、春のお彼岸を活用してみてはいかがでしょうか。

お彼岸のQ&A

お彼岸は日本独自の仏教行事であり、習慣や作法について「なんとなく分かっているつもり」でも、実際に行動に移す際には疑問が尽きません。この章では、特に多く寄せられる質問をQ&A形式でまとめ、すぐに役立つ答えと実践的なアドバイスをお届けします。

Q1:お彼岸には何を供えればいいですか?

A:基本は「花・食べ物・線香」の3点セットが一般的です。

  • :仏花として定番の菊、カーネーション、季節の花(春は桜や菜の花など)を。トゲのある花(バラなど)は避けましょう。
  • 食べ物:ぼたもち(春)や果物、乾物など。腐りにくく、故人が好んだものを選ぶのも良いです。
  • 線香・ろうそく:安全な場所で、風よけの工夫を忘れずに。

ポイント: 供えたものはそのまま放置せず、供養後に「お下がり」として家族でいただくのが丁寧な流れです。

Q2:墓参りに適した服装はありますか?喪服じゃなきゃダメ?

A:喪服は不要ですが、落ち着いた服装が望ましいです。

  • 黒・グレー・紺などの地味な色が無難です。
  • デニムやサンダル、露出の多い服装は避けましょう。
  • 子どもには制服や清潔感のある服装を選んであげてください。

季節感への配慮も大事です。春のお彼岸は寒暖差が大きいため、温度調節できる羽織ものがあると安心です。

Q3:仏壇があるけど、墓参りには行けません。どうすればいい?

A:仏壇での供養も十分に意味があります。

遠方で墓参りが難しい、体調や都合で外出できないなど、現代ではさまざまな事情があります。その場合は以下のように仏壇で供養しましょう:

  • 掃除をして清潔に保つ
  • 季節の花や果物を供える
  • 線香をあげて静かに手を合わせる
  • 故人に報告したいことを心の中で話しかける

お彼岸の本質は「感謝と祈り」。形にこだわるより、心の通った時間を持つことが大切です。

Q4:家族でお彼岸の感覚がバラバラです。どうしたらいいですか?

A:役割分担と事前相談で“温度差”を防ぎましょう。

ありがちなのが、「誰か一人が張り切りすぎて他の家族が引いてしまう」パターンです。これを避けるには:

  • 墓参りや仏壇掃除などを分担する(子どもにもできることを)
  • 事前に「何を、誰が、どこまでするか」を話し合う
  • 供養後に食事の時間などを設け、ゆるやかに過ごす

家族で“供養の温度”を合わせるには、押し付けず、巻き込む工夫が重要です。

Q5:お彼岸に行けない場合、何か代わりになることはありますか?

A:自宅での祈り、寄付、オンライン供養などの方法があります。

  • 仏壇があれば自宅での供養を丁寧に行う
  • 供養の気持ちとしてお寺に寄付をする
  • 墓参り代行やオンライン法要サービスを利用する(対応寺院多数)

お彼岸の供養は「行けないから終わり」ではなく、自分にできる範囲で気持ちを届けることが何より大切です。

まとめ

春のお彼岸は、春分の日を中心とした7日間にわたって営まれる、日本独自の仏教行事です。自然の変化と精神的な区切りが重なるこの時期には、ご先祖様に感謝の気持ちを伝え、家族や自分自身と向き合うための静かな時間が流れます。

2026年の春のお彼岸は3月17日(火)から3月23日(月)まで。その中心となる春分の日は3月20日(金)であり、多くの家庭ではこの日を目安に墓参りや仏壇の供養を行います。

お彼岸には、ぼたもちを供えたり、精進料理をいただいたりすることで、故人を偲ぶと同時に季節の恵みにも感謝する文化が息づいています。供養の方法には地域差や家庭ごとの慣習がありますが、最も大切なのは「今、ここに自分が生きていることへの感謝」と、それを伝える具体的な行動です。

忙しい現代において、すべてを昔ながらの形で行うことが難しい家庭も少なくありません。それでも、お墓参りや仏壇供養ができなくても、心を込めて手を合わせる、自宅で静かに祈る、あるいは家族と近況を語り合うだけでも、お彼岸の精神は十分に体現されます。

この記事を通じて、春のお彼岸の意味や過ごし方を改めて見つめ直し、形式に縛られすぎず、自分たちなりの供養の形を見つけるヒントとなれば幸いです。家族やご先祖様とのつながりを再確認し、春の訪れとともに心を整える時間として、ぜひお彼岸を有意義に過ごしてください。

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