
故人の尊厳を保つ「エンバーマー」と「納棺師」って何が違うの?葬儀業界の重要な職業を比較してみた!
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人生の最期を迎えた故人を美しく送り出すための職業として「エンバーマー」と「納棺師」という専門職が挙げられます。しかし、これら2つの職業がどう違うのかを知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、それぞれの職業の役割や違い、資格取得の方法について詳しく解説します。
エンバーマーとは?
エンバーマーは、遺体の防腐処置や修復を行う専門職です。遺体の保存状態を良好に保つために、専用の技術や設備を備えた施設で「エンバーミング」と呼ばれる技術を用い、故人の自然な姿を遺族に見せることを目的とします。
エンバーミングとは
エンバーミングとは、故人の遺体を消毒・殺菌し、防腐処置を施して生前の姿に近い状態で保存する技術です。日本語では「遺体衛生保全」や「死体防腐処理」とも呼ばれます。
エンバーミングの費用
15万~25万円が一般的です。
エンバーミングについては、こちらの記事もご覧ください!

エンバーミングは、故人の姿を整えるだけでなく、遺族の心を支える重要なケアでもあります。実は、防腐技術にとどまらず「最後の尊厳を守る行為」として注目されているのです。本記事では、手順や費用、専門家の資格、業者選びの要点まで詳しく紹介します。
エンバーマーの仕事内容

・遺体の洗浄・防腐処置
・外見の修復
・葬儀前の遺体管理
特に、事故や病気で顔や体に損傷を受けた場合のエンバーミングは、遺族にとって心の安らぎを与える重要な役割であるといえます。
エンバーマーになるには?
エンバーマーになるには、専門的な資格と技術を習得する必要があります。
資格と学び方
・エンバーマー資格
日本では、IFSA(日本遺体衛生保全協会)が認定する「エンバーマー」資格が主流です。この資格を取得することで、遺体の保全や修復の技術を正式に証明できます。
・エンバーマー養成校「日本ヒューマンセレモニー専門学校 エンバーミング学科」
IFSAによる認定を受けたエンバーマー養成校「日本ヒューマンセレモニー専門学校 エンバーミング学科」では、遺体管理や修復技術を学びながら、資格取得に必要なスキルを習得できます。
エンバーマーについては、こちらの記事もご覧ください!

エンバーミングはご遺体を長期的に清浄に保つ防腐・修復の技術です。実はドライアイスだけでは防げない腐敗リスクがあり、知られていない課題も多くあります。本記事では現役エンバーマーが役割の違いや必要性、選択のポイントを詳しく解説します。
納棺師とは?
納棺師とは、故人を清め、装いを整え、棺に納める「納棺の儀」を専門に行う職業です。単に遺体を棺に納めるだけでなく、遺族に寄り添いながら、故人を尊厳を持って見送るための準備を整えます。
納棺師は、2008年に公開された映画『おくりびと』によって広く知られるようになった職業です。
現在、『おくりびと』の技術指導を行った納棺師の父に納棺の作法を学んだ木村光希氏が、認定納棺士を養成する「おくりびとアカデミー」、「JNO(日本納棺士技能協会)」、葬祭ブランド「おくりびとのお葬式」を立ち上げています。
『おくりびと』については、以下の記事をご覧ください!

納棺師は故人を清め、衣装を整え、安らかな姿で送り出す仕事です。実は感動的な映画で注目された背景には、日本独自の儀礼文化があります。本記事では納棺師の仕事内容や家族との関わり方、学ぶための方法を紹介します。
納棺の儀とは
葬儀の流れの中で「納棺の儀」は、遺族が故人と別れの時間を大切に過ごし、故人を送り出す心の準備をする重要な時間です。単なる作業ではなく、葬儀全体の中核を担う場面でもあります。
納棺の儀の費用
10万円前後が一般的です。
納棺師の仕事内容

・遺体の清拭・湯灌(ゆかん)
・死化粧・死装束へのお着せ替え
・遺族とのコミュニケーション
湯灌とは
湯灌とは、故人の身体を洗い清める儀式です。現代では専用の湯灌車や簡易浴槽を使い、シャワーで身体を丁寧に洗い清めます。
湯灌を専門に担当する「湯灌師」という職業も存在します。
納棺師の仕事内容については、以下の記事をご覧ください!

納棺師は、故人の身支度を整え、遺族が穏やかに別れを迎えられるよう支える専門職です。 繊細な技術と深い思いやりが求められる、人の心に寄り添う仕事です。 本記事では、納棺師の仕事内容や資格、キャリアの道筋を詳しく紹介します。
納棺師になるには?
納棺師になるためには特別な国家資格は必要ありませんが、専門知識とスキルを身につけるためのトレーニングが重要です。
資格と学び方
・認定納棺士資格
日本では、JNO(日本納棺士技能協会)が認定する「認定納棺士」資格が主流です。この資格を取得することで、納棺師として一定水準以上の技量を持ち合わせていることをアピールできます。
「おくりびとのお葬式」のように、認定納棺士の在籍を特徴とした葬儀会社も存在します。
・納棺師育成学校「おくりびとアカデミー」
納棺師を養成する専門的な教育機関として、「おくりびとアカデミー」があります。ここでは、半年間のコースを通じて納棺の技術や法律的な知識を学ぶことができ、納棺師としての基礎をしっかりと身に付けられます。
参照:おくりびとアカデミー
認定納棺士については、以下の記事をご覧ください!

葬祭ディレクターは葬儀全体を指揮し、認定納棺士は故人の旅立ちを丁寧に整える専門家です。実は知られていませんが、これらの資格があることで葬儀の品質とご遺族の心の支えが大きく変わります。本記事では、資格の内容や取得方法、資格者がいる葬儀社を選ぶメリットを紹介します。
エンバーマーと納棺師の比較
エンバーマー | 納棺師 | |
|---|---|---|
役割 | 遺体の保存状態を良好に保つことで、遺族に自然な姿を見せる | 遺族が故人と最後の別れを過ごし、送り出す心の準備を整える |
仕事内容 | エンバーミング(消毒・殺菌、防腐処置、修復) | 清拭・湯灌(故人の身体を洗い清める)、死化粧、死装束の着せ替え |
費用の目安 | 15万~25万円 | 10万円前後 |
資格 | 日本遺体衛生保全協会(IFSA)認定の「エンバーマー資格」 | 日本納棺士技能協会(JNO)認定の「認定納棺士資格」 |
養成機関 | 日本ヒューマンセレモニー専門学校 エンバーミング学科 | おくりびとアカデミー |
エンバーマーは遺体の防腐処置や修復を行うのに対し、納棺師は主に遺体を棺に納める儀式的な役割を担います。どちらも故人の尊厳を守る重要な仕事ですが、その目的と技術に違いがあります。
まとめ
エンバーマーと納棺師は、いずれも故人と遺族に寄り添う重要な職業です。これらの仕事を目指すには専門的な知識と技術が求められますが、その分やりがいも大きいといえます。興味がある方は、資格取得や専門学校での学びを通じて、葬儀のプロフェッショナルを目指してみてはいかがでしょうか。
\専門相談員が心を込めてご案内します/
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