2024.10.9
遺骨ジュエリーとダイヤモンド製作の歴史
なぜ遺骨からダイヤモンドが作れるのか
どのような人の依頼が多いのか。どのような依頼が可能なのか
依頼者は女性が多いが、男性でも
近年の傾向
依頼時に注意するべき点
遺骨の量
誰の遺骨でできたダイヤモンドか証明することは科学的に難しい
きちんと家族で話し合う
アルゴダンザ社と他社との違い
全国どこでも対面でご説明
製造過程の透明性
着色はしないため、100人100通りの色に
全ての遺骨を預けられるため、お墓を作る必要がない
他によくある質問
天然のダイヤモンドとの違いは?間違って売られたりしない?
紛失に備えて複数の作成もできる?
遺骨からダイヤモンドを製作する流れ
1. スイスへ発送
2. 分析・検査
3. 炭素の抽出
4. 黒鉛への変換
5. ダイヤモンドの生成
まとめ
故人の供養方法は、年々多様化してきています。皆さんも、樹木葬、海洋散骨など、遺骨をお墓に納めるという形式以外の供養方法を見聞きすることが増えてきているのではないでしょうか?今回はこのような新しい供養方法の中でも、遺骨から「ダイヤモンド」を作るサービスを提供しているアルゴダンザ・ジャパン社にお話を伺いました。
遺骨を、アクセサリーとして身に着けるようになったのは、17世紀のイギリスが発祥とされています。喪に服すためのジュエリーとして、派手でない宝石が用いられるようになり、段々と故人を偲ぶために故人の遺髪や遺品、遺骨や遺灰を納められるようなアクセサリーが広まっていきました。日本には、20世紀後半にアメリカからの輸入によって普及していきました。 そんな中、2004年に、遺骨からダイヤモンドを製作するというサービスを アルゴダンザ社 が提供し始めました。 故人を身近に置く方法は「火葬後に納骨をしないこと」も含めいくつかありますが、これにより遺骨 をそのままアクセサリーとして付けるのではなく、遺骨をダイヤモンドに加工し、それをジュエリーとして身に着けるということができるようになりました。 ご遺骨をダイヤにすることでほぼ永遠と言えるほど長く、また、遺骨を身近に置くことに忌避感があってもそれを感じないものとして、身近にその輝きを感じることができるようになりました。
そもそも「ダイヤモンド」は科学的には純粋な炭素のみでできています。つまり、炭素を含む物質であれば、そこからダイヤモンドを生成できるということになります。実際に、工業用に大量生産されている合成ダイヤモンドは、「メタンガス」と呼ばれるご家庭で使われている「都市ガス」の成分の大半を占めているガスから生成されています。まとめると、ダイヤモンドは「炭素」があれば作れる可能性があるということになります。
・基本的に相談できると考えてOK よく「こんな状況だがダイヤは作れるか?」という相談がありますが、以下の場合でも対応が可能だそうです。迷ったらまずは相談してみましょう。 ・小さなお子様で遺骨や遺灰が少ない場合 ・年配の方、病気や薬で脆くなっている場合 ・遺骨となってから時間が経過している場合 ・ペットの場合 ・宗教的に遺骨は残せなかったが遺髪はある場合 ・複数のご遺骨からダイヤを作りたい場合 ダイヤに必要な遺骨の量はありますが、遺骨が少ない場合、故人の思い出の品から抽出した炭素も加える「スタイラス・ダイヤモンド」という合成ダイヤモンドもあります。
現状は女性の方が平均的に長生きであることから、先立たれた家族をダイヤにする人が多いそうです。また、ジュエリーを普段から身につけることからも親和性の高さが伺えます。ちなみに男性でも指輪の内側にダイヤを入れたり、ネクタイピンに埋め込まれた方もいらっしゃるそう。ジュエリー加工をせずに、ダイヤモンドをケースに入れたまま遺影や仏壇の近くに安置される方や、写真立てに埋め込む方もいるそうです。
もともとはお墓に納骨をしつつ、別で遺骨ダイヤを作る方が多かったそうです。近年はお墓を作らない代わりに全てのご遺骨を預けてダイヤにされる方も増えているとか。例えば地方のお墓を墓じまいしてご先祖様からダイヤを作る方もいれば、散骨などそもそもお墓に入らない希望があったけれども、何か残る形にしたいとしてダイヤを作る方もいます。
どのサイズのダイヤでも1つあたり400gの遺骨が必要となります。これは、成人男性の1/3から1/4に相当し、地方によっては収骨できる遺骨の量が大きく異なるため、注意する必要があります。 特に、中部地方の一部 と近畿以西は、収骨するための骨壺が小さい場合が多いため、大きい骨壺を用意してもらえるか確認しておきましょう。 骨壺のサイズを変えると葬儀社側で追加料金が発生する場合もあります。
人であればDNA鑑定などで一部分からその人物を特定することはできますが、ダイヤモンドから元の人物を辿ることは難しいとされています。 あなたの手元に届いたダイヤモンドが本当に身近な人からできたのか、後から証明することはできないため依頼先の信用が非常に重要となります。 実在しているのか、管理体制など信頼できる会社を比較検討するのが良いでしょう。
骨や遺灰から作られたダイヤとは言え貴金属に分類できます。ダイヤを管理する人が誰になるのかも含めきちんと話し合いをしておきましょう。お墓に入って欲しい人もいれば、親しかった人にダイヤを持っていて欲しいと考える人もいたり、希望はそれぞれです。
前述の注意の通り、本当に預けた遺骨からダイヤができているかは依頼先を信頼するしかありません。アルゴダンザ社では大切なご遺骨を預かるのがどんな人かを知ってもらうため、基本的に全国どこでも対面 で説明し、対面でご遺骨を預かるそうです。
スイスにある工場は見学自由となっており、日本からもこれまでに70人以上の人が訪問されているそうです。どのようにしてダイヤが作られているか確認できるというのは安心ですね。
アルゴダンザ社のダイヤはほとんど無色透明から美しいブルーの色合いに仕上がるとされています。 色の指定はできませんが、これは遺灰や遺骨に含まれる元素の混ざり具合により決まるため、色味も含めて大切なダイヤとなるでしょう。
お墓を作らない場合、ダイヤの作成に必要な遺骨を業者に送って、残りは自分で供養など処理する必要があるところ、アルゴダンザ社では全ての遺骨を預かってくださるそうです。また、遺骨を全てを預けた場合でも分割して輸送されるなど、輸送中にトラブルが起きないようにしっかり対策はされているそうです。
科学的 にも物理的にもダイヤモンドであり、肉眼では天然のダイヤと見分けることは難しいそうです。 それでは、ご遺骨から作られたダイヤモンドが盗まれたり、世の中で売買されてしまうのではと思う方もいるでしょう。この点では、実際には天然ダイヤモンドは通常鑑定書と一緒に取引されるため、こちらのダイヤを売るのは非常に難しいのではないかとされています。 ただし万が一の可能性もあることから、アルゴダンザ社ではレーザー刻印を施すことでこちらで作られたダイヤモンドかどうか確認ができる技術もあるとのことです。
1柱1石というわけではなく、複数のダイヤを作ることもできるそうです。 万が一の紛失が怖い方や、数人で分けたいという方も安心ですね。
どのような方がダイヤの作成を考えることが多いのか、懸念となりそうなポイントを解説しました。 ここからはどのようにして遺骨からダイヤモンドを製作していくのかを見ていきましょう。
アルゴダンザ社の本社は、スイスのクール市というチューリッヒから電車で約1時間ほどの場所にあります。遺骨ダイヤモンドの依頼をされた遺骨は全てこのスイス本社へと送られます。
分析対象物を加熱することにより、遺骨内に十分な炭素が含まれているかを確認したり、その他の遺骨を構成している物質を検査したりします。
科学的・物理的処理を行い、遺骨や遺灰から炭素を抽出していきます。
3.で抽出した炭素を、熱処理や物理的処理を行うことで、黒鉛に変換 します。
高温高圧法という方法によって、ダイヤモンドの生成を行います。具体的には、5万気圧以上でかつ、1300℃以上という高温高圧環境に4.で精製した黒鉛を封入することで、ダイヤモンドを生成します。5万気圧というのは、1気圧=標準的な大気圧となるので、大気圧の5万倍という圧力になります。この高温高圧状態に、最大で数週間入れることによってダイヤモンドが生成されます。
このような流れで、遺骨からダイヤモンドが生成されるようです。
今回は、アルゴダンザ・ジャパン社の遺骨ダイヤモンドをご紹介いたしました。 多様な供養方法が存在するなか、遺骨を遺骨のまま置かず、身近に感じる形としてとても魅力的だと感じた方も多いのではないでしょうか。 価格のハードルが高いとお考えの方、特に都市圏に在住の方は、墓じまいにより都市圏に墓地が集中し価格高騰する未来も含め、一つの選択肢としてみてはいかがでしょうか。 一例ですが ・地方の墓じまいをして、その後別のお墓を作って管理するのが大変と考えている方 ・納骨堂に入ろうとしている、入っているが柱数(ご遺骨の数)に限りがあり困っている方 ・ペットが納骨堂に入れず供養の形を悩まれている方 など、本当に様々な場合で考えられることがありそうです。 お墓に代わり、ダイヤモンドを思い出とともに受け継ぐのが新しい継承の形とするのも素敵な選択と言えるでしょう。是非皆さんも、遺骨ダイヤモンドを供養の選択肢として考えてみてください。
アルゴダンザ・ジャパンHP
Xでシェア
LINEでシェア
Facebookでシェア