墓じまいとは?田村淳さんのツイートで話題になった墓じまいを解説

墓じまいとは?田村淳さんのツイートで話題になった墓じまいを解説

公開日: 2024.8.22     更新日: 2024.8.23

2024年7月30日、田村淳さんがツイッターに投稿したツイートが大きな話題を呼びました。

その内容は、田村家はすでに「墓じまい」をされており、これからの供養の形について夫婦で話し合った結果、田村さんは、自身の供養方法として海洋散骨を選んだことを明らかにしたものです。このツイートは、現代における供養や家族のあり方について多くの人々に再考を促すものであり、「墓じまい」という選択肢がどのような意味を持つのか、そしてそれが私たちの未来にどのように影響を与えるのかについて考えるきっかけとなりました。

本コラムでは、「墓じまい」の具体的なプロセスや費用、さらに新しい供養の形として注目される海洋散骨など、今後の供養のあり方について深掘りしていきたいと思います。田村さんの選択が示すように、時代とともに変わりゆく供養の形は、私たちにどのような新たな選択肢をもたらしているのでしょうか。

墓じまいとは

墓じまいの意味と増えている理由

墓じまいとは先祖代々受け継がれてきたお墓を整理し、遺骨を別の場所に移すことを指します。この手続きには、墓石の撤去や移転、新たな供養先の選定が含まれます。

かつては家族で墓を守り続けることが一般的でしたが、現代においてはさまざまな事情でそれが難しくなってきました。例えば、子供が少なくなり、将来の墓の継承者がいないケースや、家族が遠方に住んでいるために定期的に墓参りができないケースが増えています。このような背景から、現在墓じまいを選択する人が増えているのです。

増加している背景には、社会的・経済的な要因が大きく影響しています。都市部への人口集中が進み、地方にある墓を維持することが困難になっている家庭が増えています。また、墓の管理には手間や費用がかかるため、継承者がいない場合や、負担を軽減したい場合に墓じまいを選択することがあります。

さらに、精神的・文化的な要因として、故人を供養する方法が多様化してきたことが挙げられます。近年では、墓石を持たずに故人を供養する選択肢も広がっており、従来の墓にこだわらない考え方が一般的になりつつあります。

墓じまいを選ぶ際のメリットとデメリット

メリット

墓の管理負担が軽減される

:特に遠方にある墓の維持にかかる時間や費用の負担が軽減

将来の継承者に対する負担を減らせる

自らの管理負担を減らせることも墓じまいのメリットですが、特にお子様がいる家庭では、次の世代への負担を軽減できる点も大きな利点です。また、遠方にある墓を墓じまいし、家族が通いやすい場所に新たな墓を建てることで、自身が亡くなった際にご家族が墓参りしやすくなることも、重要なメリットと言えるでしょう。

デメリット

家族間での意見の不一致が発生しやすい

:墓を処分することへの感情的な抵抗感や、先祖代々の墓を手放すことへの不安が原因

墓じまいにかかる費用が高額になる可能性がある

:事前に十分な計画と相談が必要

墓じまいには管理負担を軽減するなどのメリットがある一方で、家族間の意見の不一致や高額な費用が発生する可能性など、デメリットも存在します。そのため、墓じまいを検討する際には、家族との十分な話し合いと、将来を見据えた計画が欠かせません。事前にしっかりと準備を整え、後悔のない選択をすることが重要です。

墓じまいの手順

スケジュールについて

まず、家族とよく相談し、墓じまいをするかどうかを話し合います。その後、現在の墓の管理者や寺院、霊園の関係者と話し合いを行い、墓じまいの手続きを開始します。次に、遺骨の移転先を決定し、新たな供養方法を選びます。最後に、墓石の撤去や遺骨の移転を実行します。これらの手順は、通常数か月かかるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

必要な書類と手続きの流れ

まず、改葬許可申請書が必要となります。これは、遺骨を別の場所に移す際に必要な書類で、市区町村の役所に申請します。申請が受理されると、改葬許可証が発行されます。この許可証をもとに、遺骨の移転を行います。また、埋葬証明書も必要となる場合があるため、事前に確認しておきましょう。手続きの流れとしては、まず役所に申請し、許可が下りたら寺院や霊園と調整し、最終的に新たな供養先に遺骨を納めます。

墓じまいの費用

費用の目安

一般的には、数十万円から数百万円以上かかることが多いです。具体的には、墓石の撤去費用、遺骨の移転費用、新たな供養先の費用が主な費用項目です。例えば、墓石の撤去には業者を手配する必要があり、その費用は墓の規模や場所によって異なります。また、遺骨を移転する際の運搬費や、新しい供養先での納骨費用も考慮する必要があります。

見積もりの取り方

費用の見積もりを取る際は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。業者によって提供するサービス内容や料金が異なるため、詳細な説明を受けて納得のいく業者を選ぶことが大切です。また、見積もりを取る際には、追加費用が含まれているかどうかを確認することも重要です。例えば、撤去後の土地整備費用や、遺骨の移転費用に含まれるサービス内容など、細かな点まで確認しておくことで、後からのトラブルを避けることができます。

墓じまいで避けたいトラブル

家族、親戚間での意見の食い違い

墓じまいに関するトラブルで最も多いのが、家族や親戚間での意見の食い違いです。各家庭や親族の価値観や考え方が異なるため、意見が対立することがあります。特に、お墓を処分することに対する感情的な抵抗や、先祖代々の墓を手放すことへの不安から話し合いが難航することがよくあります。

また、「仏様になったときに帰る場所がなくなる」と感じる人もおり、それが心理的なハードルになることもあります。田舎では墓じまいが地域社会に知られることで、近所の目が厳しく、周囲からの理解を得ることが難しいという問題も見受けられます。

このようなトラブルを避けるためには、事前に十分な話し合いを行い、各家庭や親族の意見を尊重しつつ合意を得ることが重要です。また、地域の習慣や周囲の理解を得るための配慮も必要でしょう。

墓じまい後の遺骨・供養について

海洋散骨

墓じまい後の遺骨の供養方法として、近年注目されているのが海洋散骨です。文字通り、遺骨を粉末状にして海に散布する供養方法で、自然への還元という考え方に基づいています。また、散骨を行う会社によっては、一部の遺骨を小さな骨壺に納めるサービスも提供しており、これにより従来のお墓参りよりも気軽に故人をしのぶことができるとされています。

海洋散骨のメリットは、従来の墓石を持たないため、管理費用が不要である点です。また、自然に還るという意味で、故人の意志を尊重した供養方法として人気があります。一方で、散骨を行う場所の選定や法的な制約があるため、事前にしっかりとした準備が必要です。特に、日本国内では海洋散骨に関する法律が定められており、適切な手続きを踏まなければならない点に注意が必要です。

以上の特徴から、田村淳さんが選択した海洋散骨は、

・自然に還りたいと考える人

・後継者がいない、または子供に負担をかけたくない人

・遠方の墓参りが難しい家族がいる人

に向いているといえます。

樹木葬

樹木葬は、自然葬の一種で、墓石の代わりに樹木を使用して遺骨を供養する方法です。樹木葬では、遺骨を土に埋め、その上に樹木を植えることで、自然に還ることを重視した供養が行われます。

樹木葬のメリットは、自然環境に配慮した供養方法であることや、墓石を使用しないため、伝統的な墓よりも費用が抑えられる点です。また、自然に囲まれた環境での供養を希望する人にとって、樹木葬は魅力的な選択肢となります。一方で、一般的な墓と比べると、家族や親族の理解を得にくい場合があるため、事前にしっかりとした話し合いが必要です。

以上の特徴から樹木葬は、

・故人とのつながりを自然の中で感じたい人

・子供や家族に負担をかけたくない人

・費用を抑えたい人

納骨堂

寺院や専用の施設に遺骨を安置する供養方法です。特に都市部に多く設置されており、土地の確保が難しい地域でも利用しやすいのが特徴です。このため、都市部に住む方々にとっては、アクセスの良さや管理のしやすさから、納骨堂が選ばれることが増えています。

納骨堂のメリットは、手入れが簡単であることや、永代供養が可能である点です。また、天候や季節に関係なく、いつでもお参りができる環境が整っています。一方で、納骨堂の利用には費用がかかるため、場所や施設によっては高額になることがあります。そのため、納骨堂を選ぶ際には、費用やアクセスのしやすさ、施設の設備などを考慮して選ぶことが重要です。

以上の特徴から納骨堂は、

・ご家族と同じ墓に入りたいが管理負担を減らしたい人

・都市部に住んでいる人

・頻繁にお参りしたい人

今後の供養の在り方

現代において、供養の在り方は時代とともに多様化し、従来の墓地に代わる新たな選択肢が増えています。

墓じまいを行うことで、家族間の負担を軽減し、後継者がいない場合でも安心して遺骨を管理できます。墓じまい後の遺骨の供養方法としては、自然への還元を重視する海洋散骨や樹木葬、都市部に適した納骨堂といった選択肢があり、それぞれのライフスタイルや価値観に合わせた柔軟な供養が可能です。

これからの時代、供養や墓のあり方は、個人や家族の希望に基づいて多様化していくでしょう。従来の墓地にとらわれず、家族と十分に話し合い、納得のいく供養方法を選ぶことが、未来の供養の在り方を考える上で重要です。墓じまいを通じて、新しい供養の形を見つけることが、これからの時代においてますます大切になっていくでしょう。

まとめ

「墓じまい」とその後の供養方法は、現代の家族構成や生活スタイルの変化に合わせて多様化しています。田村淳さんの事例のように、墓じまいを機に新しい供養の形を模索することは、これからの時代においてもますます重要になるでしょう。家族との話し合いを重ね、各家庭の価値観や希望に沿った供養方法を選ぶことが大切です。

私たち終活相続ナビは「墓じまい」に関する相談はもちろんのこと「終活」、「相続」に関するご相談も終活相続ナビ専門の相談員が心をこめてご対応しますのでお気軽にお問い合わせください。

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