生前贈与を月額で行う方法と注意点

生前贈与を月額で行う方法と注意点

公開日: 2024.7.25     更新日: 2024.7.30

生前贈与は、親から子供への資産移転をスムーズに行う有効な方法です。この記事では、生前贈与の基本から月額贈与の手続きや注意点について詳しく解説していきます。

生前贈与の基本的なメリットとデメリット

生前贈与の最大のメリットは、相続税の節税効果です。年間110万円までの贈与は非課税となるため、毎年この範囲内で贈与を行うことで、将来の相続税を大幅に減らすことができます。また、親が健在なうちに子供や孫に資産を譲り渡せるので、資産の活用方法について話し合う時間を持てるのも魅力的です。

一方、デメリットとしては、贈与税が発生する可能性があることです。年間110万円を超える贈与を行うと、超過分に対して贈与税が課税されます。また、財産を一度に大きく減らすことになるため、贈与者の生活資金に影響が出る可能性もあります。さらに、生前贈与が進むと、将来の相続で公平性が問題になることもあるでしょう。

月額贈与を行うための手続きと法的要件

月額贈与を行うには、まず贈与契約書を作成することが重要です。これは、贈与者と受贈者の間で贈与の内容や条件を明確にするための書面で、後々のトラブルを防ぐためにも必須といえます。贈与契約書には、贈与金額、贈与の方法(現金、振込など)、贈与の時期などを明記します。

法的要件として、贈与が確実に行われたことを証明するために、贈与の事実を記録に残す必要があります。これは、銀行振込の明細書や領収書などを保存することで対応できます。月額での贈与は、定期的に一定の金額を贈与する形式で行われるため、毎月の贈与が確実に実行されていることを確認できるようにしておくことが大切です。

国税庁HPにもありますが、向こう10年の贈与契約を作成してしまうと、契約時の年に定期金に関する権利を受け取ったとして全額分贈与税の対象となります。

結果として非課税枠を超えた範囲の贈与となり、その分贈与税が発生してしまうこととなります。

定期定額贈与も税務署から否認されるリスクは高いと言われていますので、基本的には月額での贈与は推奨しません。

また、普段使っていない口座や、贈与されている本人が知らない口座(孫名義の通帳を用意して写す)などは否認されるケースが非常に多いとのことです。

税制上の注意点と対策方法

財産価額にもよりますが、贈与を行う際の最大の税制上の注意点は、年間の非課税枠を超えないようにすることかもしれません。日本では、年間110万円までの贈与が非課税ですが、この金額を超えると超過分に対して贈与税が課税されます。そのため、月額での贈与を行う際には、年間の贈与金額が110万円を超えないよう調整することが重要になってきます。

一方で、多くの財産を持つ方にとっては贈与税が発生するとしても相続税よりは安くなる可能性もありますので、両方の試算をして比較することが重要となります。

また、贈与の実態を疑われないようにするためにも、贈与契約書の作成や贈与の事実を証明する記録をしっかりと残しておくことが必要です。贈与の事実を明確にすることで、税務署からの質問や調査にも適切に対応できるでしょう。

さらに、贈与税の節税対策として、特例を活用する方法もあります。例えば、教育資金贈与の非課税措置や、結婚・子育て資金贈与の非課税措置などが利用できる場合があります。これらの特例を上手に活用すれば、贈与税をさらに減らすことができるかもしれません。

まとめ

生前贈与を月額で行うことは、相続税対策として非常に有効な方法だといえます。年間110万円の非課税枠を活用し、計画的に贈与を行うことで、将来の相続税を減らすことができます。ただし、贈与契約書の作成や贈与の事実を証明する記録の保存など、手続きや法的要件を守ることが重要です。また、税制上の注意点を把握し、適切な対策を講じることで、贈与税を最小限に抑えることができるでしょう。

親から子供への資産移転をスムーズに行うために、生前贈与を検討する価値は十分にあります。月額での贈与を賢く活用し、家族の未来をより豊かなものにしていきましょう。

※調査情報をもとに慎重に執筆を行なっておりますが、その情報の正確性、完全性等を保証するものではありません。着手時は専門家へのご相談を強く推奨します。

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