
暑中見舞いはいつ送る?時期・マナー・例文を完全ガイド!
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日本には四季折々の挨拶文化があり、なかでも夏の訪れとともに送られる「暑中見舞い」は、相手の健康や安否を気づかう大切な風習のひとつです。近年では、電子メールやSNSなどのデジタルコミュニケーションが主流となり、手紙やはがきを送る機会は減りつつありますが、だからこそ「暑中見舞い」という古くからの礼儀が、改めて注目されています。
特にビジネスシーンでは、丁寧な季節の挨拶として取引先との関係を深めるきっかけになるほか、友人や親戚、離れて暮らす家族に送ることで、思いやりの気持ちを伝えるツールとしての価値も見直されています。
しかし、「暑中見舞いの時期はいつからいつまでなのか分からない」「どんな内容を書けばいいのか悩む」「相手に失礼がないマナーを知りたい」といった疑問や不安を持つ人も少なくありません。
本記事では、暑中見舞いの基礎知識から、正しい時期、書き方のポイント、押さえておくべきマナー、そしてすぐに使える例文集までを網羅的にご紹介します。これから暑中見舞いを初めて送ろうと考えている方はもちろん、毎年なんとなく送っていたけれど形式が不安だったという方にも役立つ、実践的なガイドです。
暑中見舞いとは?
暑中見舞いとは、1年でもっとも気温が高く、体調を崩しやすい夏の時期に、相手の健康や近況を気づかって送る挨拶状のことです。日本では古くからの風習として定着しており、この習慣には、厳しい暑さの中での無事を願う意味合いが込められています。
起源と歴史
暑中見舞いの起源は、奈良時代から平安時代にかけての日本古来の慣習にさかのぼります。当時は、先祖の霊を供養するためにお供え物を持って実家や親族を訪ねる「お盆」の習慣があり、その訪問が暑中見舞いの原型とされています。江戸時代になると、訪問が難しい遠方の親族や知人に対して、文書や品物を送る形式が一般化し、明治時代以降には、郵便制度の発展により「暑中見舞いはがき」という形式が広まりました。
暑中見舞いとお中元の違い
混同されやすいものに「お中元」がありますが、こちらは品物を贈る行為であり、暑中見舞いは基本的には手紙やはがきを通じた文章での挨拶です。お中元を贈る際に添える手紙として暑中見舞いを同封することもありますが、それぞれ意味合いは異なります。
暑中見舞いと残暑見舞いの違い
暑中見舞いと残暑見舞いは、いずれも夏に送る季節の挨拶状ですが、使用する言葉や伝える気遣いの内容が異なります。暑中見舞いは、盛夏の暑さを気づかうものであるのに対し、残暑見舞いは、暑さの残る時期に体調を案じるために送るものです。
書き出しの挨拶文もそれぞれ異なり、「暑中お見舞い申し上げます」「残暑お見舞い申し上げます」といったように、状況に応じて使い分けるのがマナーとされています。
暑中見舞いの時期はいつからいつまで?
暑中見舞いを送る際に最も重要なのが、「いつ送るべきか?」というタイミングの問題です。暑中見舞いは、ただ夏の間ならいつでも送っていいというものではなく、暦(こよみ)に基づいた適切な時期があります。送る時期を誤ると、相手に違和感を与えてしまうこともあるため、基本ルールをしっかり理解しておきましょう。
小暑から立秋前日までが基本
暑中見舞いを送る適切な期間は、「小暑(しょうしょ)」から「立秋(りっしゅう)の前日」までとされています。
節気 | 意味 | 時期(目安) |
小暑 | 暑さが本格的に始まる頃 | 7月7日頃 |
立秋 | 暦の上で秋が始まる日 | 8月7日頃 |
つまり、毎年7月7日頃〜8月6日頃までが、暑中見舞いを送る一般的な期間とされています。この間に送ることで、「暑さが厳しい中、あなたの健康を気づかっています」という意図が適切に伝わります。
なお、「梅雨明け」を起点に考える地域もありますが、全国的な基準としては、小暑〜立秋前日が最も確実で無難です。
暑中見舞いと残暑見舞いの切り替えタイミングに注意
8月7日以降(=立秋以降)に暑中見舞いを出すのは、マナー違反とまでは言いませんが、季節感に欠けると見なされることがあります。そのため、暑中見舞いは立秋前日までに届くように出すのが理想です。
立秋を過ぎたら、「残暑見舞い」として出し直すのが正しいマナーです。
たとえば
- 8月6日以前に出す → 暑中見舞い
- 8月7日以降に出す → 残暑見舞い
また、発送から到着までに数日かかることを考慮し、遅くとも8月初旬には投函するのが現実的です。
地域差に注意するポイント
日本は南北に長い国です。そのため、梅雨明けの時期や気候の体感温度には地域差があります。一部の地域では、梅雨が明けるのが7月中旬になることもあります。こうした場合、形式としては「小暑から立秋前日」を基準としつつ、地域の気候感に合わせて柔軟に判断することも可能です。
たとえば
- 沖縄では6月末〜7月頭に出すケースも多い
- 東北地方では梅雨明けが遅いため、7月中旬〜下旬が中心
ただし、ビジネス上のやりとりなど全国共通のマナーが重視される場面では、暦の基準に従うのがベターです。
暑中見舞いの基本の書き方
暑中見舞いは、季節の挨拶としての丁寧な心づかいを伝える手段ですが、いざ書こうとすると「何から書けばいいのか分からない」「言葉遣いに自信がない」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。ここでは、暑中見舞いの基本的な構成と、それぞれのパートに込めるべき内容を詳しく解説します。
暑中見舞いの文章構成は5つの要素でできている
暑中見舞いの文章は、以下の5つのパートに分けると、自然で読みやすく、マナーとしても整った印象になります。
- 季節の挨拶(定型文)
- 相手の安否・健康を気づかう言葉
- 自分の近況報告
- 相手への気遣い・今後の健康を祈る言葉
- 結語(締めの言葉)と日付・署名
各パートの詳しい解説
1. 季節の挨拶(定型文)
もっとも一般的なのが「暑中お見舞い申し上げます」という一文。文頭に大きく書くのが慣例で、本文の書き出しとは分けてレイアウトします。
- 「暑中お見舞い申し上げます」
- 「暑さ厳しき折から お見舞い申し上げます」
これらは決まり文句として使われるため、アレンジは最小限にとどめた方が無難です。
2. 相手の安否・健康を気づかう言葉
相手の様子を気づかうことで、挨拶文に温かみが生まれます。
- 「いかがお過ごしでしょうか」
- 「毎日厳しい暑さが続いておりますが、お元気でいらっしゃいますか」
文面の堅さは相手との関係性に応じて調整しましょう。
3. 自分の近況報告
簡潔に自分の近況を伝えることで、暑中見舞いが一方通行の挨拶ではなく、双方向のコミュニケーションになります。
- 「私は元気に過ごしております」
- 「こちらは毎日猛暑が続いておりますが、家族皆元気です」
長くなりすぎないよう、1〜2文程度が適切です。
4. 相手への気遣い・今後の健康を祈る言葉
最後に、暑さが続く中での健康を祈る文を添えるのがマナーです。
- 「暑さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください」
- 「お身体にお気をつけて、健やかにお過ごしください」
これはビジネスでもプライベートでも共通して使える表現です。
5. 結語と日付・署名
締めには、「令和○年 盛夏」などの表現で季節を示します。西暦・和暦のどちらでも構いませんが、「盛夏(せいか)」という季語を加えると、より格式のある印象になります。
- 「令和8年 盛夏 ○○○○」
- 「2026年 盛夏 ○○○○」
※句読点は使わないのが伝統的マナーとされますが、カジュアルな文面では使用しても問題ありません。
書き方のスタイルは3種類ある
暑中見舞いはがきの形式にもいくつかの種類があります。用途や相手との関係性に応じて選びましょう。
① 手書きのはがき(定番・丁寧)
- 最もフォーマルで心がこもった印象を与える
- 目上の人や取引先におすすめ
- 美しい筆跡や絵柄が相手に好印象を与える
② 印刷済みテンプレート(便利で均整の取れた印象)
- 文例付きテンプレートを使ってもOK
- 挨拶文に手書きで一言添えると心遣いが伝わる
- 多くの相手に一斉に送る場合にも効率的
③ メール・SNS(カジュアルな挨拶向け)
- 現代的で気軽に送れる手段
- 親しい友人や若年層の間で利用されやすい
- ビジネス向けや年配の相手には不向きな場合もある
暑中見舞いのマナー
暑中見舞いは、相手を思いやる心を伝える挨拶状ですが、その効果を十分に発揮させるためには、基本的なマナーを守ることが欠かせません。マナーを無視した暑中見舞いは、かえって印象を悪くしてしまうこともあります。ここでは、送る際に注意すべきマナーと、やってはいけないNG例を具体的に解説します。
基本マナー①:送るタイミングを守る
最も重要なのは、「いつ送るか」というタイミングです。これは前章でも解説しましたが、暑中見舞いは「小暑(7月7日頃)〜立秋の前日(8月6日頃)」までに出すのが原則です。
この期間を過ぎてしまった場合は、「残暑見舞い」として出し直すことがマナーとされています。誤って立秋を過ぎてから「暑中見舞い」と書いて出すと、季節感のずれた印象を与えてしまいます。
基本マナー②:相手との関係に応じた文体にする
暑中見舞いは、送り先によって文体や表現を調整することが求められます。
- ビジネス相手:敬語・丁寧語を使用し、格式ある文体に。手書きや毛筆が好まれる。
- 友人・親戚:もう少しくだけた表現や個人的な話題もOK。
- 年配の方:格式や伝統を重んじる傾向があるため、できる限り手書きで、句読点を使わない形式が好まれることも。
相手が誰であれ、「健康を気づかう心」をしっかり伝えることが何よりも大切です。
基本マナー③:忌中の相手には配慮が必要
相手やそのご家族が喪中・忌中の場合、暑中見舞いを出すのはマナー違反とされることがあります。このような状況では、暑中見舞いではなく、時期を見てから「寒中見舞い」などに切り替えるのが適切です。
もし、どうしても暑中見舞いの形式で送る必要がある場合は、相手の気持ちに寄り添った配慮ある文面を心がけ、装飾や華美なデザインは避けましょう。
基本マナー④:句読点の使い方に注意する
伝統的な手紙やはがき文化では、「句読点を使わない」のが正式なマナーとされています。これは、昔の筆書きの時代には句読点が使われておらず、丁寧な文体=句読点を使わない文章とされてきたことに由来します。
現代ではそこまで厳密に守らなくても問題はありませんが、特にビジネスシーンや目上の方への挨拶では、句読点を省略した文体が望ましいとされています。
よくあるNG例と注意点
以下のようなミスは、暑中見舞いの印象を損ねてしまうことがあります。マナーとして避けたいポイントをチェックしておきましょう。
NG例 | 理由・修正ポイント |
立秋を過ぎても「暑中見舞い」と書く | 8月7日以降は「残暑見舞い」に切り替える |
相手の名前を間違える・敬称を略す | 失礼にあたるため、必ず確認・丁寧に記載する |
ビジネス相手にくだけた表現を使う | 関係性に応じた文体・敬語を使う |
華美なイラストや装飾を使いすぎる | 年配の方・ビジネス相手には控えめなデザインが無難 |
句読点を多用した文面 | 伝統的なスタイルでは句読点なしが一般的。特に目上の方には注意 |
暑中見舞いの例文集
暑中見舞いを送る際、「文章を一から考えるのは難しい」「相手との関係に合った表現が分からない」と悩む方も多いでしょう。そこでこの章では、シチュエーション別に使える暑中見舞いの例文を多数ご紹介します。ビジネス、親しい友人、家族、高齢の方など、さまざまな立場に合わせた文例を参考に、あなたらしいメッセージを添えてください。
ビジネス向け
丁寧で礼儀正しい文体を心がけることが重要です。句読点を省略し、「盛夏」「ご自愛」などの定型表現を使用すると格式が保てます。
例文①(取引先向け)
暑中お見舞い申し上げます
平素は格別のお引き立てを賜り 誠にありがとうございます
連日の猛暑が続いておりますが 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
今後とも変わらぬご厚誼のほど よろしくお願い申し上げます
酷暑の折 皆様どうぞご自愛くださいませ
令和八年 盛夏
株式会社〇〇
営業部 山田太郎
例文②(社内の上司・同僚向け)
暑中お見舞い申し上げます
毎日暑い日が続いておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか
おかげさまで私も元気に過ごしております
今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします
酷暑の折 くれぐれもご自愛くださいませ
令和八年 盛夏
友人・知人向け
ややカジュアルで、近況や共通の話題を盛り込んだ親しみのある文体が効果的です。絵はがきやデザインカードなどに添えても良いでしょう。
例文③
暑中お見舞い申し上げます
毎日暑い日が続いていますが お元気ですか?
こちらは相変わらず仕事に追われつつも 元気に過ごしています
近いうちにまた会えるといいですね
水分補給を忘れずに 暑い夏を乗り切りましょう!
2026年 盛夏
家族・親戚向け
温かみのある表現や、季節の行事、子どもの成長などを報告するのも良いでしょう。親しみやすい言葉づかいで構いませんが、配慮と敬意は忘れずに。
例文④
暑中お見舞い申し上げます
暑さが厳しい日々が続いておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか
私たちは皆元気にしています
〇〇(子どもの名前)も元気いっぱいで 毎日プールに夢中です
お体に気をつけて 暑い夏をお過ごしください
令和八年 盛夏
カジュアル(SNSやメール)
SNSやメールで送る場合は、形式にとらわれすぎず、気軽に気持ちを伝えましょう。ただし、最低限の季節感と礼儀は大切です。
例文⑤
暑中お見舞い申し上げます!
毎日暑いけど 元気にしてる?
今年は海か花火に行きたいね〜
体調崩さないように気をつけてね!
まとめ
暑中見舞いは、夏の暑さが厳しい時期に相手の健康を気づかう、日本独自の礼儀と心遣いが込められた挨拶文化です。近年ではデジタルツールの普及により、手紙やはがきを使う機会が減少していますが、だからこそ「形に残る挨拶」としての価値が見直されつつあります。
本記事では、暑中見舞いの意味と起源から始まり、送るべき時期、基本的な書き方、守るべきマナー、具体的な例文までを一貫して解説しました。暑中見舞いは毎年7月7日頃(小暑)から8月6日頃(立秋の前日)までに届けるのが基本で、それ以降は「残暑見舞い」として扱います。
書き方は、「季節の挨拶」に続けて「相手の健康を気づかう言葉」、「自分の近況」、「相手の健康を祈る文」、そして「日付と署名」という流れを意識すると、自然で丁寧な文章になります。文体や語調は相手との関係性に応じて調整し、ビジネスでは格式を、親しい間柄では温かみを大切にしましょう。
マナーを守りながらも、自分らしい言葉を添えることで、暑中見舞いは単なる形式的な挨拶ではなく、心に残るコミュニケーションとなります。この夏、大切な相手へ、あなたの想いを暑中見舞いで届けてみてはいかがでしょうか。
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