
寒中見舞いとは?出す時期やタイミング、書き方、マナーを詳しく解説【文例あり】
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寒中見舞いは、厳しい冬の寒さが続く中で、相手の健康を気遣い、感謝や挨拶を伝える日本の伝統的な風習です。この時期特有の挨拶状として、年賀状や喪中はがきとは異なる役割を果たします。
しかし、「寒中見舞いを出したことがない」「いつ出せば良いのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。本記事では、寒中見舞いの基本的な意味や背景、適切な書き方や出すタイミング、マナーについて詳しく解説していきます。
寒中見舞いとは?
寒中見舞いは、厳寒期に送る相手の健康を気遣うための挨拶状です。
本来は季節の変わり目にお見舞いとして送られるものでしたが、現在ではさまざまな目的で使われるようになっています。例えば、喪中のために年賀状を控えた場合や、年賀状を出しそびれた場合の代わりとしても広く利用されています。
寒中見舞いの歴史
寒中見舞いの起源は、江戸時代に遡ります。
当時は書状文化が盛んで、手紙を通じて親しい人々に季節の挨拶を送る習慣が根付いていました。特に寒さが厳しい時期には、健康を気遣う内容が多く見られ、それが寒中見舞いの原型となりました。
寒中見舞いを出す背景と目的
現代の寒中見舞いは、以下のような場面で使われます。
相手の健康を気遣う
「寒さが厳しい時期ですが、お変わりありませんか?」といったメッセージで、季節特有の心遣いを表します。
年賀状を出しそびれた場合の挨拶代わり
「新年のご挨拶が遅くなり申し訳ございません」とお詫びを含めた挨拶状として利用されます。
喪中時の配慮として
年賀状を控えた場合でも、寒中見舞いを通じて新年の挨拶や感謝を伝えることができます。
寒中見舞いを送る時期
寒中見舞いを送る時期は、松の内(1月1日~7日)が終わってから立春(基本的に2月4日)までとされています。この期間が「寒の内」と呼ばれることから、寒中見舞いの適切な時期とされています。
松の内の期間に気をつけよう
松の内(1月1日~7日)は年賀状の期間として認識されています。そのため、松の内が終わった1月8日以降に寒中見舞いを出すのがマナーです。
なお松の内の期間は地域によって異なる場合があるため、確認するようにしましょう。
立春を過ぎたら「余寒見舞い」に切り替える理由
立春を過ぎると、寒中見舞いは「余寒見舞い」と呼ばれる挨拶状に変わります。この切り替えは、日本の暦における季節の区切りを意識したものです。立春以降も寒さが続くため、余寒を気遣う形で送ります。
寒中見舞いを出すタイミング
喪中の場合
喪中の際に年賀状を控える場合、寒中見舞いは新年の挨拶を兼ねる役割を果たします。「喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきましたが、寒中お見舞い申し上げます」といった文面がよく使われます。
年賀状を出しそびれたとき
新年の挨拶が遅れてしまった場合には、寒中見舞いで改めて感謝や挨拶を伝えます。この際、「新年のご挨拶が遅くなり申し訳ございません」とお詫びを含めることが重要です。
喪中の相手への挨拶
喪中の方には、寒中見舞いを通じて丁寧に挨拶を伝えます。「寒さ厳しき折、いかがお過ごしでしょうか」といった内容で、相手の健康や気持ちを思いやる言葉を添えます。
寒中見舞いの書き方
寒中見舞いの基本的な構成

季節の挨拶
「寒中お見舞い申し上げます」と書き出します。
相手の健康を気遣う言葉
「厳寒の折、いかがお過ごしでしょうか」と続けます。
近況報告や感謝の言葉
「おかげさまで私たちは元気に過ごしております」と自分の近況を簡潔に伝えます。
結びの挨拶
「どうぞご自愛ください」と相手の健康を祈る言葉で締めます。
寒中見舞いを書く際の注意点
適切な言葉選び
「厳寒」や「寒さ厳しき折」など、季節を反映した表現を使うと好印象です。
忌み言葉や重ね言葉を避ける
喪中の相手には、祝い事に関する言葉や繰り返し表現を控えましょう。
寒中見舞いの文例集
以下に、さまざまなシチュエーションに応じた寒中見舞いの文例を紹介します。
基本的な寒中見舞いの文例
寒中お見舞い申し上げます。
厳しい寒さが続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。
私たちはおかげさまで変わらず元気に過ごしております。
まだ寒さが続きますので、どうぞお体を大切にお過ごしください。
今年もよろしくお願い申し上げます。
喪中の報告を兼ねた寒中見舞いの文例
寒中お見舞い申し上げます。
昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。
私事で恐縮ですが、昨年〇月に〇〇(故人の続柄)が永眠いたしましたため、年始のご挨拶を控えさせていただきました。
寒さ厳しき折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
年賀状を出しそびれた場合の寒中見舞いの文例
寒中お見舞い申し上げます。
新年のご挨拶が遅くなり、申し訳ございません。
厳しい寒さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
私たち家族はおかげさまで元気に過ごしております。
今年一年が素晴らしい年になりますようお祈り申し上げます。
どうぞご自愛ください。
喪中の方に送る寒中見舞いの文例
寒中お見舞い申し上げます。
厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
昨年はご不幸があり、大変お疲れのことと存じます。
どうかお体を大切に、無理のないようお過ごしください。
まだまだ寒さが続きますので、どうぞご自愛ください。
フレンドリーな寒中見舞いの一言メッセージ例
「寒さが厳しいですね。お元気ですか?」
「久しくお会いできていませんが、またお会いできる日を楽しみにしています!」
「寒さが続きますので、風邪などひかないよう気をつけてくださいね!」
寒中見舞いのデザインと形式
寒中見舞いに適したはがきの選び方
寒中見舞いには、シンプルでフォーマルなデザインのはがきが適しています。落ち着いた色合いや季節感のあるイラストが人気です。
年賀はがきはNG!フォーマルなデザインを選ぼう
年賀はがきの使用は避けましょう。年賀はがきは祝賀の意味が込められているため、寒中見舞いにはふさわしくありません。
喪中の場合の寒中見舞いデザインのポイント
喪中の際は、さらに慎重に選びましょう。華美な装飾を避け、白や淡い色を基調としたデザインが無難です。
寒中見舞いのマナー
寒中見舞いを出す際の基本的なマナー
タイミングを守る
1月8日以降~2月4日までの間に出す。
適切な言葉遣い
フォーマルな場面では簡潔で丁寧な文面にする。
喪中の相手への配慮と言葉の選び方
喪中の相手には、祝い事を避けた言葉を選ぶことが重要です。「新年」という表現や直接的な祝いの言葉は使わず、相手を気遣う内容を優先します。
家族や親しい友人向けのカジュアルな寒中見舞い
親しい相手には、少し砕けた表現や個人的なメッセージを加えると、温かみのある印象を与えられます。「最近お会いできていませんが、元気にしていますか?」といった一文が適しています。
寒中見舞いと関連する他の挨拶状
余寒見舞い
寒中見舞いは1月7日から立春までの期間に送りますが、立春以降は「余寒見舞い」と呼ばれます。どちらも相手の健康を気遣う内容ですが、名称が変わる点に注意が必要です。
喪中はがき
喪中はがきは、年賀状の時期よりも前(11月~12月頃)に送るもので、故人の報告を目的としています。一方、寒中見舞いは年賀状の代替や追加の挨拶として使用します。
暑中見舞い
どちらも季節の挨拶状という点で共通していますが、暑中見舞いは夏の暑さ、寒中見舞いは冬の寒さに対応しており、使用する時期や目的が異なります。
寒中見舞いの贈り物アイデア
寒中見舞いに小さな贈り物を添える場合、相手に負担を感じさせないアイテムが適しています。食品や日用品が一般的です。
おすすめの贈り物例
タオル
実用的で誰でも使えるギフトです。
フルーツ
季節感を感じさせる冬のフルーツ(りんご、みかんなど)が人気。
グルメセット
コーヒーや紅茶、調味料なども喜ばれます。
贈り物の相場と注意点
贈り物の価格は、1,000円~3,000円程度が一般的です。高額すぎる贈り物はかえって負担を与えることがあるため注意しましょう。
寒中見舞いに関するよくある質問
喪中はがきを出し忘れた場合、寒中見舞いで挨拶しても良い?
はい、問題ありません。喪中はがきの代わりとして寒中見舞いを送ることで、遅れてしまったことへの配慮を伝えられます。
寒中見舞いはメールやSNSで送れる?
ビジネスシーンやフォーマルな場面では避けたほうが良いですが、親しい間柄であればメールやSNSでも失礼に当たりません。
寒中見舞いをもらった場合の返信方法
受け取った寒中見舞いには、できるだけ早めに返事を出しましょう。返信には、同じはがき形式や手紙が好ましいですが、場合によってはメールでも構いません。
寒中見舞いの意義
現代における寒中見舞いの意義
寒中見舞いは、単なる形式的な挨拶ではなく、相手への思いやりを形にする素晴らしい手段です。メールやSNSが主流の時代だからこそ、手書きのはがきがもたらす温かみは特別です。
大切な人を気遣う気持ちを伝える手段
寒中見舞いは、直接会えない相手に季節の挨拶を通じて思いやりを示す機会です。特に冬は体調を崩しやすい時期のため、健康を気遣う一言が大きな意味を持ちます。
寒中見舞いをきっかけとした新たな交流
久しぶりに連絡を取る相手への寒中見舞いは、新たな交流を生むきっかけにもなります。「また近々お会いしましょう」といった文面を添えれば、次の機会につながるでしょう。
おわりに
寒中見舞いは、厳しい冬を乗り越えるための励ましや心遣いを形にする文化です。正しいマナーや書き方を守りつつ、相手に感謝や気遣いの気持ちを伝えましょう。今年はぜひ寒中見舞いを通じて、大切な方との絆を深めてみてはいかがでしょうか。
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