2025.6.11
デジタル終活とは
デジタル終活が必要な理由
整理すべきデジタル資産
1. 金融関連のデジタル資産
2. 契約・会員情報関連のデジタル資産
3. SNS・コミュニケーション関連のデジタル資産
4. 写真や書類など思い出のデジタル資産
5. パソコンやスマホに保存されたデジタル資産
デジタル終活の進め方
1. デジタル資産の棚卸しを行う
2. パスワードとログイン情報を整理する
3. データの整理と優先順位付け
4. エンディングノート・遺言書に情報を残す
5. 定期的に見直し・更新をする
6. 専門家の力を借りるのも有効
デジタル終活の注意点
1. プライバシー情報の扱いに注意
2. 法律・利用規約に違反しない
3. デジタル遺言の法的制約に注意
4. 家族間トラブルの回避
5. 定期的な情報更新を忘れない
デジタルデータの保存期間
1. クラウドサービスの保持期間
2. SNSアカウントの保持期間
3. ネットバンキング・金融資産の保持期間
4. サブスクリプション型サービスの保持期間
5. デバイス本体のデータ保持
まとめ
インターネットが普及し、私たちの生活は紙の書類や現金だけではなく、目に見えない「デジタル資産」にも大きく依存するようになりました。SNSの投稿、ネットバンキングの口座、サブスクリプションサービスの契約、スマートフォンの写真や動画――これらはすべて個人の財産であり、大切な思い出でもあります。 しかし、これらのデジタル資産は、私たちが亡くなった後どうなるのでしょうか? アクセスできずに放置されたSNSアカウント、不正利用されるネット銀行の残高、家族が開けられないスマートフォンの中の思い出の写真――こうした問題は現代ならではの新しい課題として、年々注目を集めています。 そこで今、多くの人が取り組み始めているのが「デジタル終活」です。従来の終活が不動産や預金、保険などの整理を中心としてきたのに対し、デジタル終活は目に見えない資産を整理し、残された家族が困らないよう備える活動です。 本記事では、デジタル終活の基本的な考え方から、対象となる資産の種類、具体的な進め方、注意すべきポイント、保有データの保存期間、ローカル機器とクラウド機器の管理方法までを徹底的に解説します。誰にでも訪れる「その時」のために、今できる備えを一緒に考えていきましょう。
デジタル終活とは、自身の死後に備え、インターネットや電子機器に保存されたさまざまなデジタル情報やアカウントを整理・管理する活動を指します。現代では、パソコンやスマートフォンをはじめ、多くのオンラインサービスを日常的に利用することで、膨大なデジタ ル資産が生まれています。 これまでの終活は、不動産、現金、預貯金、有価証券といった「目に見える財産」が中心でした。しかし今では、形のない「見えない財産=デジタル資産」も、相続や整理の対象として非常に重要になっています。
なぜデジタル終活がこれほど重要視されるようになったのでしょうか? 理由は大きく3つに整理できます。 1.遺族がアクセスできずに困るケースが多発している パスワードやIDが分からないと、残高確認、解約、削除、相続などの手続きが進められなくなる。SNSアカウントが乗っ取られたり、放置されたまま公開され続けるケースも。 2.不正利用・情報漏洩のリスクがある 死後のアカウント放置は、第三者による不正ログイン、なりすまし、金融犯罪に繋がる恐れがある。 3.大切な思い出や情報を確実に残すため 家族にとって重要な写真や動画、手紙、仕事の資料などが整理されないままだと、消失したり、発見できなかったりするリスクがある。
デジタル終活の対象は日々増えている 現在私たちの周囲には、SNS、クラウドストレージ、ネットバンキング、サブスクリプション、仮想通貨、電子書籍など、様々な形態のデジタル資産が存在しています。これらは今後さらに多様化し、世代や職業を問わず誰にとっても避けられない問題になりつつあります。 デジタル終活は「すべての世代に必要」 「終活=高齢 者のもの」と考えがちですが、デジタル終活に関しては全年齢が対象となります。事故・病気・災害など突然の事態は年齢を問わず誰にでも起こり得るからです。若年層や働き盛りの世代でも、自分のデジタル資産を棚卸し、整理・管理する意識が求められています。
デジタル終活を行ううえで、最も重要な準備が「自分が持っているデジタル資産を把握すること」です。普段意識せず利用しているサービスも、死後に整理が必要になるケースは非常に多く存在します。ここでは、具体的にどのような資産が対象となるのかを分類して紹介します。
金融関係のアカウントは特に重要で、資産相続や遺産分割にも直接関わります。 ・ネットバンキング口座 ネット上での預金・定期預金・投資信託・外貨預金など ・ネット証券口座 株式、債券、投資信託、ETF、FXなどの取引データ ・仮想通貨取引所・ウォレット ビットコイン、イーサリアムなど、秘密鍵の有無が生死を分ける非常に重要な資産 ・キャッシュレス決済アカウント PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、Apple Payなどに残る残高や履歴 ・ポイント・マイレージ 楽天ポイント、Tポイント、ANA・JALマイルなども実質的な資産になる場合がある