
2025年、都立霊園の新規使用者募集が東京都より正式に発表されました。毎年、都立霊園はその立地の良さや管理の信頼性から非常に高い人気を誇り、特に青山霊園や谷中霊園などの都心型霊園は抽選倍率が非常に高くなる傾向があります。
この記事では、2025年度の最新スケジュールをはじめ、募集区画数や使用料、応募条件などを網羅的に解説。これから都立霊園への申し込みを考えている方に向け、事前準備から応募までに必要な実践的アドバイスを提供します。
都立霊園とは何か?
都立霊園の主な特徴
・運営の信頼性:東京都が直接管理しているため、長期間の安定利用が可能。
・料金の透明性:私営墓地に比べて管理費・使用料が明確かつ低価格。
・公平な抽選制度:居住条件等を満たせば誰でも申込可能で、すべて抽選により区画が割り当てられます。
・多様な埋葬スタイル:従来型から現代的ニーズまで多様な選択肢に対応。
都立霊園の主な墓地の種類
墓地の種類 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
一般埋蔵施設(一般墓地) | 区画ごとに墓石を建立する従来型の形式。個別性が高く、家族単位の墓として利用される。 | 家族で管理し、代々受け継ぎたい人 |
芝生埋蔵施設 | 芝生に囲まれた区画に同一規格の墓碑を設置。景観が統一されており、管理も比較的容易。 | モダンな雰囲気を好み、掃除などの手間を減らしたい人 |
合葬埋蔵施設(合葬式墓地) | 他の遺骨と一緒に埋葬される共同形式。個別の墓石はないが、費用が大幅に安い。 | 費用を抑えたい、墓を継ぐ人がいない人 |
樹林型合葬施設 | 自然林の中に遺骨を合葬する形式。墓石を設けず、自然との共生をテーマとした現代的埋葬方法。 | 自然葬を望む人、環境志向の人 |
立体埋蔵施設 | 建物の中に区画された納骨スペースを使用。都市型の埋蔵形式で、限られた土地を有効活用。 | 都市部でコンパクトに管理したい人 |
都立霊園一覧とその特徴
霊園名 | 所在地 | 主な特徴 |
---|---|---|
青山霊園 | 港区南青山 | 都心一等地。利便性が高く、著名人の墓も多い。 |
小平霊園 | 東村山市 | 自然豊かな広大な敷地。芝生墓地・合葬式墓地も豊富。 |
八王子霊園 | 八王子市 | 静かな郊外立地。広めの芝生区画が中心。 |
八柱霊園 | 千葉県松戸市 | 東京近郊。緑豊かで静かな環境。費用も比較的安価。 |
多磨霊園 | 府中市 | 都内最大規模。多様な埋葬形式を網羅。 |
谷中霊園 | 台東区 | 歴史的背景を持ち、下町情緒が残る都心型霊園。 |
染井霊園 | 豊島区 | 落ち着いた住宅地に立地。文京区に隣接しアクセス良好 |
雑司ヶ谷霊園 | 豊島区 | 新設の樹林型施設あり。副都心線駅近で利便性が高い。 |
2025年 都立霊園の最新募集スケジュールと申込の流れ
最新スケジュール(2025年度)
東京都は2025年5月22日に、令和7年度(2025年度)の都立霊園募集スケジュールを正式に発表しました。例年と同様に、6月中旬から申込書の配布が始まり、8月中旬に抽選が行われる予定です。
項目 | 日程 |
---|---|
申込書配布期間 | 2025年6月13日(金)~7月4日(金) |
申込期間 | 同上 |
抽選日 | 2025年8月15日(金) |
抽選結果通知 | 2025年9月1日(月)以降、郵送で通知予定 |
使用許可証交付 | 2025年12月交付予定 |
※申込書は都庁第一・第二本庁舎、各都立霊園、都内各区市町村、千葉県松戸市役所などで配布されます。インターネットでの申込みも可能です。
2025年度 都立霊園の募集数と申込区分
霊園名 | 埋蔵施設種別 | 募集数(か所・体) | 申込区分 |
---|---|---|---|
多磨霊園 | 一般埋蔵施設 | 345か所 | 3 |
合葬埋蔵施設(合葬式墓地) | 640体 | 5~7 | |
樹林型合葬埋蔵施設(2号基) | 2,382体 | 8~10 | |
八柱霊園 | 一般埋蔵施設 | 330か所 | 2 |
芝生埋蔵施設 | 60か所 | 2 | |
合葬埋蔵施設(合葬式墓地) | 1,440体 | 5~7 | |
小平霊園 | 一般埋蔵施設 | 110か所 | 1 |
合葬埋蔵施設(2号基) | 350体 | 5~7 | |
八王子霊園 | 芝生埋蔵施設 | 105か所 | 1 |
青山霊園 | 一般埋蔵施設 | 65か所 | 3 |
谷中霊園 | 一般埋蔵施設 | 70か所 | 3 |
雑司ヶ谷霊園 | 一般埋蔵施設 | 65か所 | 3 |
樹林型合葬埋蔵施設(樹林墓地) | 400体 | 8~10 | |
染井霊園 | 一般埋蔵施設 | 80か所 | 3 |
立体埋蔵施設(第2区・第3区) | 32か所 | 4 |
※申込区分は、居住年数や遺骨の有無などの条件により分類されています。詳細は、東京都の公式発表をご確認ください。
申込みの流れと準備すべき事項
都立霊園の申し込みには、計画的な準備が不可欠です。特に初めて応募される方は、以下のフローを確認して早めの対応を心がけましょう。
1.希望霊園・墓地形式の選定
事前に霊園を比較検討し、自宅からの距離、費用、霊園の雰囲気などを総合的に評価します。
2.必要書類の準備
・住民票(応募者本人)
・火葬許可証または埋葬許可証(遺骨がある場合)
・戸籍謄本(祭祀主宰者との関係証明用)
・改葬許可証(既存の墓から移す場合)
・使用許可申請書(申込時に配布される)
3.申込書の入手と記入
配布期間内に申込書を入手し、必要事項を正確に記入します。
4.申し込み(窓口またはオンライン)
提出は郵送またはオンラインで行います。書類不備があると無効になるため、内容の確認を入念に行いましょう。
5.抽選結果の確認
抽選後、当選通知が届きます。落選しても再応募は可能です。
※当選後の手続き(使用料の支払い、書類提出、使用許可証交付、墓石の建立など)については、後の章「当選後の手続きガイド」で詳しく解説します。
応募条件の確認
都立霊園への申し込みには、明確な応募資格があります。以下では、申込前に確認すべき重要な条件と注意点を4つのポイントに整理して解説します。
1. 東京都内に継続して居住していること
条件
・一般埋蔵施設・芝生埋蔵施設・長期収蔵施設:5年以上の東京都内(八柱霊園は松戸市含む)継続居住
・合葬埋蔵施設(樹林型含む):3年以上の継続居住
注意点
・住民票の一時的な移動でも継続年数がリセットされる可能性あり。
・応募前に住民票を取得し、居住年数が条件を満たしているか必ず確認しましょう。
2. 申込者が祭祀主宰者であること
定義
・祭祀主宰者は、故人の供養・管理を担う人物であり、遺骨の管理に関して法的な責任を持ちます。
注意点
・応募者本人が祭祀主宰者でなければ、申し込みは無効になります。
・家族内で誰がその役割を担っているかを事前に明確にし、戸籍等で確認を取っておく必要があります。
3. 遺骨の有無によって応募可能な施設が異なる
基本原則
・一般墓地や芝生墓地など₋個別埋蔵型₋の施設では、「すでに遺骨があること」が前提。
・合葬式墓地や樹林型合葬施設では「遺骨がなくても生前申込可能」なケースが多い。
注意点
・申込時点で遺骨が存在するかどうかを確認し、それに応じて申込先を選定しましょう。
・改葬(他の墓地からの移転)を予定している場合は、改葬許可証も必要になります。
4. 生前申込みが可能な場合もある
対象施設
合葬式墓地、樹林型合葬施設、一部の芝生・立体埋蔵施設
(※2025年度では以下の施設が対象)
・多磨霊園(合葬埋蔵施設・樹林型合葬施設)
・八柱霊園(合葬埋蔵施設)
・小平霊園(合葬埋蔵施設)
・雑司ヶ谷霊園(樹林型合葬施設)
メリット
・将来の準備として利用でき、家族の負担軽減にもつながる。
・墓地の確保に関する不安をあらかじめ解消できる。
注意点
・生前申込みが認められる施設・年度は限られており、最新の募集要項を必ず確認しましょう。
・申込み後のキャンセルは原則できない、または制限される場合があるため、家族と十分に相談したうえでの判断が必要です。
条件や必要書類について、専門相談員が最新情報に基づいて確認いたします。お気軽にご相談ください。
\専門相談員が心を込めてご案内します/
都立霊園の費用比較とチェックポイント
都立霊園の利用にあたっては、₋使用料₋と₋年間管理費₋という2つの費用が主に発生します。霊園の立地や区画の種類によって大きく異なるため、応募前にしっかり比較し、家族のライフプランや予算と照らし合わせて検討することが大切です。
1. 都立霊園にかかる費用の内訳
費用項目 | 説明 |
---|---|
使用料 | 墓地の永代使用権に対して一度きり支払う費用。霊園や区画の種類により大きく異なる。 |
年間管理費 | 墓地の維持管理(清掃・植栽管理など)に必要な年ごとの費用。 |
2. 主な霊園の費用比較(2025年度)
霊園名 | 埋葬形式 | 使用料(目安) | 年間管理費(目安) |
---|---|---|---|
青山霊園 | 一般埋蔵施設 | 460万3,500円~1,054万3,500円 | 1,500~3,000円 |
小平霊園 | 一般埋蔵施設 | 147万7,000円~502万1,800円 | 1,500~4,500円 |
合葬埋蔵施設 | 5万3,000円(遺骨1体あたり) | なし | |
八王子霊園 | 芝生埋蔵施設 | 128万8,000円 | 3,720円 |
八柱霊園 | 芝生埋蔵施設 | 94万4,000円 | 3,720円 |
一般埋蔵施設 | 34万8,500円~123万円 | 1,500~4,500円 | |
合葬埋蔵施設(一定期間後共同埋葬) | 11万7,000円(遺骨1体あたり) | なし | |
合葬埋葬施設(直接共同埋葬) | 4万7,000円(遺骨1体あたり) | なし | |
多磨霊園 | 一般埋蔵施設 | 156万7,400円~732万9,900円 | 1,500~6,000円 |
合葬埋蔵施設(一定期間後共同埋葬) | 6万円(遺骨1体あたり) | なし | |
樹林型合葬施設 | 8万1,000円(遺骨1体) 2万7,000円(粉状遺骨1体あたり) | なし | |
染井霊園 | 一般埋蔵施設 | 243万4,500円~324万6,000円 | 1,500円 |
立体埋蔵施設 | 155万2,000円 | なし | |
谷中霊園 | 一般埋蔵施設 | 264万1,500円~642万7,650円 | 1,500円~3,000円 |
雑司ヶ谷霊園 | 一般埋蔵施設 | 313万8,750円~334万1,250円 | 1,500円 |
樹林型合葬施設 | 10万6,000円(遺骨1体あたり) 3万5,000円(粉状遺骨1体あたり) | なし |
3. 費用比較で注意すべきポイント
・年間管理費の継続性:忘れがちですが、管理費は毎年発生します。支払い忘れによるトラブルに注意。
・合葬形式は管理費不要が多い:一見高く見える使用料も、トータルコストで見ると割安な場合があります。
・広さと場所のバランスを確認:高額な霊園でも、利便性や家族の意向に合うかが重要です。
都立霊園を選ぶための決め手
都立霊園の選定においては、単に抽選に当たれば良いというものではありません。将来的に家族で墓参りを続けていくことを考慮すると、霊園の立地、アクセス、費用、環境など、複数の要素をバランスよく検討する必要があります。以下に、検討時に重視すべき主要ポイントを紹介します。
1. 自宅からの距離とアクセス性
墓参りの頻度や家族構成に応じて、自宅からの距離は大きな判断材料となります。
霊園名 | 最寄り駅・アクセス | 特徴 |
---|---|---|
青山霊園 | 外苑前駅・青山一丁目駅・乃木坂駅 徒歩5~10分 | 都心でアクセス抜群 |
小平霊園 | 小平駅 徒歩約6分 | 郊外型だがアクセス良好、自然豊か |
八王子霊園 | 高尾駅からバス7分+徒歩すぐ | 広大な区画、静かな環境 |
八柱霊園 | 新八柱駅・八柱駅 バス4分+徒歩8分 | 東京近郊で利便性と自然のバランス良好 |
多磨霊園 | 多磨霊園駅 徒歩2分 または バス6分+徒歩 | 都内最大規模、多彩な埋葬形式 |
谷中霊園 | 日暮里駅 徒歩7分 | 下町情緒ある歴史的霊園 |
染井霊園 | 巣鴨駅 徒歩10分 または 駒込駅 徒歩12分 | 文京区近接、静かな住宅街 |
雑司ヶ谷霊園 | 雑司が谷駅 徒歩10分、都電雑司が谷駅 徒歩1分 | 副都心線直結で交通至便 |
2. 墓参りの頻度に応じた霊園選び
・頻繁に墓参りを行う家庭:アクセス重視。青山霊園、谷中霊園、雑司が谷霊園などの都心型がおすすめ。
・年に数回程度の墓参り:広さと費用バランス重視。八王子霊園、八柱霊園、小平霊園が向いています。
当選後の手続き
都立霊園の抽選に当選した場合、手続きはすぐに始まります。当選者は、指定された期間内に必要な手続きを正確に行うことで、正式に墓所の使用許可を得ることができます。以下では、当選後の流れを時系列に沿って詳細に解説します。

都立霊園の当選後に必要な手続きは、大きく上記の5つのステップに分かれます。
ステップ1:当選通知の確認
抽選結果は、東京都より9月初旬以降に郵送で通知されます。
通知内容:当選した霊園名、区画番号、使用料、管理料、支払い期日など
注意点:通知書に記載された情報に誤りがないか必ず確認し、大切に保管してください。紛失時の再発行には手続きが必要になります。
ステップ2:使用料および管理料の支払い
当選通知を受け取ったら、指定された期限内(通常2〜4週間)に一括で支払いを行います。
支払い方法
・指定の銀行口座へ振込(控えは領収書として保管)
・一部の霊園では、管理事務所での現金またはクレジットカード払いも可能
注意事項:支払いが遅れると当選が無効になる可能性があるため、期限内の対応が必須です。
ステップ3:必要書類の提出
使用料の支払い後、所定の書類を霊園管理事務所へ提出します。
主な書類一覧
・住民票(申込者のもの、発行後3か月以内)
・使用許可申請書(申込書に同封またはダウンロード可)
・火葬許可証または埋葬許可証
・戸籍謄本(故人との関係を証明するもの)
・改葬許可証(該当する場合)
・当選通知書の原本
提出方法:郵送(簡易書留推奨)または窓口持参(内容確認あり)
ステップ4:区画確認と契約手続き
書類提出後、霊園管理事務所から連絡があり、現地で区画の確認を行います。
確認内容
・区画の位置、広さ、周辺環境など
・問題がなければ契約書に署名して正式な手続きが完了
ステップ5:使用許可証の交付と利用開始
すべての手続きが完了すると、12月頃に使用許可証が郵送または窓口で交付されます。
使用許可証の重要性
・墓石の建立や納骨に必要不可欠
・紛失防止のため、原本を厳重に保管すること
まとめ
2025年の都立霊園募集は、6月中旬から申込書配布、8月に抽選、12月に使用許可証交付と、例年通りのスケジュールで進行します。都立霊園は東京都が管理する公営墓地として、信頼性、費用の明確さ、公平な抽選制度が評価されていますが、特に都心部の霊園は高倍率であるため、早期かつ綿密な準備が欠かせません。
霊園選びでは、アクセスの良さや環境、墓参頻度、家族の意向などを考慮し、複数の候補を現地で確認することが推奨されます。また、使用料や管理費は霊園ごとに異なるため、事前に比較して予算に合うものを選ぶことが重要です。
申し込みには、居住期間や遺骨の有無、祭祀主宰者の資格など、厳格な条件が定められており、書類の不備や条件未達により失格となるケースもあります。生前申込みが可能な霊園も限られているため、制度の正確な理解が必要です。
都立霊園の申し込みは年に一度の大切な機会です。申し込み書の配布が始まる6月中旬に向けて、今すぐにでも準備を始めることが重要です。居住条件や必要書類を確認し、家族とよく相談のうえ、計画的に進めましょう。
都立霊園は年に一度の限られた機会です。応募に間に合うか不安な方、代替案も検討したい方は、まずは専門相談員にご相談ください。
\専門相談員が心を込めてご案内します/
令和7年度 都立霊園の使用者を募集|5月|都庁総合ホームページ
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