報恩講のお布施の基本:相場・封筒の書き方・渡し方を解説

報恩講のお布施の基本:相場・封筒の書き方・渡し方を解説

公開日: 2024.10.11

報恩講とは

「報恩講(ほうおんこう)」は、浄土真宗における最も重要な法要の一つです。この法要は、親鸞聖人の御恩に感謝し、その教えを広めることを目的として行われます。日本各地の寺院では、毎年この法要が盛大に営まれ、信徒が集まって仏法の話を聞き、先祖や師への感謝を表します。この時期に信徒が寺院に対して捧げるお布施は、感謝の意を表す重要な要素です。

報恩講の実施日数と実施日

報恩講の 実施日数 は、寺院の規模や地域、行事の規模によって異なりますが、一般的には1日から数日間にわたって行われることが多いです。

浄土真宗本願寺派(西本願寺)では、 親鸞聖人の命日である旧暦の11月28日 に由来する報恩講が、新暦に合わせて1月16日を中心に行われます 。この報恩講は、特に「御正忌報恩講(ごしょうきほうおんこう)」と呼ばれ、1年の中でも最も重要な行事とされています。

西本願寺の本山では、毎年1月9日から1月16日までの1週間にわたり、親鸞聖人への感謝を捧げる法要が行われます。全国から参拝者が集まり、盛大な儀式や法話が行われるため、この期間は浄土真宗において非常に大切な時期となります。

一方で、真宗大谷派(東本願寺)では、旧暦を採用している影響で報恩講は11月28日までの1週間に行われることが多く、こちらも大規模な法要として全国の信徒が参集します。

報恩講のお布施の金額相場

報恩講のお布施の一般的な相場は、寺院や地域によって異なるものの、3,000円から5,000円がお布施の目安とされています。ただし、特別な感謝や状況に応じて、金額を増やす場合もあります。

・一般的なお布施額:報恩講に参加する際、感謝を示すためのお布施の額は、3,000円から5,000円程度が一般的とされています。

・特別な感謝を示す場合:親鸞聖人の節目の年や、特別に寺院に感謝を示したい場合など、5,000円以上、大規模な法要の場合は10,000円以上包むこともあります。

お布施に対して厳密な金額は定められておらず、あくまで 個々の状況に応じて無理のない範囲で 捧げることが大切です。また、具体的な金額が分からず困った場合は直接お寺に確認するようにしましょう。

報恩講のお布施の渡し方

お布施は、報恩講の際に寺院へ感謝の気持ちとして渡しますが、渡し方にもいくつかのポイントがあります。

1.お布施を包む袋

お布施は通常、白い封筒、または黒白の水引が付いた不祝儀袋に包んで渡します。寺院から特別に指定された袋がない限り、これが一般的な形式です。水引がない場合、白い封筒でも問題ありません。

2.お布施を渡すタイミング

報恩講が始まる前、あるいは法要が始まる直前に寺院の受付や本堂で渡します。直接住職に渡す場合もありますが、事前に受付や他の信徒に確認するのが礼儀です。

3.直接渡す際の作法

お布施を渡す際は、両手で丁寧に渡し、軽くお辞儀をして「本日はよろしくお願いいたします」などの言葉を添えるのが一般的です。直接住職や僧侶に渡す場合も、同じように感謝の意を込めて渡します。

お布施の表書きと裏書きの書き方

お布施を包む際には、封筒や不祝儀袋に 表書き と 裏書きを書きます。書き方にはいくつかの注意点があります。

表書き

1.表書き には、「御布施」「御供養」などと書きます。報恩講の場合は、特に「御布施」が一般的です。

2.表書きは、袋の中央に 毛筆や筆ペン で丁寧に書きます。もし筆ペンが難しい場合は、黒のボールペンやサインペンでもかまいませんが、礼を尽くすため、できれば筆で書くのが望ましいです。

裏書き

1.裏書き には、自分の 名前 と、金額を 縦書き で記載します。裏面の左下に書くのが一般的です。

2.金額は「金〇〇円」の形式で書き、数字は漢数字(壱、弐、参、伍、拾など)を使います。例えば、5,000円であれば「金伍仟円」となります。

3.自分の名前を書く場合は、フルネームを記載し、家族代表として渡す場合でも一人の名前を書くのが通常です。

まとめ

報恩講は親鸞聖人への感謝を捧げる重要な行事であり、お布施はその感謝を具体的に表現する手段です。金額はあくまで目安であり、重要なのは「感謝の心」を持って無理なく行うことです。寺院を支え、仏法の教えを広めるためのお布施を通して、報恩の精神を実践しましょう。報恩講を通じて感謝の心を育み、日々の生活の中で仏教の教えを生かすことが、最も重要な意義と言えるでしょう。

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