2025.1.1
喪中の定義と範囲
喪中期間の具体的な長さ
特殊な場合の喪中
喪中はがきを送る相手
送らなくても良い場合
12月後半に不 幸があったら「寒中見舞い」を出す
寒中見舞いのポイント
喪中はがきを出すときのマナー
1. 喪中はがきのデザイン
2. 喪中はがきの文面
3. 敬称の使い方
喪中はがきの注意点
1. 近況報告は書かない
2. 亡くなったのがどの時期でも喪中はがきは送る?
喪中で年賀状を受け取った場合
1. 喪中でも年賀状は受け取れる?
2. 喪中はがきを受け取った場合にはどうするか?
【状況別】喪中の年賀状や喪中はがきの対応
1. 【喪中の方】親戚や葬儀参列者に喪中はがきを出す場合
2. 【喪中の方】12月後半になって近親者が亡くなった場合
3. 【喪中はがきを受け取った方】法人に年賀状を出す場合
喪中に年賀状を出してしまった場合はどうする?
1. 郵便局に取り戻し請求を行う
手続きの流れ
注意点
2. お詫びの連絡をする
電話でのお詫び
お詫びの言葉の例
手紙でのお詫び
お詫びの手紙の文例
メールでのお詫び
3. 喪中見舞いや寒中見舞いを送る
喪中見舞いの活用
文例
寒中見舞いの活用
文例
喪中見舞いと寒中見舞いの違い
まとめ
喪中は忌中が明けた後の期間を指し、一般的には故人の死から1年間、あるいは次の正月までが喪中期間とされています。この期間中は、特に以下のような慣習が大切にされます。 1.新年の挨拶を控える 喪中期間中は、年賀状を出すことを控え、「喪中はがき」を用いて新年の挨拶を遠慮する旨を伝えます。これは、喪中の家族が新年を祝うことが心情的に難しい状況にあることを表すためです。 2.祝い事への参加を控える 喪中は、故人を偲ぶ期間であるため、結婚式や華やかなパーティーなどの参加を遠慮することが推奨されます。場合によっては、送られてきた招待状に丁寧に欠席の連絡をすることが求められます 。 3.新年の祝いごとを控える 自宅での新年の飾り付けやお正月の行事を避けることも、喪中の家族にとって一般的です。鏡餅や門松の設置、おせち料理の準備などは控える家庭が多く、静かに過ごすことが尊重されます。
喪中の期間は親等によって異なります。日本の伝統的な慣習では以下のように定められています。
1親等(配偶者、父母、子供) 喪中期間は12~13か月が一般的です。特に配偶者の場合、最も近い親族であるため、長めの喪中期間を設けることが多いです。 2親等(兄弟姉妹、祖父母、孫) 喪中期間は3~6か月程度です。孫や祖父母の場合は家庭や故人との関係性により異なります。 それ以外の親族(おじ・おば、いとこなど) 通常は喪中には含まれませんが、親しい関係があった場合は自主的に喪に服すこともあります。
・故人が未成年や高齢者の場合:社会的な喪の期間を短くすることがあります。 ・複数の近親者が亡くなった場合:個々のケースで喪中期間が重なる場合は、特に慎重に対応する必要があります。
喪中はがきを送る相手は、主に年賀状をやり取りする予定だった方々です。具体的には以下のような人々が対象となります。 1.親戚:家族や近しい親族。 2.友人・知人:定期的に年賀状を交換している人。 3.仕事関係者:上司や取引先など、ビジネス上の関係がある方。
・故人と面識のない相手には、喪中はがきを送る必要はありません。 ・年賀状をやり取りしていない相手にも送る必要はありません。
12月後半に不幸があった場合、喪中はがきを準備する時間がないため、寒中見舞いを利用するのが適切です。
1.送る時期:1月7日(松の内明け)から2月4日(立春)まで。 2.内容:簡潔な訃報と、年賀状を控えた旨を記載します。 3.デザイン:落ち着いた色合いとシンプルな構成を選びましょう。
喪中はがきは、近親者が亡くなった際、新年の挨拶を控える旨を相手に伝える重要な手段です。ただ形式的に送るだけではなく、相手に敬意を払い、故人を悼む気持ちが伝わる内容を心がけることが大切です。そのためには、デザインや文面 、敬称の使い方など、細かな点にも注意を払う必要があります。
喪中はがきは、派手なデザインやカラフルな装飾を避け、落ち着いた雰囲気を保つことが大切です。相手への配慮を最優先し、品格を保ちながら故人を偲ぶ気持ちが伝わるデザインを選びましょう。 ① 色合い ・白黒:伝統的な喪中はがきの色合いで、厳粛な印象を与えます。特にフォーマルな場面や格式を重んじる相手には最適です。 ・淡い色:近年では、白黒だけでなく淡いグレーやブルー、紫など控えめな色合いが使われることも一般的です。これらの色は、落ち着いた印象を与えるとともに、柔らかさや温かみも感じさせます。 ② 背景や装飾 シンプルな無地のデザインが基本ですが、さりげない花や風景のイラストを添えることで、故人を偲ぶ気持ちを表現することもできます。 ・花:蓮(れん)や菊、百合など、弔事を象徴する花が選ばれます。最近では桔梗(ききょう)や梅といった控えめな花も使用されます。 ・風景:静かな山、空、川などの自然の風景が好まれます。これらは穏やかで落ち着いた雰囲気を演出します。 ・和柄:市松模様や波模様など、シンプルな和風デザインも適切です。 ③ 書体 フォーマルな印象を与える明朝体やゴシック体が基本です。カジュアルな書体や装飾文字は避け、端正な印象を保ちましょう。
喪中はがきの文面は、簡潔でありながら相手への配慮を感じさせる内容にすることが重要です。過剰に詳細を記載したり、感情的な表現を多用するのは避けるべきです。文面の構成と記載のポイントを具体的に見ていきましょう。
① 頭語や時候の挨拶を省略 通常の手紙やはがきでは、頭語や時候の挨拶から始めるのが一般的ですが、喪中はがきの場合は省略します。これは、喪中はがきの主旨が年賀欠礼の通知であり、形式的な挨拶よりも主旨を優先するためです。 ② 訃報を簡潔に伝える 誰が亡くなったのか(続柄)、亡くなった日付、亡くなったことを伝える表現を簡潔に記載します。柔らかい表現を用い、直接的な記述は避けるのがポイントです。 例文 「去る令和○年○月○日、私どもの(続柄)○○が永眠いたしました。」 ・「去る」:訃報の日付が過去であることを丁寧に伝える表現です。 ・「永眠いたしました」:直接的な表現を避けた丁寧な言い回しです。 ③ 新年の挨拶を控える旨を記載 次に、新年の挨拶を遠慮する旨を簡潔に伝えます。 例文 「つきましては、年頭のご挨拶を控えさせていただきます。」 ・「控えさせていただきます」:謙虚で柔らかな印象を与える表現です。 ④ 感謝の意を述べる(任意) 相手との関係性や送る相手に応じて、今年1年の感謝の気持ちを添えると良いでしょう。ただし、形式的な文面を崩さないように注意します。 _例文 「本年中に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます。」
喪中はがきには、故人との続柄を記載するのが一般的です。その際、敬称を正確に使用することがマナーです。以下に、よく使われる続柄の例を挙げます。 ・「義父」「義母」:配偶者の両親を指します。 ・「祖父」「祖母」:両親の父母を指しますが、相手が祖父母を存命中のケースでは、続柄を詳細に記載すると親切です。 ・「長男」「次女」:故人が子供の場合は、このように記載します。 例文では、「私どもの母」「夫の父」という表現を用いることで、相手が理解しやすい形に仕上げることが重要です。
・理由 喪中はがきは、あくまでも「新年の挨拶を控える旨」と「故人の訃報」を伝えるものであり、それ以外の情報は不要とされます。特に近況報告は、故人を悼むための場面にそぐわず、相手に混乱を与える可能性があります。
不適切な例 今年はコロナ禍で外出も減り、家族で自宅でのんびり過ごしました。 しかし、母が亡くなり寂しい年となりました。
適切な例 去る令和○年○月○日、私どもの母○○が永眠いたしました。 つきましては、年頭のご挨拶を控えさせていただきます。
ポイントは、事実のみを簡潔に伝え、余計な感情や情報を含めないことです。
故人が亡くなった時期によって、喪中はがきを送るべきか迷うケースがあります。しかし、一般的には、亡くなった時期に関係なく喪中はがきを送るのがマナーとされています。
時期に関する基本ルール 喪中はがきは、その年の喪中であることを知らせるものであり、故人が亡くなった時期にかかわらず、翌年の正月を迎える前に通知します。 早い時期に亡くなった場合 例えば、前年の1月や2月に亡くなった場合でも、その年の年賀状は送らず、喪中はがきを出します。 直前に亡くなった場合 12月に近親者が亡くなった場合、喪中はがきを送るのが間に合わないことがあります。この場合、次のように対応します: ・年賀状を控える旨を電話やメールで伝える。 ・1月7日以降に寒中見舞いで事情を説明する。 例外的な対応 故人が亡くなった時期が1年以上前であれば、喪中の対象としないこともあります。この場合、通常の年賀状を送ることが適切です。
喪中の期間中に年賀状を受け取ることは珍しいことではありません。これは、相手が喪中であることを知らずに送ってしまう場合があるためです。この場合、どのように対応するのが適切かを見ていきましょう。
喪中であっても、年賀状を受け取ること自体はマナー違反にはなりません。ただし、そのまま放置するのではなく、相手に対して感謝や事情を伝えることが求められます。 喪中に年賀状が届いた際の適切な対応 ・寒中見舞いで返信する 喪中のため新年の挨拶を控えた旨を伝える文面を、寒中見舞いとして送るのが一般的です。 ・電話やメールで事情を伝える 親しい間柄の場合、直接電話やメールでお礼を伝えるのも一つの方法です。
喪中はがきを受け取った側も、適切な対応が求められます。以下のポイントを押さえておきましょう。
喪中はがきを受け取った際の基本対応 ・年賀状を控える 喪中の相手には年賀状を送らず、寒中見舞いを送るのがマナーです。 寒中見舞いの文例 寒中お見舞い申し上げます。 喪中のお知らせを頂戴し、謹んでお悔やみ申し上げます。 寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。 ・相手の気持ちを尊重する 喪中の方に対して明るい話題や祝いの言葉を控え、落ち着いた文面にすることが重要です。
喪中はがきや年賀状に関するマナーは、状況によって異なります。それぞれのケースについて具体的に見ていきましょう。
親戚への配慮 親しい 親戚には、年末の喪中はがきとは別に、早めに電話や直接の挨拶で事情を伝えるのも丁寧な対応です。 葬儀参列者への対応 葬儀に参列していただいた方には、喪中はがきで改めて感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。 例文: このたびは○○の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。 年末のためご挨拶が遅れましたが、謹んで新年のご挨拶を控えさせていただきます。
喪中はがきが間に合わない場合の対応 12月後半に不幸があった場合、喪中はがきを出すのが難しいことがあります。この場合は次のような対応が考えられます: ・寒中見舞いで対応 喪中である旨を寒中見舞いで伝えるのが適切です。 ・電話やメールでの連絡 親しい相手には直接事情を伝え、配慮をお願いすることも可能です。
法人の場合、個人の喪中は考慮されません。そのため、会社宛の年賀状を送ることは問題ありません。ただし、送り先の担当者が喪中である場合には配慮が必要です。 文例:法人向け年賀状 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 旧年中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。 本年も変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
喪中の相手に誤って年賀状を送ってしまうことは、年末の忙しい時期では起こり得るミスです。この場合、迅速かつ丁寧に対応することで、相手への配慮と誠意を示すことができます。ここでは、具体的な対処法を詳しく解説します。
投函した年賀状を回収するサービスを日本郵便では提供しています。すぐに気づいた場合には、このサービスを利用することで、相手に年賀状が届く前に取り戻せる可能性があります。
郵便物の取り戻し請求とは? 概要 日本郵便では、誤って投函した郵便物を回収できる「取り戻し請求」の手続きを用意しています。この手続きは、投函された郵便物がまだ配送中の場合に限り有効です。 条件 ・年賀状が配達される前に請求すること。 ・郵便局の窓口で「取り戻し請求書」を記入して提出すること。 費用 1件あたりの手数料は郵便物の状態によって異なります。一般的に数百円程度の手数料がかかりますが、ミスを回避するためには有効な手段です。
1.郵便局に連絡 最寄りの郵便局に問い合わせ、取り戻し請求の方法について確認します。 2.「取り戻し請求書」の記入 投函した郵便物の詳細(差出人や宛先、内容物の特徴など)を記入します。 3.郵便局員が確認し、手続きが進行 郵便物の状況を確認し、可能であれば配達前に回収されます。
・配達済みの場合は回収ができません。その場合、次の「お詫びの連絡」に進む必要があります。 ・配達先が遠方の場合や大量に投函した場合には、全てを取り戻すことは難しいため、早めの対応が求められます。
郵便局HP Q&A
年賀状が既に配達されてしまった場合、速やかにお詫びの連絡を入れることが重要です。電話や手紙など、状況に応じて適切な手段を選びましょう。
タイミング 年賀状が相手に届いたと気づいた時点ですぐに連絡を入れます。
新年早々、誠に失礼いたしました。 実は、喪中でいらっしゃることを存じ上げず、年賀状をお送りしてしまいました。 大変申し訳ありませんでした。 ・丁寧な言葉遣いを心がけ、誠意をもって謝罪します。
電話で連絡を入れた後、正式にお詫びの手紙を送ると、さらに丁寧な対応となります。
拝啓 新春とは申しながら、ご喪中とのことで誠に失礼いたしました。 貴家のご事情を存じ上げないまま、年賀状をお送りしてしまいましたことを、心よりお詫び申し上げます。 本来であればご挨拶を差し控えるべきところ、不注意によりこのような非礼をいたしましたこと、深く反省しております。 改めまして、貴家のご平安を心よりお祈り申し上げます。 敬具
親しい間柄であれば、メールでの連絡も選択肢となります。ただし、正式な手紙に比べるとカジュアルな印象となるため、適切な文面で配慮を示しましょう。
お詫びの連絡と併せて、喪中見舞いや寒中見舞いを送ることで、相手への気遣いを示します。
喪中見舞いは、相手が喪中であることを知った際に送るお悔やみの挨拶状です。
喪中につき心よりお悔やみ申し上げます。 年賀状をお送りしてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。 故人のご冥福をお祈り申し上げるとともに、どうぞご自愛くださいませ。
寒中見舞いは、1月7日以降に送る季節の挨拶状です。年賀状を誤って送ってしまった場合にも、改めて事情を説明するのに適しています。
寒中お見舞い申し上げます。 このたびは年賀状をお送りしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。 喪中とのことで大変失礼いたしました。 ご家族の皆さまにおかれましては、お体を大切にお過ごしください。
項目 | 喪中見舞い | 寒中見舞い |
---|---|---|
時期 | 喪中期間中(1月7日以前) | 1月7日~2月4日 |
目的 | 喪中のお悔やみを伝える | 季節の挨拶と共に事情を説明 |
文面の内容 | 弔意やお悔やみの言葉 | お詫びと季節の挨拶 |
喪中に関するマナーや対応は、基本を押さえつつ、状況に応じた柔軟な対応が求められます。この記事で解説した内容を参考にし、喪中期間中でも相手への配慮を忘れずに行動しましょう。
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