2024.9.11
葬儀に参列された経験のある方は、「遺影」を必ず見たことがあると思います。しかし、実際に主宰側としての葬儀の経験がない場合、遺影ってどうやって決めているのか、どのように作成しているのかを知らないという方も多いと思います。この記事では、遺影はどのように作成されているのかをご紹介しながら、最新の「遺影のトレンド」をご紹介していきます。
これまで、遺影の写真を決める際には、故人が写っている写真の中から条件にあった写真を選択するという形で決めていました。具体的な条件は、以下の5つです。
孫などのように、小さい子供や、亡くなった後に生まれた子供にとっては、故人の人柄を知る手がかりは、幼い頃のかすかな記憶や伝え聞いた話に限られます。そのような場合、故人の人柄がよく表現された遺影は、鮮明に故人を思い出すための大切な手がかりとなるでしょう。大人にとっても、故人のイメージ通りの遺影を見ることで、安心感を得ることができるでしょう。
遺影は、イメージの通り、非常にサイズが大きくなります。したがって、元の写真の解像度が低いと、その写真をさらに拡大することとなってしまい、非常に画質の悪い画像となってしまいます。そのため、故人の顔がなるべく大きく映っている写真を選択する必要があります。また、画質に関してもなるべくいい写真である必要があります。
故人の服装というのも、遺影を選ぶ際に考慮するべき条件です。たとえ、解像度も高く、また満面の笑みだったとしても、パジャマ姿の写真を遺影にするべきではありません。理由としては、・故人の人柄を感じられるかという部分でお話した通り、遺影はその人のイメージとなります 。そのため、故人のイメージがパジャマ姿となってしまうのを避けるためにも、服装に関してを考慮に入れる必要があるといえます。
明治や昭和に生きた文豪たちの写真を見るといつも横や斜めを向いていますが、遺影写真としてポピュラーなのはカメラ目線の写真です。カメラ目線の写真にすることによって、故人と目を合わせながら焼香やお祈りができるというメリットがあります。そのため、多くの方はカメラ目線の写真を遺影に選択する場合が多いのです。
遺影写真の選択でまず最初に悩むのは、何年前までの写真を選択肢とするかであると思います。基本的には、最近の写真があればそれが選ばれますが、ない場合は5〜10年以内の写真から選ばれることが多いです。しかし、長年の闘病生活の末に亡くなられた方などは、もっと前の写真を選択されるケースもあります。生前の故人のイメージがより伝わりやすい写真であるべきだ、という考え方が重要なようです。
近年では、多くの写真館が終活の一環として、遺影写真の撮影プランを提供しています。かつては、「生前に遺影写真を撮ることは縁起が悪い」と避けられていましたが、近年の終活ブームに伴い、生前に遺影写真を準備するケースが増えています。さらに、自分で遺影写真を決 めておくことで、死後に持たれるイメージを自らコントロールできるだけでなく、遺族も写真選びに悩む必要がなくなるため、非常に多くのメリットがあるといえるでしょう。
写真の加工技術は急激な進歩を遂げており、非常に高性能なため不自然さはほぼありません。そのため、遺影写真に関しても加工が可能となっています。例えば、故人の服装でご紹介したパジャマなども、写真の加工技術により、服をスーツや故人がよく着ていた私服に加工することもできてしまうのです。このような加工技術の進歩は、遺影写真に用いることができる写真の種類や幅を増やすことにつながっています。
本記事では、遺影写真の過去と現在の状況をご紹介いたしました。遺影写真は、故人のイメージとなります。親族間でしっかりと話し合い、ご遺族の方々だけではなく、故人様も納得されるような写真選びとなると良いですね。この記事がその助けとなることを願っております。
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