
【都立霊園】の倍率や申し込み方法をわかりやすく解説!
公開日: 2024.8.26 更新日: 2024.8.27
目次
読者の方々の中には、お墓選びの際、「都立霊園」は抽選があって難しそうと思われている方も多いと思います。しかし、都民の方々にとっては民営墓地よりもアクセスがよく、管理費用も安いという利点も多いのです。そこで今回は、申し込み方法が複雑な「都立霊園」の申し込み方法や抽選の倍率などを詳しく解説し、お墓選びの一つの選択肢となるよう願っております。
都立霊園の申し込みの流れ
都立霊園に遺骨を納めるためには、毎年6月中旬ごろから7月の初旬ごろに行われる都立霊園の申込期間に、申し込みを行わなければいけません。
この申し込みには詳しく条件が定められています。そちらを解説しながら、令和6年度の申し込みの流れについてご紹介いたします。
1. 申込書の提出
都立霊園に遺骨を納めたい場合、まずは上記の申込期間内に、インターネットもしくは郵送により、「東京都立霊園使用者の募集」に対して申し込む必要があります。インターネットの場合は、PCやスマートフォンなどを用いて、「TOKYO 霊園さんぽ」のページにアクセスし、申し込みを行う必要があります。郵送の場合は、都庁の案内コーナーや各都立霊園の窓口、都内各市区町村の窓口もしくは公益財団法人東京都公園協会 霊園課にて「申込みのしおり」を入手し同封されている申込用紙に記入し、ポストに投函する必要があります。
2. 受付番号の通知
上記の申込書の提出を行い、その提出の書類が有効である場合には、受付番号が通知されます。こちらは、申込方法によって通知のされ方が異なります。インターネットで申し込んだ場合はメールで、郵送で申し込んだ場合ははがきで通知されます。
3. 抽選
受付番号が通知されてから数日後に、抽選が行われます。令和6年度の場合は、東京都公園協会公式YouTubeチャンネルにてライブが行われ、抽選の様子が中継されていました。この抽選は、各霊園の各埋葬施設ごとの受け入れ枠に沿って進められ、応募者数が枠を超えている場合にのみ行われます。
4. 抽選結果の通知
2.において、受付番号が通知されたすべての人に対して、抽選結果の通知が行われます。こちらも、申込方法によって受付番号の通知と同様の手段で通知されます。また、当選者には、通知の発送の翌週までに当選した墓所と、次の書類審査の日程、必要書類の一覧などが通知されます。必要書類を用いて、以下の申込条件を満たしているかを確認します。申込条件と必要書類を併せてご紹介します。
居住条件の証明
都立霊園に申し込まれる場合、申込期間満了日時点で東京都内に継続して5年もしくは3年以上住んでいることを証明する必要があります。当選した墓所によって都内在住年数は異なり、合葬埋蔵施設(樹林型を含む)のみが3年以上で、それ以外の埋葬施設の場合は5年以上の在住が必要となります。
居住条件の証明のためには、以下の書類が必要となります。
・住民票(本籍記載のもの)
こちらは、申込期間満了日以降に取得したもののみ有効となるので、注意しましょう。
また、転居をした場合は、以下の書類が必要となります。
・住民票の除票
・戸籍の附票
住民票の除票では、在住期間が証明できない場合に限り、戸籍の附票が必要となります。また、住民票の除票は「以前にお住いの役所」で受け取ることができ、戸籍の除票は「本籍のある役所」で受け取ることができます。
親族関係の証明
都立霊園に申し込まれる場合、申込を行う人が、申込遺骨の親族(6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族)である必要があります。ただし、「事実婚関係にある人」や「東京都パートナーシップ宣誓制度」に基づくパートナーである場合には「親族」と認められます。
これらを証明するためには、以下の書類が必要となります。
・戸籍謄本
・外国人登録原票
外国人の親族関係を証明する必要がある場合には、必要となります。こちらの書類は、外国人在留支援センター(FRESC) 情報システム管理室出入国情報開示係に受け取りに行く必要があります。
・住民票又は住民票の除票
こちらは、事実婚関係であったことを証明するために必要な書類となっています。
・東京都パートナーシップ宣誓制度受理証明書
こちらは、東京都パートナーシップ宣誓制度に基づき、パートナーとして生活をしていたことを証明するために必要な書類となっています。こちらの書類は、原則オンラインで交付されるとのことです。
現在の遺骨の状態の証明
申込の際、申込遺骨の状態を証明する必要があります。申込可能なのは、以下の状態の遺骨です。
・自宅に安置している方
・都立霊園の一時収蔵施設に預けている方(「所定の場所保管」となった遺骨 での申込みは八柱霊園合葬埋蔵施設のみ可)
・お寺、公営や民営の墓地などに埋(収)蔵している方(改葬骨を認めている 区分のみ)
上記のような状態であることを証明するためには、以下の書類が必要となります。
・火葬許可証(死亡届時に発行済み)
・都立霊園一時収蔵施設使用許可証(都立霊園が許可した際に発行済み)
・都立霊園遺骨引渡証明書(都立霊園に引き渡した際に発行済み)
・埋蔵(葬)証明書又は収蔵証明書(遺骨の埋蔵又は収蔵されている墓地の管理者が発行可能)
・申込遺骨の戸籍(除籍)謄本(原本)(本籍地の役所)
こちらの書類は、合葬埋蔵施設(樹林型を含む)をお申込みの方のみが証明書として用いることができます。それ以外の埋葬施設をお申し込みの場合は、証明書として用いることはできません。
祭祀の主宰の証明
申込者は、申込遺骨者に対する何らかの祭祀の主催を務めている必要があります。詳しい条件は以下の4つとなります。
①葬儀の喪主を務めた方
②法事の施主を務めた方
③死亡届出人となった方
④火葬許可申請者となった方
このことを証明するための書類を以下に示します。
・葬儀一式の領収書(葬儀会社が発行)
・会葬礼状
・葬儀執行証明書(葬儀会社が発行)
・法要証明書(寺院等の証明書となっており、発行も行っている)
・申込遺骨の戸籍(除籍)謄本(原本)
・火葬許可証
これらの書類を抽選結果通知後から、書類審査日までに集める必要があります。詳しい条件は、「申し込みのしおり」をご覧下さい。
5. 使用料・管理料の納入
書類審査を通過した後、納入通知書が発送されます。こちらに従い、使用料と管理料を期間内に納入しましょう。期間を過ぎてしまうと、使用許可を辞退したこととなり墓地の使用ができなくなってしまいます。
6. 使用許可証交付
使用料と管理料を期間内に納付すると、使用許可証が交付されます。こちらをもって申し込みは完了し、納骨を開始することが可能となります。各埋葬施設によって納骨期限が決められているため、その期限までに納骨を完了させましょう。
都立霊園の倍率
これまで、都立霊園の申込の流れをご説明いたしました。これからは、ここ数年の各都立霊園の各埋葬施設ごとの申し込み倍率について解説していきます。今回は、一般・芝生・立体埋蔵施設に関してを特集いたします。
多摩霊園
多摩霊園は、東京都府中市に存在し、周りを住宅街や公園、府中飛行場などに囲まれた比較的自然の多い霊園となっています。こちらの霊園には、
・一般埋蔵施設
が存在し、倍率は2021年が1.5倍、2022年が1.7倍、2023年が1.7倍となっています。こちらの霊園は、他の霊園と比較すると倍率は低めで、そもそもの募集枠も大きいため、都立霊園の中では当選しやすい部類に入るでしょう。

小平霊園
小平霊園は、東京都小平市に存在し、周りを住宅街と新青梅街道という大きな道路に囲まれた霊園となっています。こちらの霊園には、
・一般埋蔵施設
・芝生埋蔵施設
の2つの埋蔵施設が存在し、倍率は一般埋蔵施設の2021年は4.7倍、2022年は4.8倍、2023年は4.6倍、芝生埋蔵施設の2021年は3.6倍、2022年は5.7倍、2023年は6.5倍となっています。一般埋蔵施設に関しては大体4.7倍付近で膠着しており、芝生埋蔵施設に関してはかなり人気となっているようです。大きな街道沿いのため、車でのアクセスがよく、比較的倍率は高めのようです。


八王子霊園
八王子霊園は、東京都八王子市にあり、周りを森林や霊園に囲まれた非常に静かな霊園となっています。こちらの霊園には、
・芝生埋蔵施設
が存在し、倍率は2021年は2.8倍、2022年は2.5倍、2023年は2.8倍となっています。こちらの霊園は珍しく芝生埋蔵施設のみの霊園となっており、芝生埋蔵施設の中では低めの倍率となっています。

八柱霊園
八柱霊園は、千葉県松戸市にあり、周りを住宅街や高校などが囲む霊園となっています。こちらの霊園には、
・一般埋蔵施設
・芝生埋蔵施設
の2つの埋蔵施設が存在し、倍率は一般埋蔵施設の2021年は2.5倍、2022年は2.2倍、2023年は1.9倍、芝生埋蔵施設の2021年は6.7倍、2022年は6.5倍、2023年は7.2倍となっています。一般埋蔵施設に関しては約2倍ほどなのに対し、芝生埋蔵施設に関しては約7倍と、こちらも小平霊園と同様に、芝生埋蔵施設が近年人気になっていることが分かります。


雑司ケ谷霊園
雑司ケ谷霊園は、東京都豊島区にあり、周りを住宅街や首都高速池袋線などが囲む霊園となっています。こちらの霊園には、
・ 一般埋蔵施設
が存在し、倍率は2023年は4.4倍となっています。こちらの霊園には、小説家や音楽家などの著名人のお墓が多数存在しています。また、都心からのアクセスも非常に良いため、人気のようです。

青山霊園
青山霊園は、東京都港区に存在し、周りをビル群に囲まれた霊園となっています。こちらの霊園には、
・一般埋蔵施設
が存在し、倍率は2021年は13.3倍、2022年は13.1倍、2021年は12.5倍となっています。他の霊園と比べてみると非常に倍率が高く、アクセスが良いことがこの高倍率につながっているのかもしれませんね。

谷中霊園
谷中霊園は、東京都台東区に存在し、周りには多くの墓地やお寺が存在する霊園となっています。こちらの霊園には、
・一般埋蔵施設
が存在し、倍率は2021年は7.7倍、2022年は7.0倍、2023年は6.0倍となっています。日暮里駅という大きな駅から歩いて数分の所ということで、非常にアクセスが良く倍率も高めとなっています。

染井霊園
染井霊園は、東京都豊島区に存在し、周りは住宅街や高速道路に囲まれた霊園となっています。こちらの霊園には、
・一般埋蔵施設
・立体埋蔵施設
の2つの埋蔵施設が存在し、倍率は一般埋蔵施設の2021年は6.9倍、2022年は4.6倍、2023年は3.6倍、立体埋蔵施設の2021年は7.2倍、2022年は6.4倍、2023年は12.0倍となっています。一般埋蔵施設に関しては、近年倍率が下がってきているように感じますが、同時に立体埋蔵施設の人気がかなり上昇してきているようです。管理費用が掛からないなどの利点から、このような倍率の上昇につながっていそうです。


まとめ
今回は、都立霊園の申し込み方法から、倍率までをご紹介いたしました。各都立霊園は、それぞれ特徴があり、さらに比較的アクセスのよい霊園が多く見受けられました。また、申し込みにはかなり必要書類が多かったですが、その分メリットも大きそうです。是非大切な人の眠る場所の一つの選択肢として、都立霊園をお考えいただければと思います。
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