位牌の費用はいくら?選び方と価格のポイント

2025.2.28

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故人を偲び、供養するために欠かせないお位牌。位牌は仏壇に安置され、故人の魂が宿るとされる大切なものです。しかし、位牌にはさまざまな種類があり、素材やデザイン、価格帯も異なるため、購入時に迷う方も多いのではないでしょうか。 位牌には「白木位牌」と「本位牌」の2種類があり、それぞれ役割が異なります。白木位牌は葬儀から四十九日までの仮の位牌、本位牌は四十九日以降に長期間使用する正式な位牌です。また、本位牌にはさまざまなデザインや素材があり、選ぶものによって価格が大きく変わります。 さらに、位牌を購入する際には、「いつ購入するべきか」や「どこで買うのが良いか」といった悩みも出てくるかと思います。特に、四十九日法要までに本位牌を用意する必要があるため、適切なタイミングで準備することが大切です。 本記事では、位牌の種類と価格相場、戒名入れの費用や開眼供養のお布施の相場、購入手順や購入前の注意点について詳しく解説します。位牌の選び方は故人への敬意を示す大切なプロセスです。価格だけでなく、品質や耐久性も考慮して、後悔のない選択をするためのポイントを押さえましょう。

1. 位牌とは? 白木位牌と本位牌

位牌は、故人の魂が宿るものとされ、仏壇に安置される重要な供養の対象です。故人の戒名(法名)、没年月日、俗名(生前の名前)、享年が刻まれ、家族が日々手を合わせる対象となります。 位牌には大きく分けて「白木位牌」と「本位牌」の2種類があり、それぞれの役割や使い方を理解して、適切なものを用意することが大切です。

白木位牌とは?

白木位牌は、「仮位牌」とも呼ばれ、葬儀の際に用意される位牌です。葬儀社やお寺が手配し、戒名や没年月日が書かれていることが一般的です。四十九日法要までの間、一時的に使用されます。 白木位牌の特徴 ・使用期間:葬儀後から四十九日法要まで ・材質:檜(ひのき)や杉などの白木 ・形状:シンプルな木製の札状 ・目的:故人の魂が本位牌に移るまでの間、一時的に安置するためのもの 白木位牌の扱い方 白木位牌は、四十九日法要が終わると役目を終えます。法要の際に新しい本位牌へと魂を移し替えた後、白木位牌はお寺へ納めるか、お焚き上げして処分するのが一般的です。

本位牌とは?

本位牌は、四十九日以降に使用する正式な位牌で、仏壇に安置されます。素材やデザインは多種多様で、家の仏壇や宗派に合わせて選ぶことが大切です。 本位牌の特徴 ・使用期間:四十九日以降、長期間使用 ・材質:漆塗りや黒檀・紫檀などの銘木 ・形状:伝統的なデザインからモダンなデザインまで多様 ・目的:故人を供養し、家族が日々手を合わせるためのもの 本位牌の選び方 本位牌は、仏壇のサイズや家のスタイルに合わせて選ぶことが重要です。伝統的な仏壇には「塗り位牌」や「唐木位牌」が合うことが多く、現代的なインテリアに調和する「モダン位牌」も人気が高まっています。 本位牌は、故人一人ずつ用意するのが一般的ですが、複数の故人をまとめて祀る「回出位牌(くりだしいはい)」も選択肢の一つです。

2. 位牌の値段と相場

本位牌の価格は、素材やデザイン、加工方法によって大きく異なります。また、戒名を入れるための彫刻費用も別途必要になることが多いです。どの種類の位牌を選ぶかによって費用が変わるため、それぞれの特徴と価格相場を詳しく見ていきましょう。

位牌 種類

塗位牌

塗り位牌は、漆塗りや金箔を施した伝統的な位牌です。豪華な見た目が特徴で、格式のある仏壇によく合います。 価格相場 ・10,000円~100,000円 ・高級品(手作業の本漆塗りや金箔仕上げ)は150,000円以上になることもあります。 特徴 ・漆を重ね塗りすることで美しい光沢が出て、耐久性も高いです。 ・金箔や蒔絵が施された豪華なデザインのものもあります。 注意点 ・高級なものほど手作業による工程が増え、価格が上がります。 ・取り扱いには注意が必要で、強い衝撃を与えると塗装が剥がれることがあります。

唐木位牌

唐木位牌は、黒檀や紫檀などの銘木を使用した位牌です。木目の美しさが特徴で、シンプルながらも重厚感があります。 価格相場 ・20,000円~80,000円 ・高級品や特注品では100,000円以上になることもあります。 特徴 ・自然の木目を生かしたシンプルなデザインです。 ・耐久性が高く、長期間の使用に適しています。 注意点 ・無垢材を使用しているため、湿度や乾燥によって反りや割れが生じることがあります。 ・木材の質によって価格差が大きいです。

モダン位牌

モダン位牌は、現代の住環境に調和しやすいデザインの位牌です。ガラスやアクリル製のものもあり、洋風の仏壇やリビングにも馴染みます。 価格相場 ・30,000円~50,000円程度 ・本漆仕上げや特殊加工の高級品では200,000円以上になることもあります。 特徴 ・シンプルなデザインで、現代的なインテリアにも合いやすいです。 ・カラー位牌やクリスタル位牌など、バリエーションが豊富です。 注意点 ・ガラスやアクリル製のものは、衝撃に弱く割れやすい。 ・伝統的な仏壇には合わない場合があります。

回出位牌・繰出位牌

回出位牌は、一つの位牌の中に複数の戒名を収納できるタイプです。家族や先祖代々の供養に適しています。 価格相場 ・一般的な価格帯:20,000円~50,000円程度 ・高級品:使用する素材やデザインによっては、100,000円以上になる場合もある 特徴 ・中に納める札(戒名板)の数を増やすことが可能です。 ・一つの位牌で複数の故人を供養できるため、仏壇がコンパクトにまとまります。 注意点 ・中に入れる札(戒名板)の追加が可能かどうかを事前に確認する必要があるに入れる札(戒名板)の追加が可能かどうかを事前に確認する必要があります。 ・一定の大きさがあるため、仏壇のサイズを考慮して選ぶ必要があります。

戒名入れの費用と相場

位牌を購入する際、戒名や没年月日を彫刻する費用がかかります。 価格相場 ・5,000円~20,000円 彫刻方法と特徴 彫り文字 価格帯: 約5,000円~20,000円 ・機械彫り: 比較的安価で、均一な仕上がりが特徴です。 ・手彫り: 職人による手作業で、温かみのある仕上がりとなり、費用は高めです。 書き文字 価格帯: 約5,000円~15,000円 ・漆や金粉を用いた手書き: 伝統的な技法で、柔らかな印象の文字が特徴です。 具体的な費用は、位牌の種類やサイズ、使用する素材、彫刻の内容や文字数、依頼する業者によって異なります。そのため、詳細な見積もりを得るためには、直接業者に問い合わせることをおすすめします。 彫刻時の注意点 戒名や俗名の漢字ミスを防ぐため、注文前に正確な文字を確認することが重要です。

3. 位牌の開眼供養とお布施

位牌は、単なる木やガラス製の物ではなく、故人の魂が宿るとされる特別なものです。そのため、購入後は「開眼供養(かいげんくよう)」を行い、正式に仏壇へ安置します。開眼供養とは、お位牌に魂を入れる儀式のことで、これを行うことで位牌が故人を祀る正式なものとなります。

位牌の魂入れ(開眼供養)とは?

開眼供養は、僧侶に読経をしてもらい、位牌に故人の魂を宿すための儀式です。宗派によって呼び方が異なり、浄土真宗では「入仏法要」や「御移徙(おわたまし)」と呼ばれることもあります。 開眼供養の流れ 1.僧侶を依頼する ・自宅や菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺)に依頼するのが一般的です。 ・位牌を購入した仏壇店が紹介してくれる場合もあります。 2.開眼供養を行う ・僧侶が読経し、故人の魂を位牌に宿します。 ・家族も焼香し、手を合わせて供養します。 3.仏壇へ安置する ・開眼供養が終わった位牌は、仏壇に設置します。 ・以降、毎日の供養の対象となります。

開眼供養時のお布施の相場

開眼供養を行う際には、僧侶へお布施を渡すのが一般的です。お布施の金額は地域やお寺によって異なるが、おおよその相場は以下の通りです。

項目金額相場
お布施5,000円~30,000円
お車代(僧侶を自宅に招く場合)5,000円~10,000円
御膳料(食事を出さない場合)3,000円~10,000円

お布施を渡す際のマナー

白い封筒かのし袋に入れる ・のし袋には「御布施」と書きます。 ・名前は施主(喪主や遺族代表者)の氏名を書きます。 渡すタイミング ・読経が始まる前、または法要が終わった後に渡すのが一般的です。 ・直接手渡しせず、盆の上に置いて渡すのがマナーです。 開眼供養が終わると、位牌は正式に故人の魂が宿るものとなり、日々の供養の対象となります。

4. 位牌の購入手順・購入方法

位牌を購入する際は、種類の選定や戒名の確認、購入場所の選択など、いくつかのステップを踏む必要があります。購入の流れを理解し、スムーズに準備を進めることが大切です。

位牌の購入手順

位牌を用意するまでには、以下のような手順を踏むのが一般的です。 1. 位牌の種類を決める ・塗り位牌、唐木位牌、モダン位牌、回出位牌 の中から適切なものを選びます。 ・仏壇の大きさやデザインに合うものを検討します。 2. 戒名や没年月日を確認する ・戒名は四十九日法要までにお寺で付けてもらうことが多いです。 ・既に戒名が決まっている場合は、位牌の注文前に正確に記録しておきます。 3. 購入する店舗を選び、注文する ・仏壇店、オンラインショップ、寺院 などから選択します。 ・彫刻内容を確認し、注文を確定します。 4. 開眼供養を行い、仏壇に安置する ・購入後、お寺で開眼供養をしてもらい、仏壇に納めます。

位牌の購入場所

位牌を購入できる場所はいくつかあり、それぞれに特徴がある。 仏壇仏具店 メリット ・実物を確認しながら選べます。 ・店員から直接アドバイスを受けられます。 デメリット ・店舗によって品揃えが異なり、希望のデザインが見つからないこともあります。 オンラインショップ メリット ・価格を比較しながら選べます。 ・自宅に配送されるため、手間がかかりません。 デメリット ・実物を見られないため、色や質感がイメージと異なる可能性があります。 ・文字入れの確認が難しく、間違いが起こることもあります。。 寺院や仏具専門店 メリット ・僧侶のアドバイスを受けられ、宗派に適した位牌を選べます。 ・高品質なものが揃っていることが多いです。 デメリット ・価格が高めになる場合があります。

位牌選びのポイント

1. 仏壇の大きさに合わせる 位牌のサイズが仏壇に合わないと、うまく収まらないことがある。事前に仏壇の寸法を測り、適切なサイズの位牌を選ぶことが大切です。 2. 素材やデザインを確認する 伝統的な塗り位牌や唐木位牌にするか、現代風のモダン位牌にするかを考え、仏壇や家の雰囲気に合うものを選びます。 3. 長期的に使用できるものを選ぶ 位牌は長く使うものなので、安さだけでなく品質や耐久性も考慮して選ぶことが重要です。

5. 位牌を購入する前の注意点

位牌は一度購入すると長期間にわたって使用するため、購入前にいくつかの注意点を押さえておくことが重要です。特に、納期や宗派ごとの違い、品質面の考慮などは慎重に確認しておく必要があります。

四十九日法要に間に合うようにする

位牌は、一般的に四十九日法要までに用意するのが望ましいです。四十九日を過ぎると、本位牌に魂を入れるタイミングを逃してしまい、故人の供養として不適切とされることがあります。 納期の目安 ・既製品(戒名彫刻なし):1~3日で受け取り可能です。 ・戒名彫刻あり(通常):1~4週間程度かかります。 ・特注品や高級位牌(漆塗り、金箔仕上げなど):1~2ヶ月以上かかることもあります。 早めに注文しないと、四十九日に間に合わなくなる可能性があるため、位牌の手配は葬儀後すぐに検討し始めるのが理想的です。

宗派によっての違い

位牌の形状やデザインは宗派によって異なる場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。

宗派位牌の特徴
浄土真宗位牌を用いず、代わりに「法名軸」(掛け軸)を使用することが多い
曹洞宗・臨済宗「釈○○」の戒名が一般的
真言宗・天台宗「阿○○」といった戒名が多い
日蓮宗「日○○」という戒名を用いる

特に浄土真宗では位牌を用いないことが多いため、仏壇の準備の際にお寺へ相談するのが望ましいです。

戒名がなくても位牌を作れるの?

一般的に位牌には戒名が刻まれることが多いですが、戒名がなくても位牌を作ることは可能です。故人の俗名(生前のお名前)を用いた位牌も広く受け入れられており、特に戒名を授からなかった場合や、家族の意向で俗名のまま供養したい場合に選ばれます。 また、宗派や地域の慣習によっては、戒名の代わりに「○○之霊位」や「○○命」といった表記を施すこともあります。近年では、デザインや素材の選択肢も広がり、故人の個性を反映したオリジナル位牌を作ることも可能です。

まとめ

位牌は、故人の魂を宿し、供養するために重要なものです。四十九日法要までに本位牌を準備し、開眼供養を行うのが一般的です。位牌には塗り位牌、唐木位牌、モダン位牌、回出位牌などがあり、素材やデザインによって価格が異なります。 購入時は、仏壇のサイズや宗派の違いを確認し、品質や耐久性も考慮することが大切です。安さだけで選ばず、長く使用できるものを選ぶようにしましょう。早めの準備を心がけ、適切なタイミングで手配することが望ましいです。

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