
目次
香典を連名で出す際の基本マナーと注意点
香典を連名で出してもよいのか?基本マナー
香典袋に記載する名前は「最大3名」まで
香典を連名にするのは「関係性の近い人同士」に限る
金額は「全体として適切な額」に調整する
連名にするべきケースとは?家族・夫婦・会社・友人別に解説
家族で連名にする場合
夫婦で連名にする場合
職場や団体で連名にする場合
友人同士で連名にする場合
香典を連名で出す際に避けるべきシチュエーション
連名の全員が参列する場合
関係性が異なる人同士で連名にする場合
金額が少なすぎる場合
香典を連名で出すメリットとデメリット
メリット
デメリット
連名の香典袋の書き方
夫婦で連名にする場合の書き方
家族で香典を連名にする場合の書き方
職場や団体の連名の場合の書き方
香典返しを辞退する場合の具体的な文例
連名で出す香典の相場
家族の場合
職場の場合
友人の場合
連名の香典に対する香典返し
連名で香典を出した場合、香典返しはどうなる?
香典返しが全員分用意された場合の対応策
分けやすい香典返しの品物例
連名の香典を準備する際の流れ
1. 香典袋の選び方:宗教や宗派に合わせた準備
2. 中袋の正しい使い方
3. 連名リストの作成方法と例文(手書き・パソコン)
4. お札の入れ方と折り方のマナー
香典を連名で渡す際のマナー
香典を渡すタイミングとお悔やみの言葉
連名代表者が注意すべきポイント
香典を郵送する場合のマナーと文例
通夜や法要での連名香典の使い方
おわりに
香典は、故人への哀悼の意と、遺族へのお悔やみの気持ちを込めてお渡しするものです。香典を連名で出すことは、家族や職場、友人グループなどで参列する際によく行われます。しかし、「連名で出しても良いのか?」「何人まで連名にして良いのか?」「香典袋の書き方や金額設定はどうするのか?」といった疑問を抱く方も多いでしょう。
本記事では、香典を連名で出す際に必要な基本ルール、ケース別の対応、香典袋の書き方、金額の決め方、香典返しの注意点などを詳しく解説します。これを読めば、連名香典に関するマナーをしっかり理解し、どのような場面でも適切に対応できるようになります。
香典を連名で出す際の基本マナーと注意点
香典を連名で出してもよいのか?基本マナー

香典を連名で出すことはマナー違反ではなく、むしろ適切な場合も多くあります。しかし、連名にする際には以下の基本マナーを押さえておくことが重要です。
香典袋に記載する名前は「最大3名」まで
香典袋に名前を書く場合、最大3名までが基本マナーです。これ以上の人数を記載すると、香典袋が見た目に不格好になり、また遺族も誰が参列したのか把握しづらくなるためです。4名以上になる場合は、代表者名を記載した上で「○○一同」とし、別紙で全員の名前を記載します。
香典を連名にするのは「関係性の近い人同士」に限る
香典を連名にする場合、故人や遺族との関係性が近い人同士が適しています。たとえば、夫婦、家族、職場の同僚、友人グループなどです。関係性が異なる人同士が連名になると、遺族が困惑する可能性があります。
金額は「全体として適切な額」に調整する
連名で出す場合、金額が少なすぎると失礼になる場合があります。特に大人数で香典をまとめる場合、1人あたりの負担額が減りすぎてしまうことがないよう、グループ全体で適切な額になるように調整しましょう。
連名にするべきケースとは?家族・夫婦・会社・友人別に解説
家族で連名にする場合
故人が家族ぐるみで付き合いが深かった場合や、家族全員が葬儀に参列する場合は連名で香典を出すのが一般的です。例えば、夫婦と成人した子どもが一緒に香典を用意する場合などがこれに該当します。
書き方の例
「田中太郎・花子(夫婦の場合)」や「田中家一同(家族の場合)」と記載します。
夫婦で連名にする場合
夫婦で参列する場合、1つの香典袋にまとめて連名で記載するのが一般的です。特に夫婦として故人と親交があった場合、連名で出すことがふさわしいとされています。
書き方の例
夫婦の場合、夫の名前をフルネームで記載し、その横に妻の名前を記載します。「田中太郎・花子」のように書くのが一般的です。
職場や団体で連名にする場合
同じ職場の同僚や部署全体、クラブや学校などの団体で香典を出す場合も連名が適しています。この場合、人数が多い場合は「営業部一同」や「有志一同」として代表者の名前を記載し、別紙に全員の名前を記載します。
書き方の例
「株式会社○○ 営業部一同」「○○クラブ有志一同」
友人同士で連名にする場合
友人グループで香典を出す場合も連名が適しています。特に学生時代の友人や親しいグループの場合、グループ全体としての弔意を表すのに連名が適しています。
書き方の例
友人3名の場合は香典袋に全員の名前を記載します。それ以上の場合は「○○有志一同」とし、別紙で詳細を記載します。
香典を連名で出す際に避けるべきシチュエーション
香典を連名にするのが不適切な場合もあります。以下のようなケースでは連名を避けるべきです。
連名の全員が参列する場合
連名の全員が参列する場合は、それぞれが個別に香典を用意するのがマナーです。一人一人が個別に弔意を示す方が遺族にとっても受け入れやすいでしょう。
関係性が異なる人同士で連名にする場合
関係性が異なる人同士で連名にするのは避けた方が良いでしょう。例えば、上司と部下が一緒に連名で出すと、故人や遺族にとって不自然に感じられることがあります。
金額が少なすぎる場合
1人あたりの負担額が低すぎる場合、グループ全体としての金額が少なくなりすぎる可能性があります。特に故人や遺族との関係が深い場合、十分な金額を包むことが求められます。
香典を連名で出すメリットとデメリット
メリット
準備がスムーズ
特に職場や大人数の場合、香典をまとめることで手間が省けます。
遺族の負担軽減
香典返しが1つで済むため、遺族の負担を減らすことができます。
グループの弔意を示せる
団体や家族全体としての弔意を伝えられるため、まとまりがある印象を与えます。
デメリット
金額の調整が難しい
全員が同じ額を出せるとは限らず、トラブルの原因になることがあります。
書き方やマナーが煩雑
香典袋や中袋の書き方に気を遣う必要があります。
香典返しが分けにくい
連名の場合、香典返しが分けにくいことがあります。特に品物の場合、全員に公平に分けるのが難しい場合もあります。
連名の香典袋の書き方
夫婦で連名にする場合の書き方
夫婦で香典を出す場合は、香典袋の表面には夫婦のフルネームを記載するのが基本です。書き方としては、以下の方法を用います。
表書き(外袋)
夫のフルネームを先に書き、横に妻の名前を添えます。
例:「田中太郎・花子」
縦書きの場合、夫の名前を上に書き、妻の名前をその下に書きます。
中袋
中袋には表面に金額、裏面に夫婦の住所と名前を記載します。連名の場合でも住所は1つでまとめ、夫婦のフルネームを記載します。
妻が夫の代理で参列する場合のマナー
夫が参列できず、妻が代理で香典を持参する場合、書き方に工夫が必要です。
外袋
基本的には夫のフルネームのみを記載します。妻が代理で参列していることは暗黙の了解とされるため、特別な追記は不要です。
例:「田中太郎」
中袋
金額と夫婦の住所を記載します。名前は夫の名前のみ記載するのが一般的ですが、妻の名前も加えたい場合は「田中太郎(代理 花子)」と記載することもあります。
家族で香典を連名にする場合の書き方
子どもが成人している場合
成人している子どもを含めて家族で連名にする場合、香典袋の表書きには「○○家一同」と書くか、家族全員の名前をフルネームで記載します。
外袋
「田中家一同」または「田中太郎・花子・一郎」のように書きます。
中袋
表面に金額、裏面に全員の住所と名前を記載します。人数が多い場合は、住所を1つにまとめ、名前を箇条書きにします。
子どもが未成年の場合
未成年の子どもを含む場合、香典袋に子どもの名前を記載する必要はありません。夫婦の名前のみを記載し、「田中家一同」とするのが一般的です。未成年者は、名前を記載しなくても弔意を表せます。
兄弟・親子で連名にする際のルール
兄弟や親子で香典を連名にする場合も基本的なルールに沿って準備します。
兄弟の場合
年齢順または家系順に名前を記載します。例えば、「田中太郎・一郎・次郎」のように書きます。人数が多い場合は「田中家一同」とするのが一般的です。
親子の場合
成人した親子であれば、それぞれのフルネームを記載します。未成年の子どもが含まれる場合、親の名前のみで記載します。
職場や団体の連名の場合の書き方
2~3人の場合
少人数の連名であれば、全員の名前を香典袋の表面に記載します。
外袋
縦書きの場合は、年齢や役職が高い順に書きます。
例:「佐藤一郎・鈴木花子・田中太郎」
中袋
表面に金額、裏面に全員の名前と住所を記載します。人数が少ないため、簡潔にまとめやすいのが特徴です。
4人以上の場合
人数が4人以上の場合は、香典袋の表書きに「営業部一同」や「有志一同」と記載し、別紙に全員の名前と住所、一人あたりの金額を記載します。香典返しを遠慮する場合は、その旨も記載します。
別紙の文例
〇〇一同
氏名:佐藤一郎、鈴木花子、田中太郎、中村次郎
住所:全員の住所
金額:金参阡円(3000円) など
お返しのご配慮は遠慮させていただきます
別紙は無地の白い紙を使用し、折りたたんで中袋に入れます。
友人同士で連名にする場合の注意点
友人同士で香典を連名にする場合は、グループ全体での弔意を示すのに適しています。ただし、注意点もあります。
金額のバランスを保つ
各自の負担額を均等にするか、事前に全員で話し合って金額を決めましょう。負担額にばらつきがある場合、トラブルになることがあります。
書き方を統一する
表書きには「〇〇有志一同」と書き、別紙で全員の名前と金額を明記します。
代表者が責任を持つ
香典をまとめて用意する際は、1人が代表者として責任を持ち、マナーに沿って香典を準備します。
香典返しを辞退する場合の具体的な文例
連名で出す香典は、グループ全体の気持ちを表すものなので、香典返しを辞退することも配慮のひとつです。辞退する場合には、中袋や別紙にその旨を記載しておくと遺族の負担を軽減できます。
香典返し辞退の文例
このたびはご愁傷様でございます。
ささやかではございますが、心ばかりのお香典をお送りいたします。
香典返しなどのお気遣いはどうぞなさらず、ご遠慮くださいませ。
どうかご家族の皆さまのご健康をお祈り申し上げます。
このような文例を別紙に書いて香典袋に同封するか、中袋の裏面に簡単に記載します。
連名で出す香典の相場
家族の場合
夫婦で香典を出す場合
5,000円~1万円(1人あたり)
家族全員の場合
1万円~3万円
職場の場合
同僚の場合
3,000円~5,000円(1人あたり)
上司・部下の場合
5,000円~1万円(1人あたり)
友人の場合
親しい友人の場合
5,000円~1万円(1人あたり)
知人や旧友の場合
3,000円~5,000円(1人あたり)
連名の香典に対する香典返し
香典を連名で出した場合、香典返しにおいては通常のケースと異なる配慮が必要です。ここでは、連名の香典に対する香典返しのマナーや対応方法について解説します。
連名で香典を出した場合、香典返しはどうなる?
香典返しは、遺族がいただいた香典に対するお礼として贈るものです。連名で出した場合、以下のような対応が一般的です。
香典返しは1つだけ贈られる
通常、連名で出した香典に対しては1つの香典返しが贈られます。このため、受け取った代表者が他の連名者にどう分けるかを事前に話し合っておくとスムーズです。
代表者が分けられる品を選ぶこともある
遺族が香典返しを用意する際、タオルやお菓子など分けやすいものを選ぶ場合があります。その場合は代表者が分配する形になります。
香典返しが全員分用意された場合の対応策
まれに連名で香典を出した場合でも、遺族が全員分の香典返しを用意することがあります。この場合は以下のように対応します。
全員でお礼の気持ちを伝える
遺族が気を遣って全員分の香典返しを用意した場合、代表者がグループを代表して改めてお礼の連絡をすると良いでしょう。
受け取る場合は分担する
香典返しが全員分渡される場合、全員で分担して受け取ることが大切です。
分けやすい香典返しの品物例
遺族が選ぶ香典返しの品物として、以下のような分けやすいものが適しています。
タオルセット
1枚ずつ配れるタイプのタオルセットは分けやすい品物の一例です。
お菓子の詰め合わせ
小分けされた焼き菓子や和菓子は、グループで分けるのに最適です。
ギフトカタログ
1人1冊のギフトカタログを配れる場合は、全員が平等に選べます。
連名の香典を準備する際の流れ
連名で香典を準備する際には、効率的かつマナーに沿った方法で進めることが大切です。以下に準備の具体的な流れを解説します。
1. 香典袋の選び方:宗教や宗派に合わせた準備
香典袋は宗教・宗派によって適切なデザインが異なります。特に注意すべきポイントは以下の通りです。
仏式の場合
表書きは「御霊前」「御仏前」などを選びます。仏式の場合、蓮の花が印刷された香典袋を使用します。
神式の場合
表書きは「御玉串料」などを選びます。蓮の花が印刷された香典袋は避け、無地のデザインを使用します。
キリスト教式の場合
表書きは「御花料」などを選び、十字架のモチーフが入ったものを使用します。
2. 中袋の正しい使い方
中袋は金額や住所、連名者全員の名前を記載する重要なアイテムです。以下に正しい使い方を説明します。
名前の記載方法
中袋には全員のフルネームを記載します。人数が多い場合は別紙を利用して「氏名一覧」として添付します。
金額や住所の書き方
表面:金額を旧漢数字(例:壱万円、参千円)で記載します。
裏面:代表者の住所を記載し、全員の名前を記載します。
3. 連名リストの作成方法と例文(手書き・パソコン)
4人以上の連名の場合は別紙で「連名リスト」を作成し、香典袋に添付します。
パソコンで作成する場合
無地の白紙に同様の情報をパソコンで入力し、印刷して中袋に添付します。フォントは読みやすい明朝体やゴシック体が適切です。
4. お札の入れ方と折り方のマナー
香典のお札はマナーに沿って正しい入れ方を心がけましょう。
お札の向き
肖像画を裏向きにし、香典袋の表書きの上下に合うように入れます。
折り方
香典袋や中袋のサイズに合うように折りたたみますが、極力お札を折らずに入れることが推奨されます。
香典を連名で渡す際のマナー
香典を渡すタイミングとお悔やみの言葉
香典は通夜や葬儀の受付で渡すのが一般的です。渡す際には、心を込めたお悔やみの言葉を添えましょう。
例
「このたびはご愁傷様でございます。どうかお体をお大事になさってください。」
「ささやかではございますが、弔意を込めてお渡しいたします。」
連名代表者が注意すべきポイント
連名で香典を準備する際、代表者が責任を持って以下のポイントに注意しましょう。
・香典袋の表書きや中袋が正確に記載されているか確認する
・適切な金額をグループで集める
・遺族に失礼がないよう、お悔やみの言葉をしっかり伝える
香典を郵送する場合のマナーと文例
参列できない場合、現金書留で香典を郵送することも可能です。以下の文例を添えると良いでしょう。
例
拝啓
このたびはご愁傷様でございます。ささやかではございますが、心ばかりの香典をお送りいたします。
ご遺族の皆さまにおかれましては、どうかお体をお大事になさってくださいませ。
敬具
通夜や法要での連名香典の使い方
通夜や法要でも、連名での香典は適切です。ただし、故人との関係性に応じて連名にするか、個別にするかを判断する必要があります。
おわりに
香典を連名で出す際には、基本的なマナーを守り、正しい方法で準備を進めることが大切です。本記事でご紹介したポイントを押さえれば、どのような場面でも失礼なく対応できます。香典を通して、故人や遺族に心のこもった弔意を伝えましょう。
この記事を共有
Xでシェア
LINEでシェア
Facebookでシェア