
墓じまいの際に注意すべきトラブルと円満に進めるためのポイント
公開日: 2024.5.24 更新日: 2025.2.26
目次
墓じまいとは?
墓じまいの定義
墓じまいを考える主な理由
墓じまいの増加傾向
墓じまいの流れ
1. 親族間の話し合い
2. 墓地管理者(寺院・霊園)への相談
3. 改葬許可申請の手続き
4. 墓じまいの実施(墓石の撤去・遺骨の取り出し)
5. 新しい供養先への納骨
墓じまいの法的手続き
1. 墓地埋葬法と墓じまいの関係
2. 改葬許可申請の必要性
墓じまいで起こるトラブル
1. 親族の同意が得られない
2. お寺とのトラブル(離檀料・撤去の拒否など)
3. 墓地管理者とのトラブル(撤去後の更地返還)
4. 遺骨の取り扱いに関する問題
トラブルを回避するための具体策
1. 親族の同意を得る方法(意見の対立を解消する)
2. お寺との交渉をスムーズに進める方法(離檀料・書類発行問題)
3. 墓地管理者とのトラブルを防ぐ方法(更地返還の費用・契約解除)
4. 遺骨の適切な管理と納骨先の選択肢
墓じまいしないとどうなる?
1. 墓の管理ができなくなる
2. 維持費・墓じまい費用の負担が増え続ける
3. 相続トラブルの原因になる
4. 遺骨の引き取り手がいなくなる
まとめ
墓じまいとは?
墓じまいの定義
「墓じまい」とは、現在あるお墓を撤去し、埋葬されている遺骨を別の場所へ移すことを指します。これは単なる「お墓の撤去」ではなく、新しい供養の形を考え、遺骨を適切に安置するという意味を持ちます。墓じまいの主な流れとしては、
1.遺骨を取り出す(改葬)
2.墓石を撤去し、更地に戻す
3.遺骨を新たな供養先に移動する(納骨堂・永代供養墓・樹木葬など)
という手順を踏みます。
墓じまいは「終活」の一環として考えられることが多く、後継者の負担軽減や、無縁墓になることを防ぐ目的で行われます。 近年では、家族構成の変化や価値観の多様化により、この選択をする人が増えています。
墓じまいを考える主な理由
墓じまいを決断する理由は家庭ごとに異なりますが、以下のような要因がよく挙げられます。
1. 墓の後継者がいない
日本では伝統的に、お墓は代々受け継がれるものと考えられてきました。しかし、近年では以下のような事情により、お墓を管理できる人がいなくなるケースが増えています。
・子どもや親族がいない、または遠方に住んでいる
・家族がいても、お墓を継ぐ意思がない(墓参りや管理の負担を避けたい)
・独身のまま亡くなる人が増えている
後継者がいなくなると、お墓は管理者不在となり、最終的には無縁墓として撤去されてしまいます。墓じまいを行うことで、事前に適切な供養方法を選択し、無縁墓化を防ぐことができます。
2. 経済的負担の軽減
お墓には維持管理費や修繕費がかかるため、経済的な理由で墓じまいを検討する家庭も少なくありません。
・墓地の年間管理費が高額で負担になっている
・墓石が風化や地震などで破損し、修繕費が高額になる
・寺院との付き合い(檀家制度)をやめたいが、離檀料の負担がある
お墓の管理費用が負担になっている場合、墓じまいをして新たな供養方法(納骨堂や合同墓など)に移行することで、コストを抑えることができます。
3. 墓の場所が遠く、お参りが難しい
お墓が遠方にあると、定期的にお参りすることが難しくなります。特に、都市部に住む人が増えるにつれ、「田舎のお墓に行くのが大変」「交通費や時間の負担が大きい」 という問題が出てきています。
墓じまいをして、近くの納骨堂や永代供養墓に遺骨を移すことで、お参りがしやすくなるというメリットがあります。
4. 供養の多様化(新しい供養方法への移行)
近年、伝統的な墓石を持たずに供養を行う新しい選択肢が増えています。例えば、
・永代供養墓(合同墓) → 寺院や霊園が管理し、家族の負担なしで供養可能
・納骨堂 → 室内に遺骨を安置する供養施設で、天候に左右されずにお参りができる
・樹木葬 → 自然の中で遺骨を埋葬し、墓石を持たずに供養する方法
・散骨 → 海や山に遺骨を撒く方法(法律上のルールあり)
墓じまいを行うことで、これらの新しい供養方法に移行し、故人をより適した形で供養することができます。
墓じまいの増加傾向
日本では、墓じまいをする人が年々増えています。その背景には、社会的な変化や価値観の多様化があります。
1. 少子高齢化と人口減少
日本の総人口が減少し続けている一方で、高齢化が進んでいます。高齢者の多くが「自分が亡くなった後、お墓を管理する人がいない」という不安を抱えており、「生前に墓じまいをしておく」 という考え方が広まっています。
2. 都市部への人口集中
地方から都市部へ移住する人が増えたことで、「実家のお墓が遠くて管理できない」 という状況が生まれています。墓じまいをして、自分の住む地域に遺骨を移す人が増えています。
3. 供養の価値観の変化
「家族でお墓を守る」という考え方にこだわらず、個人のライフスタイルに合った供養を選ぶ人が増えています。
・「お墓がなくても供養はできる」という考え方が広まった
・宗教的な価値観が変化し、檀家制度にこだわらない人が増えた
・家族の負担を減らすため、より簡単な供養方法を選ぶ
墓じまいの流れ

墓じまいをスムーズに進めるためには、適切な手順を踏み、必要な書類を準備し、関係者と十分に話し合うことが重要です。
1. 親族間の話し合い
墓じまいを進める上で、最も重要なのが親族間の合意 です。
お墓は先祖代々受け継がれてきたものが多く、「ご先祖様を大切にしたい」「墓を移すのは罰当たりだ」という考えを持つ親族がいる場合、意見が分かれることがあります。そのため、慎重に進める必要があります。
2. 墓地管理者(寺院・霊園)への相談
親族間の合意が取れたら、次に行うのが墓地管理者(寺院・霊園)への相談 です。
相談のポイント
・墓じまいが可能かどうか確認
霊園や寺院によっては、墓じまいのルールが異なるため、まずは管理者に相談します。
・「離檀料」が発生するかどうかを確認(寺院の場合)
お寺にあるお墓を撤去する場合、「離檀料」(お寺を離れる際の謝礼)を求められることがある ため、金額を確認しましょう。
・墓じまいに必要な書類を発行してもらう
「埋葬証明書」(現在のお墓に遺骨が埋葬されている証明書)などが必要になるため、手続きを進めてもらいます。
お寺との関係が良好な場合はスムーズに進みますが、寺院によっては墓じまいを渋るケースもあるため、誠意をもって話し合うことが大切です。
3. 改葬許可申請の手続き
墓じまいを行うためには、役所で「改葬許可申請」を行う必要があります。これは、遺骨を別の場所へ移動するために必要な法的手続き です。
必要な書類
1.改葬許可申請書(市区町村役場で取得)
2.埋葬証明書(現在の墓地管理者が発行)
3.受け入れ証明書(新しい納骨先の管理者が発行)
これらの書類を揃えた上で、自治体の役所に提出し、改葬許可証 を受け取ります。この許可証がないと、遺骨を移動することができないため、必ず取得する必要があります。
4. 墓じまいの実施(墓石の撤去・遺骨の取り出し)
改葬許可が下りたら、石材業者に依頼して墓じまいの工事を行います。
墓じまいの際の注意点
・お墓の閉眼供養を行う
墓石を撤去する前に、お坊さんに読経を依頼し、「閉眼供養」(魂抜き)を行います。
・石材店に見積もりを依頼し、工事を実施
費用の相場は10万~50万円程度 ですが、墓の大きさや立地によって異なります。
・更地にした後、墓地管理者に返還する
お墓を撤去した後は、土地を更地に戻し、霊園や寺院に返還します。
5. 新しい供養先への納骨
墓じまいの最後のステップとして、遺骨を新しい供養先へ納骨 します。選択肢としては、
・納骨堂(屋内施設に遺骨を安置する方法)
・永代供養墓(合同墓に遺骨を合祀し、寺院や霊園が管理)
・樹木葬(墓石を持たず、自然の中で埋葬)
・散骨(海や山などに遺骨を撒く方法)
この中から、故人や家族の意向に合った方法を選び、適切な供養を行うことが大切 です。
墓じまいの法的手続き
墓じまいを行うには、法律に基づいた手続きが必要です。特に、改葬(遺骨の移動)を伴う墓じまいには、自治体への申請が必須 となります。手続きを怠ると、法的なトラブルに発展する可能性があるため、慎重に進めましょう。
1. 墓地埋葬法と墓じまいの関係
墓地埋葬法とは?
「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」は、遺骨の埋葬・改葬・管理に関するルールを定めた法律です。この法律により、「遺骨を勝手に移動してはいけない」 ことが明確に規定されています。
墓地埋葬法第5条には、以下のように記載されています。
「埋葬または焼骨の埋蔵は、墓地以外の場所で行ってはならない。」
つまり、正式な手続きを経ずに遺骨を移動したり、自宅に持ち帰ったりすることは違法 となる可能性があるのです。
また、墓地埋葬法には以下のような規定もあります。
・墓地を新たに作るには自治体の許可が必要(個人で自由に墓を作ることはできない)
・改葬には役所の許可が必要(許可なく遺骨を別の墓地に移すことは禁止)
・遺骨は適切に管理されなければならない(放置したり不法に処分したりすることは違法)
このように、墓じまいは法律に基づいた手続きを踏まなければならない ため、適切に準備を進めることが大切です。
2. 改葬許可申請の必要性
改葬とは?
改葬とは、埋葬されている遺骨を別の墓地や納骨堂などに移すこと を指します。墓じまいの大半は、この改葬に該当します。
遺骨を別の場所へ移すには、役所で 「改葬許可申請」 を行い、「改葬許可証」 を取得しなければなりません。この許可証がないと、遺骨の移動や新たな納骨が認められないため、必ず事前に手続きを行う必要があります。
改葬許可申請の詳細な手続きや必要書類については 「墓じまいの流れ」 の 「3. 改葬許可申請の手続き」 で説明しているため、ここでは改葬許可申請が必要な理由と注意点 に焦点を当てます。
改葬許可が必要な理由
改葬許可が求められる理由は、遺骨の管理を適切に行うため です。
1.遺骨の移動が無秩序に行われるのを防ぐため
・もし許可なく遺骨を移動できると、勝手に遺骨を処分するケースが増え、適切な供養ができなくなる可能性があります。
2.不法投棄を防ぐため
・墓地管理者や自治体が、遺骨の所在を適切に把握できるようにするための制度でもあります。
3.新しい納骨先の適正管理のため
・遺骨を新たな場所に納める場合、その受け入れ先が正式に承認されていることを確認する必要があります。
改葬許可申請を怠ると、新しい納骨先で受け入れを拒否される可能性があるため、必ず許可を取得しましょう。
改葬許可申請の注意点
・自治体によって申請方法や必要書類が異なる場合があるため、事前に役所へ確認する
・許可証の発行には時間がかかることがあるため、スケジュールに余裕を持つ
・すべての遺骨に対して個別に許可証が必要になることがある(複数の遺骨がある場合は要確認)
墓じまいで起こるトラブル
墓じまいは、単にお墓を撤去するだけでなく、親族や墓地管理者、自治体などとの調整が必要になるため、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。特に、親族間の意見の対立やお寺との関係、墓地管理者との調整 などが原因で、計画通りに進まないケースが多く見られます。
1. 親族の同意が得られない
起こりやすい問題
墓じまいを進めるには、親族全員の合意が必要 ですが、意見が対立することがよくあります。
・「ご先祖様のお墓を動かすのは罰当たりだ」
・「遠方でも今まで通り管理すればいい」
・「先祖代々のお墓を壊すのは気が引ける」
といった意見が出ることが多く、特に年配の親族が反対するケース がよく見られます。
具体例
・親族間で墓じまいの必要性を話し合ったが、意見が分かれてしまい結論が出せなかった。
・遠方に住む親族から「勝手に決めるな」と反発され、手続きを進められなくなった。
2. お寺とのトラブル(離檀料・撤去の拒否など)
起こりやすい問題
お寺の境内にある墓地を墓じまいする場合、「離檀料」の支払いを求められることがある ほか、住職が墓じまいに消極的な態度を示すことがあります。
・離檀料が高額で支払えない
・住職が墓じまいを拒否し、埋葬証明書を発行してくれない
・檀家をやめることでトラブルになる
具体例
・墓じまいを申し出たところ、「檀家をやめるなら、50万円の離檀料を支払ってもらう」と言われた。
・埋葬証明書の発行を依頼したが、「ご先祖様を勝手に移すのは認められない」と住職に拒否された。
3. 墓地管理者とのトラブル(撤去後の更地返還)
起こりやすい問題
墓じまいをする際、墓地管理者(霊園・自治体)に更地に戻して返還する義務がある が、撤去費用の支払いを巡ってトラブルになるケースがある。
・「更地にする費用を支払え」と言われたが、高額だった
・墓地管理者が契約解除をなかなか認めてくれなかった
具体例
・墓地管理者から「更地に戻すための工事費が必要」と言われ、想定外の費用を請求された。
・「この墓地は長期契約だから、解約には特別な手続きが必要」と説明され、契約解除がスムーズに進まなかった。
4. 遺骨の取り扱いに関する問題
起こりやすい問題
墓じまいをした後、遺骨をどうするか明確に決めていなかったため、新しい納骨先が決まらず、手元で保管することになった というケースもある。
・「とりあえず自宅に置いておく」が長期化する
・新しい納骨先を探すのに時間がかかる
・親族間で「どこに納めるか」意見が分かれる
具体例
・墓じまいをしたが、新しい納骨先を決めていなかったため、数年間遺骨を自宅で保管することになった。
・納骨堂を検討していたが、費用が高くすぐに決められず、遺骨の安置が長引いてしまった。
トラブルを回避するための具体策
墓じまいには、親族間の意見の対立やお寺・霊園とのトラブル、遺骨の取り扱いなど、さまざまな問題が発生する可能性があります。 しかし、事前に適切な対策を講じることで、多くのトラブルを回避し、スムーズに墓じまいを進めることができます。
1. 親族の同意を得る方法(意見の対立を解消する)
解決策①:早めに話し合いを始める
・墓じまいの話を突然切り出すと、反発される可能性が高いため、時間をかけて慎重に進めることが重要。
・「墓じまい=ご先祖様をないがしろにする」ではなく、「次世代の負担を減らす選択」として説明する。
解決策②:客観的な情報を提示する
・お墓の維持費用や管理の難しさ について具体的なデータを示すと、感情的な反対が和らぐことがある。
・例:「年間○万円の管理費がかかる」「遠方でお参りができない」などの現実的な問題を提示。
解決策③:親族の意見を尊重しつつ、落としどころを探る
・墓じまいに反対する人がいる場合、その意見を尊重しつつ、代替案を提示する。
・例:「お墓を完全になくすのではなく、○○寺の永代供養に移す」「家系の記録を作成して先祖を忘れない形にする」など。
解決策④:第三者(僧侶・行政書士など)を交えて話し合う
・親族だけでは話がまとまらない場合、僧侶や専門家を交えて相談するのも有効。
・行政書士や司法書士に相談することで、法的な観点からアドバイスをもらえる。
2. お寺との交渉をスムーズに進める方法(離檀料・書類発行問題)
解決策①:お寺と良好な関係を築く
・離檀の話を切り出す際は、感謝の気持ちを伝える ことが大切。
・「これまでお世話になりました」と丁寧に伝えることで、トラブルを防ぐ。
解決策②:離檀料の相場を確認し、不当な請求に対処する
・一般的な離檀料の相場は3万円~20万円 だが、お寺によって異なる。
・「離檀料は法的に支払う義務がない」 ことを理解した上で交渉する。
・不当に高額な請求をされた場合は、消費生活センターや弁護士に相談 する。
解決策③:埋葬証明書の発行を拒否された場合の対応
・埋葬証明書の発行はお寺の義務であるため、拒否された場合は、市区町村の役所に相談する。
・それでも解決しない場合は、弁護士や行政書士を通じて対応する。
3. 墓地管理者とのトラブルを防ぐ方法(更地返還の費用・契約解除)
解決策①:契約内容を事前に確認する
・墓地管理者(霊園や自治体)との契約書を確認し、墓じまい時のルールを把握する。
・「更地に戻して返還しなければならない」「墓地の解約には手続きが必要」など、契約内容を事前に把握しておく。
解決策②:複数の石材業者から見積もりを取る
・墓石の撤去費用は業者によって異なるため、複数の業者に見積もりを依頼し、適正価格を確認する。
・費用の相場は10万~50万円程度 だが、立地や墓の大きさによって変動する。
解決策③:墓地管理者との交渉を冷静に行う
・契約解除をスムーズに進めるため、事前に墓地管理者と十分に相談する。
・高額な撤去費用を請求された場合は、消費生活センターや弁護士に相談。
4. 遺骨の適切な管理と納骨先の選択肢
解決策①:墓じまい前に新しい納骨先を決めておく
・墓じまいを進める前に、遺骨の移動先を明確にしておくことが重要。
・納骨先の選択肢
納骨堂(屋内施設に安置)
永代供養墓(合同供養)
樹木葬(自然の中で供養)
散骨(海や山に撒く ※法律を遵守)
解決策②:一時的に遺骨を自宅で保管する場合の注意点
・遺骨を自宅で保管する場合、適切な環境を整えることが重要。
・遺骨専用の収納ボックスを利用し、湿気の多い場所を避ける。
・長期間保管すると親族間で「いつ納骨するのか?」とトラブルになることがあるため、なるべく早く納骨先を決める。
墓じまいしないとどうなる?
墓じまいをせずに放置すると、管理の負担が増すだけでなく、法律的な問題や経済的な負担が発生する可能性 があります。また、お墓の維持が困難になると、無縁墓として撤去されるケースもあります。
1. 墓の管理ができなくなる
管理ができないと「無縁墓」になる
・継承者がいない場合、お墓は放置され、管理ができなくなる。
・墓地管理者(霊園・寺院)は、管理費の未払いが続くと 「無縁墓」 と判断する。
・無縁墓とは? → 継承者が不在、または管理放棄された墓のこと。
無縁墓になるとどうなる?
・霊園や寺院の管理者によって、一定期間の公告(通知)を経た後に撤去 される。
・遺骨は合祀墓(合同供養墓)に移されることが多い。
・「勝手に撤去された」として親族間でトラブルになる可能性もある。
具体的なケース
・遠方に住んでいてお墓参りができず、気づいたら無縁墓として撤去されていた。
・親族の誰も管理せず、墓地管理者から「期限内に対応しなければ撤去する」と通知が来た。
2. 維持費・墓じまい費用の負担が増え続ける
管理費の負担が続く
・墓地の管理費は継続的に発生する。
・支払いができなくなると、霊園や寺院から督促が来る可能性がある。
・誰が管理費を負担するかで親族間のトラブルになることも。
修繕費用がかさむ
・長期間放置すると 墓石の劣化が進み、修繕費が高額になる。
・例:墓石のひび割れ、倒壊の危険 → 修繕費 数十万円~100万円 かかることも。
・いざ墓じまいを決めた際に、撤去費用がさらに増えてしまう。
墓じまいのタイミングを逃すと、負担が増す
・高齢になってから墓じまいを進めるのは負担が大きく、決断が遅れる。
・「自分の代ではなくてもいい」と先送りにするほど、後の世代が困る可能性が高くなる。
・放置期間が長いほど撤去費用が増え、管理費の滞納分が請求される可能性がある。
具体的なケース
・「親の代で墓じまいをしておけばよかった」と後悔する例も多い。
・「子どもに迷惑をかけたくない」と考えて、生前に墓じまいを決断する人も増えている。
3. 相続トラブルの原因になる
お墓の継承者が不明確になる
・遺言がない場合、「誰がお墓を継ぐのか?」が不明確に。
・親族の間で 「誰が管理するのか?」 で対立が発生することも。
遺骨の扱いについて意見が分かれる
・墓じまいをするか、維持するかで 親族間の意見が食い違う。
・「誰が最終的な決定権を持つのか?」が不明確で話が進まない。
具体的なケース
・亡くなった親が「長男が継ぐべき」と考えていたが、長男は遠方で管理が難しく、次男と意見が対立。
・親族の間で墓じまいを進めようとしたが、誰が主導するのか決まらず、何年も放置されている。
4. 遺骨の引き取り手がいなくなる
遺骨が引き取られずに合祀される
・墓地管理者が無縁墓として撤去した後、遺骨は合同供養墓(合祀墓)に移される。
・一度合祀されると、後から個別に取り出すことができなくなる。
合祀墓になることへの不安
・「知らない人と一緒に埋葬されるのは避けたい」という意見もある。
・宗派によっては、合同供養を望まない家系もある。
まとめ
墓じまいは、単なるお墓の撤去ではなく、先祖の供養をどうするか、家族の負担をどう減らすかを考える重要な決断 です。近年、少子高齢化やライフスタイルの変化により、墓じまいを選択する家庭が増えていますが、進め方を誤ると親族間の対立や法的トラブルに発展することもあります。
この記事では、墓じまいの流れや必要な手続き、起こりやすいトラブルとその対策、墓じまいをしなかった場合のリスクについて詳しく解説しました。
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