火葬場は予約しないと使えないって知ってた?現役葬儀者から聞いたトラブルを例に解説

火葬場は予約しないと使えないって知ってた?現役葬儀者から聞いたトラブルを例に解説

公開日: 2024.8.26     更新日: 2024.8.27

火葬」は、日本国内に限っては一番ポピュラーな埋葬方法となっています。現在、日本人のほぼ100%が火葬を選択しており、少子高齢化・多死社会である現在の日本ではほぼ毎日のように火葬が行われています。このように、ほぼ毎日のように行われている火葬ですが、その火葬をするための「火葬場」の利用方法をご存じでしょうか?

葬儀社へ予約は任せられますが、知らないことで思わぬ落とし穴にはまるケースもあります。今回はこの「火葬場」の使い方を実際に起きたトラブルを例に解説していきます。

火葬場予約の手順

まずは、火葬場を予約する手順をご説明します。同時に、必要書類についても解説いたしますので、合わせてチェックしてください。

1. 死亡診断書・死亡検案書の受け取り

まず、故人が死亡したことを証明する書類を受け取り、各市町村の役場に提出する必要があります。病気のために亡くなってしまった場合には、臨終に立ち会った医師が「死亡診断書」を記入してくれます。その死亡診断書と同じ用紙に「死亡届」も含まれており、こちらには遺族が故人の情報を記入する必要があります。また、不慮の事故などのような医師がいない場所での死亡の場合には、警察による検死が行われます。そちらの場合、「死亡検案書」という死亡診断書と同じ書類を警察からもらうことになります。これらの書類は、故人の死を知ってから7日以内に役所に届け出る必要があります。ただし、故人が海外で亡くなってしまったという場合には、故人の死を知ってから3か月以内の提出が義務付けられています。また、記入済みの死亡届と死亡診断書(検案書)は必ずコピーを取っておきましょう。銀行や保険会社、携帯電話の解約などに必要となります。再発行は可能ですが、手数料をとられてしまうため、必ず提出前にコピーをとっておきましょう。

2. 死亡届の提出と火葬許可証の受けとり

死亡届を記入し、死亡診断書(検案書)と死亡届の両方を提出すると、「火葬(埋葬)許可証」が発行されます。この書類がないと、火葬場で火葬をしてもらえなかったり、お墓などに納骨できなくなってしまうため、忘れずに受け取り、保管をしましょう。

3. 火葬場の予約

火葬を行うためには、火葬場の予約を取らなければなりません。火葬場には、公営のものと民営のものがあり、公営の方が値段的には手ごろであり、民営の方では装飾や待機中のサービスなどが充実しているという傾向があります。また、東京都の火葬場の中には葬儀会社を通してのみ予約を受け入れるという火葬場も存在するため、注意しましょう。

葬儀社への委任

上記の手順で、火葬場の予約は行われます。しかし、死亡届の提出も含めそこからは葬儀会社に任せることが可能で、実際任せてしまうことが主流となっています。そのため、実際に行うのは死亡届の記入まででしょう。任せられる部分は任せてしまったほうが心身ともに負担が軽減されるため、葬儀会社とも相談してみて下さい。

実際に起こったトラブル

火葬場の予約が取れない!?安置のための費用が。。。

親が亡くなってしまい葬儀を行おうとしているAさん。葬儀会社と相談を重ね、死亡届を提出しました。そして、葬儀の日取りを相談していると、火葬場の予約が取れるのが最速で一週間後ということを伝えられます。想定では2,3日で葬儀まで行う予定だったAさんとしては葬儀までそんなにかかるのかとショックを受けました。さらに、遺体の安置をどうするかという相談では、遺体を預けるための施設使用料か、実家で遺体を保全するためのドライアイス代がかかってしまうと告げられ、金銭的トラブルへと発展してしまいました。

このようなトラブルは近年火葬場が「予約システム」を取り入れ始めたことで顕在化しているようです。自宅で一週間ほど安置の必要がある場合、ドライアイス代だけで一日当たり5千〜1万円ほどかかるため、ご遺体の搬送代も含めると約10万円ほどが葬儀とは別にかかってしまうことになるのです。ただでも、かかる費用の高い葬儀に加えてとなってしまうため、このような金銭トラブルへと発展してしまうことが多いです。

トラブルの解決策

1. 時間帯をずらす

火葬場は、午前中に告別式を行い午後に火葬を行うというタイムスケジュールで行う人が多いため、午後の予約は非常に混雑しています。しかし、逆に午前中午後の火葬可能最終時刻に近い時刻の予約は比較的空いている場合が多いため、その時間帯での火葬を予約することで安置日数を軽減することができるでしょう。

2. エリアを変える

火葬場の混雑の状況は、地域によって異なる場合があります。希望の地域は、火葬場の予約がいっぱいでも、隣の地域の予約は空いているという場合がある可能性があります。しかし、利用者には隣の地域の混雑状況を知るすべがないため、葬儀会社の方に確認してもらいましょう。また、火葬場の対象としている地域外の住民の火葬に関しては、料金が異なる場合があります。さらに、遺体の搬送の距離が遠くなり、搬送にかかる費用も増加する可能性があります。したがって、遺体の安置に係る費用と地域を変えることによる追加費用をしっかりと比較する必要があります。

火葬場に期待されること

ピーク時間外への誘導

火葬場では、ピークな時間帯とそうでない時間帯があります。しかし、火葬費用は全く同じであるために、ピーク時間に火葬が集中してしまっています。そのため、ピーク時間外の火葬費用を下げることによって、その時間帯の利用者を増加させられれば、現在よりもより効率的に火葬が可能となることが予想されます。

まとめ

今回は、火葬場の予約の手順と、実際に起きてしまった火葬場に関するトラブルをご紹介いたしました。「火葬場」による待ちが発生するという知識を持っておくだけで、葬儀会社との契約の際に確認するなどの対策ができるでしょう。ご遺族が亡くなられてつらい状況であっても、しっかりとリスク管理を行い、急なトラブルを避けられるよう、この記事がその一助となるよう願っております。

この記事を共有

  • Xでシェア

  • LINEでシェア

  • Facebookでシェア