お墓の種類を知ろう!設置場所や利用形態別に解説

お墓の種類を知ろう!設置場所や利用形態別に解説

公開日: 2024.5.18     更新日: 2025.1.30

お墓の種類を知ろう!設置場所や利用形態別に解説

お墓を建てることは、故人や家族にとって重要なライフイベントの一つです。しかし、お墓にはさまざまな種類があり、それぞれの選択肢によって費用や管理方法、宗教的な制約が異なります。本記事では、お墓の種類や選び方について、設置場所や形態、利用方法など5つの視点から詳しく解説します。

お墓を建てるときの流れ

お墓を建てる際の基本的な手順は以下の通りです

1.お墓の設置場所を決める

公営墓地や寺院墓地など、希望する環境や地域の条件を検討します。

2.形態を選ぶ

一般墓や納骨堂など、供養の形式に応じた形態を選びます。

3.予算を決める

墓石の種類や供養形態によって費用が異なるため、予算を事前に設定します。

_4.石材店や墓地管理者と相談する

石材店や墓地管理者に相談し、具体的なプランを立てます。

5.工事・納骨

墓石が完成したら、納骨式を行い、家族や親族で供養を開始します。

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お墓を分ける5つの視点

お墓を選ぶ際には、以下の5つの視点を基に検討することが重要です。

1. 設置場所の種類

公営墓地

公営墓地は、地方自治体が運営する墓地で、宗教や宗派を問わず誰でも申し込みが可能です。ただし、居住地条件があったり、申し込みが抽選制の場合もあります。

費用相場

永代使用料:30万円~600万円程度

(抽選制であり、墓地を選ぶことができないため、当選するまでは使用料がわかりません。)

管理費:年間3,000円~10,000円程度

メリット

費用が比較的安い

宗教不問で利用できる

長期的に安心して利用できる

デメリット

申し込みが抽選制であることが多く、希望通りの場所を確保できない場合がある

人気が高いため、競争率が高い

どんな人に合うか

費用を抑えたい方や、宗教を問わない供養を希望する方に適しています。

民営墓地

民間企業や宗教法人が運営する墓地で、施設が充実しているところが多く、比較的自由度が高いのが特徴です。

費用相場

永代使用料:30万円~

管理費:年間5,000円~15,000円程度

メリット

立地や施設が充実している場合が多い

公営墓地に比べて申し込みが容易で、選択肢が豊富

デメリット

公営墓地に比べて費用が高い場合がある

運営者によってサービスや規則が異なるため、選ぶ際に注意が必要

どんな人に合うか

便利な立地や充実した施設を重視する方に向いています。

寺院墓地

寺院が管理する墓地で、供養や法要などを寺院に依頼できるのが特徴です。寺院の宗派に属することが必要な場合もあります。

費用相場

永代使用料:30万円~300万円程度

管理費:年間5,000円~20,000円程度

※入檀料や寄付金が必要になることもあります。

メリット

寺院に供養を任せられる安心感がある

歴史ある寺院で信頼性が高い場合が多い

デメリット

宗派による制約がある

檀家になる必要がある場合があり、追加費用や宗教的な制約が発生することがある

どんな人に合うか

寺院とのつながりを大切にしたい方や、宗教的な儀式を重視する方に向いています。

自然葬(海・山・森林)

自然葬は、遺骨を自然に還す供養方法で、墓石を建てずに海や山、森林などに遺骨を撒いたり、樹木を墓標とする形態です。

費用相場

散骨:0円~30万円程度

樹木葬

20万円~50万円程度

メリット

墓石が不要で費用を抑えられる

自然に還る供養を希望する人にとって理想的な選択肢

墓地の管理が不要

デメリット

地域ごとに規制がある場合がある

散骨後に訪れる供養場所がない場合がある

どんな人に合うか

自然との調和を大切にしたい方や、自由でシンプルな供養を希望する方に適しています。

2. 形態の種類

お墓の形態は、従来の墓石タイプから、新しい供養方法まで多様化しています。それぞれの特徴を理解して選ぶことが重要です。

一般墓

伝統的な地上型のお墓で、家族単位で建てられるのが一般的です。

費用相場

墓石代:100万円~300万円程度

管理費:年間5,000円~15,000円程度

メリット

家族が集まりやすい供養の場となる

伝統的で格式がある

デメリット

墓石や土地の費用が高額になる

定期的な管理や清掃が必要

どんな人に合うか

伝統的な供養方法を重視する方や、家族の絆を大切にしたい方におすすめです。

納骨堂

遺骨を屋内施設内で保管する形態で、天候や気候に左右されずお参りができるのが特徴です。

費用相場

50万円~150万円程度

メリット

天候に左右されず快適にお参りできる

墓石や土地を必要とせず、比較的費用が安い

デメリット

管理期間が限定されている場合がある

家族で集まりにくい場合がある

どんな人に合うか

気軽にお参りしたい方や、費用を抑えたい方に向いています。

樹木葬

墓石の代わりに樹木や花を墓標とし、自然との調和を重視する供養方法です。

費用相場

20万円~100万円程度

メリット

自然に還る供養が可能

墓石が不要で管理負担が軽減される

デメリット

墓標として樹木を維持する必要がある場合がある

故人を偲ぶ明確な場所が分かりにくい場合がある

どんな人に合うか

環境保護や自然との共生を大切にしたい方に適しています。

散骨

遺骨を粉末状にし、海や山に撒くシンプルな供養方法です。

費用相場

5万円~30万円程度

メリット

墓石が不要で費用を大幅に抑えられる

法的に問題がなければ自由度が高い

デメリット

散骨後に供養する場所がなくなる場合がある

地域や文化によっては受け入れられにくい場合がある

どんな人に合うか

シンプルな供養を希望する方や、特定の場所にこだわらない方におすすめです。

3. 利用形態の種類

お墓の利用形態は、誰と共有するかや供養の形式によって異なります。それぞれの特徴を知ることで、家族や個人に最適な形を選ぶことができます。

_個人墓

個人専用のお墓で、故人一人だけを供養する形式です。家族や親族とは別に建てられます。

費用相場

墓石代:50万円~200万円程度

メリット

故人一人ひとりを丁寧に供養できる

個人の生き方や価値観を尊重した形で供養できる

デメリット

一つのお墓ごとに費用がかかるため、家族墓よりも高額になる場合がある

家族全体でのお墓参りの場としては不向き

どんな人に合うか

独身の方や、自分だけのお墓を持ちたいと考えている方におすすめです。

家族墓

家族や親族が共用する一般的なお墓で、代々受け継がれていく形態です。

費用相場

墓石代:100万円~300万円程度

メリット

家族全体の供養の場として利用できる

一つの場所で家族の絆を感じられる

一括で管理できるため、コスト面でも効率的

デメリット

家族や親族間で意見が分かれることがある

親族が増えると容量の問題が出てくる場合がある

どんな人に合うか

家族全員で同じお墓に入ることを希望する方や、伝統的な供養を重視したい方に最適です。

合葬墓(共同墓)

他の人々と合同で埋葬されるお墓で、費用を抑えた形態です。一つの場所に複数人が埋葬されます。

費用相場

10万円~50万円程度

メリット

費用が抑えられる

後継者がいなくても永代にわたり供養してもらえる場合が多い

デメリット

個別のお墓ではないため、遺骨の取り出しや移動が難しい場合がある

故人を個別に偲ぶことが難しい

どんな人に合うか

費用を抑えたい方や、家族がいない方、永代供養を希望する方に向いています。

永代供養墓

寺院や墓地管理者が永代にわたって供養を行うお墓です。子孫に負担をかけず、供養を管理者に任せられるのが特徴です。

費用相場

20万円~100万円程度

メリット

後継者がいなくても供養を続けてもらえる

費用が比較的抑えられる

維持管理の手間がかからない

デメリット

一部の形式では個別の墓標がない場合がある

寄付金や管理費が追加で必要になることがある

どんな人に合うか

後継者がいない方や、供養を管理者に任せたい方におすすめです。

4. 宗教・宗派の種類

お墓は宗教や宗派によって形式や制約が異なる場合があります。自身の信仰や価値観に合ったお墓を選ぶことが大切です。

宗教不問

特定の宗教や宗派に関係なく利用できるお墓です。家族に複数の信仰がある場合や、特定の宗教にこだわらない方に選ばれます。

費用相場

公営墓地や民営墓地と同様(10万円~100万円程度)

メリット

宗教や宗派を気にせず利用できる

多様なニーズに対応している

デメリット

宗教的な儀式を希望する場合、対応していない場合がある

どんな人に合うか

宗教に縛られない自由な形式を希望する方に向いています。

特定宗派専用

特定の宗教や宗派の教えに基づいて供養が行われるお墓です。

費用相場

50万円~150万円程度(寺院墓地の場合)

メリット

宗派の教えに沿った供養が可能

寺院や宗教施設が供養を行うため安心感がある

デメリット

宗派に属していないと利用できない場合がある

維持費用や寄付金が必要になる場合がある

どんな人に合うか

特定の宗教や宗派の教えを重視する方におすすめです。

無宗教

宗教的な儀式を行わず、自由な形式で供養を行うお墓です。

費用相場

20万円~100万円程度

メリット

宗教的なしきたりにとらわれず自由な供養が可能

家族の希望に合わせた形式を選びやすい

デメリット

一部の施設や墓地では無宗教の形式を受け入れていない場合がある

どんな人に合うか

宗教的な制約を避けたい方や、自由な供養を望む方に最適です。

5. 墓石の形の種類

墓石の形状やデザインも重要なポイントです。伝統的なスタイルから個性を表現したものまで、さまざまな選択肢があります。

和型墓石

縦型で、伝統的な日本の墓石の形状です。

費用相場

100万円~300万円程度

メリット

格式があり、伝統を重んじる家庭に適している

日本文化に根付いた馴染み深いデザイン

デメリット

デザインが固定的で、現代的なイメージを求める人には不向き

どんな人に合うか

伝統や格式を大切にしたい方に向いています。

洋型墓石

横型や低めのデザインが特徴で、シンプルで近代的な印象を与えます。

費用相場

80万円~200万円程度

メリット

モダンでおしゃれな印象

管理や清掃がしやすい

デメリット

和風の墓地には馴染みにくい場合がある

どんな人に合うか

現代的でシンプルなデザインを好む方に最適です。

デザイン墓石

故人の趣味や個性を表現したオリジナルデザインの墓石です。

費用相場

150万円~500万円程度(デザイン内容による)

メリット

個性を表現できる

世界に一つだけの墓石を作れる

デメリット

費用が高額になる場合がある

設置場所やデザインによっては許可が必要

どんな人に合うか

故人の個性を大切にしたい方や、特別なデザインを希望する方におすすめです。

お墓の相談先

お墓を選ぶ際には、専門家に相談することが重要です。以下のような相談先があります:

石材店

墓石のデザインや材質に関する相談が可能です。

寺院

寺院墓地や宗教儀式に関するアドバイスを受けられます。

葬儀会社

お墓だけでなく、供養や葬儀全般についてサポートを提供してくれます。

墓地管理者

墓地の使用条件や管理費用について相談できます。

まとめ

お墓を選ぶ際は、設置場所、形態、利用形態、宗教・宗派、墓石の形という5つの視点を基に、自分や家族の希望に合った最適な選択を行うことが重要です。専門家に相談することで、スムーズに手続きが進められます。

ぜひ、ご家族と話し合いながら、納得のいくお墓を選びましょう。

終活相続ナビでは、終活や相続全般に関わるご相談を承っています。ぜひこちらからお気軽にご相談ください。

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