
近年、少子高齢化や核家族化、ライフスタイルの変化により、「墓じまい」を選択する人が増えています。お墓を次の世代に継承することが難しくなったり、遠方にあるお墓の管理が困難になったりと、さまざまな事情が背景にあります。しかし、墓じまいは単なるお墓の撤去作業ではなく、法律や宗教上の手続きが必要であり、親族間での合意や費用の負担など、事前にしっかりと計画することが重要です。
本記事では、墓じまいの基本的な知識から具体的な手順、発生する費用、トラブル回避策までを徹底的に解説していきます。これから墓じまいを考えている方や、すでに進行中の方にとって、役立つ情報をわかりやすくまとめています。
「何から始めればいいのか分からない」「費用はどれくらいかかるのか心配」という方も、この記事を読むことで墓じまいに関する不安を解消し、スムーズに進めるためのヒントを得られるでしょう。
それでは、後悔のない墓じまいを実現するために、順を追って詳しく解説していきます。
墓じまいとは?基礎知識を解説
墓じまいの意味と背景
「墓じまい」とは、現在あるお墓を撤去し、遺骨を別の場所に移す「改葬」や、永代供養などの新しい供養方法に切り替えることを指します。お墓を更地に戻し、管理者に返還することも墓じまいの一環です。
日本では古くから、家族が代々お墓を受け継ぎ、先祖を供養する文化が根付いていました。しかし、近年は社会の変化により墓じまいを選ぶ家庭が増えています。その背景には以下のような事情があります。
少子高齢化と核家族化
子どもがいなかったり、子どもが遠方に住んでいたりするケースが増加し、お墓の管理が難しくなることが多くなっています。
お墓の老朽化と維持負担
長年放置されたお墓は老朽化が進み、修繕や維持費がかさみます。経済的な負担が大きくなるため、墓じまいを検討するケースが増えています。
お墓が遠方にある
都市部に住む人が、地方にあるお墓の管理を続けるのが難しいと感じ、よりアクセスしやすい場所への改葬を選択することもあります。
墓じまいと改葬の違い
「墓じまい」と「改葬」は似たような意味で使われることがありますが、実は厳密に言えば異なります。
墓じまい
お墓自体を撤去し、更地に戻す作業全体を指します。遺骨の移転だけでなく、墓石の撤去や工事、行政手続きも含まれます。
改葬
遺骨を現在のお墓から別の場所(納骨堂や永代供養墓、散骨など)に移すことをいいます。改葬を行うには、市区町村の役所に「改葬許可申請書」を提出し、許可証を取得する必要があります。
つまり、墓じまいは「お墓の撤去と遺骨の移動」を含む全体を指し、改葬はその中でも「遺骨の移転」に特化した部分です。
墓じまいを決断する前に考えること
墓じまいは、単なる手続きや工事ではなく、故人や先祖の供養に関わる大切な決断です。実施後に後悔しないためには、事前に慎重に検討することが不可欠です。ここでは、墓じまいを決断する前に考慮すべき重要なポイントを解説します。
親族・家族との話し合いの重要性
墓じまいは、家族や親族全員が納得しなければ進められない問題です。お墓は故人を供養する場所であり、家族の思いが深く関わるもの。突然決定してしまうと、後々トラブルの原因になることもあります。
事前に話し合うべきポイント
墓じまいの必要性についての認識の共有
なぜ墓じまいを行うのか、その理由を丁寧に説明し、全員の理解を得ることが大切です。「お墓の管理が困難」「後継者がいない」「費用的に維持が難しい」など、具体的な理由を示しましょう。
費用負担についての話し合い
墓じまいには数十万円から数百万円の費用がかかることもあります。誰がどのように負担するのかを事前に決めておきましょう。
供養の継続方法についての相談
遺骨をどこに移すのか、どのような形で供養を続けるのかについて、全員で意見を出し合いましょう。特に宗教的な考え方や家族の価値観は、しっかり共有しておくことが大切です。
お布施や離檀料の取り決め
お寺に属している場合、離檀料やお布施が発生します。相場や金額について事前に調べ、トラブルの原因とならないようにしましょう。
話し合いの際の注意点
・感情的にならないよう冷静に話し合う
・家族一人ひとりの意見を尊重する
・話し合いの結果はメモなどで記録を残す
費用負担の分担について
墓じまいには、さまざまな費用が発生します。これらを「誰がどのように負担するか」を明確に決めておくことが、後のトラブル回避につながります。
主な費用項目とその負担例
墓石の解体・撤去費用
費用の大部分を占めるのが墓石の撤去と解体工事費用です。相場は10万円〜50万円程度。
→ 負担方法の例:家族全員で均等に負担、または相続者が多めに負担するなど。
行政手続きにかかる費用
改葬許可申請や書類の取得費用は数千円〜1万円程度。
→ 負担方法の例:代表者がまとめて支払い、後から精算。
閉眼供養・お布施
僧侶による供養にはお布施が必要で、相場は3万円〜10万円ほど。
→ 負担方法の例:家族全員で均等負担する、主な施主が負担する。
新しい供養先の費用
永代供養墓、納骨堂、樹木葬など、選択する供養方法によって大きく異なります。
→ 負担方法の例:遺骨を管理する人が負担、または家族で相談。
費用負担に関するトラブル回避策
・事前に大まかな費用見積もりを共有する
・分割払いの可否なども含めて話し合う
・必要に応じて、専門家に相談する
墓じまい後の供養方法の選択肢
墓じまいの後、遺骨をどこでどのように供養するかを決めることが必要です。選択肢によって費用や管理方法が大きく異なるため、家族全員で納得できる方法を選びましょう。
永代供養墓
寺院や霊園が長期間にわたり遺骨を管理し、供養してくれる方法です。後継者がいない場合にも安心できる選択肢です。
メリット:管理の手間が不要、長期間にわたり供養される
納骨堂
室内に設置されている供養施設。天候に左右されずお参りができ、アクセスの良い都市部に多く存在します。
メリット:利便性が高く、お参りがしやすい
樹木葬
遺骨を自然に還す方法で、木の根元に埋葬されることが多いです。自然志向の方に人気があります。
メリット:自然に還るというコンセプトに共感する人に選ばれる
散骨
遺骨を粉骨にして海や山に撒く方法。法律や地域のルールに従って行われます。
メリット:自然との一体感を感じられる
手元供養
遺骨の一部を自宅で保管して供養する方法。手元に遺骨を置くことで、故人を身近に感じられます。
メリット:いつでも故人を感じられる安心感
選択時の注意点
・宗教的・法律的なルールに従うこと
・費用と維持管理のしやすさを考慮する
・家族全員が納得できる供養方法を選ぶ
墓じまいの基本的な手順と流れ
墓じまいは、単なるお墓の撤去作業ではなく、親族との話し合いから行政手続き、工事、供養まで多くの工程を経て進める必要があります。ここでは、墓じまいの基本的な手順と流れを詳しく解説します。

親族からの同意を得る
墓じまいを始める前に、まずは親族からの同意を得ることが必要です。お墓は家族にとって大切なもの。感情的な問題も絡むため、事前の話し合いが不可欠です。
同意を得るためのコツ
・複数回に分けて話し合い、時間をかけて納得を得る
・親族の意見をしっかりと聞き、尊重する
・事前に情報を収集し、合理的な提案をする
墓地管理者へ相談し許可を得る
親族間で同意が得られたら、次はお墓の管理者(霊園や寺院)へ相談します。墓じまいを進めるためには、管理者の許可が必要です。
管理者へ相談する際のポイント
墓じまいの意向を伝える
まずは墓じまいの意思を伝え、今後の流れについて相談します。
必要書類や手続きについて確認する
管理者によって手続きの流れや必要書類が異なる場合があるため、具体的な方法を確認します。
離檀料やお布施についても相談
寺院でお墓を管理している場合は、離檀料やお布施の金額についても事前に話し合っておきましょう。
新しい納骨先を決定する
墓じまいを行う際には、遺骨の移転先を事前に決めておく必要があります。新たな供養先は、遺族全員が納得できる場所を選びましょう。
供養先を選ぶ際のポイント
・親族の意向をしっかり確認する
・宗教的な背景も考慮する
・維持費やアクセスのしやすさも検討する
改葬許可証を取得する
墓じまいを進めるためには、役所から「改葬許可証」を取得する必要があります。これは法律で定められた必須の手続きです。
改葬許可証取得の流れ
改葬許可申請書の作成
現在の墓地管理者から「埋葬証明書」を発行してもらい、それを基に申請書を作成します。
新しい受け入れ先の証明書を取得
遺骨を受け入れる先(納骨堂や永代供養墓)から「受入証明書」を取得します。
申請書の提出
必要書類を揃え、現在の墓地がある市区町村の役所に申請します。
改葬許可証の発行
申請から数日〜数週間で改葬許可証が発行されます。
閉眼供養を行う
お墓から遺骨を取り出す前に、僧侶による「閉眼供養」を行う必要があります。これは、故人の魂をお墓から取り除く宗教儀式です。
閉眼供養の流れ
・事前に僧侶と日程を調整
・当日は遺族も立ち会い、供養を受ける
・お布施を渡す
お布施の相場は3万円〜5万円程度が一般的です。
遺骨の取り出し作業を実施
閉眼供養が終わったら、遺骨を丁寧に取り出します。取り出しは専門の業者や石材店に依頼するのが一般的です。
取り出しの注意点
・丁寧に扱い、遺骨が傷つかないようにする
・取り出し後は、新しい納骨先で速やかに供養する
墓石の解体・撤去と更地化
遺骨を取り出した後、墓石の解体・撤去工事を行います。この作業も専門の石材店に依頼するのが一般的です。
工事の流れ
・墓石の解体と撤去
・土地を更地に戻す作業
・管理者への土地返還
撤去費用は10万円〜50万円程度が目安となります。
新しい供養先での納骨と法要
最後に、新しい供養先に遺骨を納め、法要を行います。法要の形は宗派や供養方法によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
納骨と法要の流れ
・納骨堂や永代供養墓での納骨式
・僧侶による読経や祈祷
・お布施の準備(相場は3万円〜5万円)
墓じまいにかかる費用と相場を知る
墓じまいにはさまざまな費用が発生します。費用の総額は、墓地の立地や規模、供養方法、手続きの内容によって大きく異なります。ここでは、墓じまいに必要な主な費用項目と、その相場を詳しく解説します。
墓石撤去・解体の費用目安
墓じまいにおいて最も大きな費用がかかるのが、墓石の撤去・解体工事です。墓地を更地に戻すためには、石材店などの専門業者に依頼しなければなりません。
費用の目安
小規模な墓地(1㎡未満):10万円〜20万円程度
中規模の墓地(1〜3㎡):20万円〜50万円程度
大型の墓地(3㎡以上):50万円〜100万円程度
費用に影響する要素
墓地の立地
遠方や山間部など、撤去作業が難しい場所は費用が高くなる傾向があります。
墓石の大きさ・重さ
墓石が大きければ作業が難航し、費用が高くなります。
墓石の状態
古い墓石や、取り壊しに手間がかかる場合も費用が上がることがあります。
費用を抑えるためのポイント
・複数の業者から相見積もりを取る
・地元の業者に依頼することで、出張費用を節約できる
・工事の日程を柔軟に調整すると割引が受けられる場合も
改葬許可申請にかかる手数料
行政手続きに必要な改葬許可申請にも手数料が発生します。ただし、この費用は比較的少額で済む場合が多いです。
手数料の相場
1件あたり:数百円〜1,000円程度
一般的には1体の遺骨につき、1件の申請が必要
注意点
・申請手数料は自治体によって異なるため、事前に役所に確認する
・遠方の場合、郵送申請の際に送料がかかる場合がある
閉眼供養やお布施に必要な費用
墓じまいの際には、僧侶による閉眼供養を行うのが一般的です。この際に渡す「お布施」にも費用が発生します。
お布施の相場
・3万円〜5万円程度が一般的
・お寺によっては10万円程度を求められる場合も
お布施の他に必要な費用
・僧侶の交通費(遠方から来てもらう場合)
・お礼としての「御膳料」(5,000円〜1万円程度)
費用を抑えるポイント
・お寺によっては、相談によってお布施の金額が調整できる場合も
・事前に相場を確認し、納得したうえで依頼する
新しい供養先への納骨費用
墓じまいの後、遺骨をどこに納骨するかによって、かかる費用が大きく異なります。それぞれの供養方法の費用相場は以下の通りです。
供養方法ごとの費用相場
永代供養墓:10万円〜50万円
管理者が永続的に供養してくれるため、後継者がいなくても安心。
納骨堂:30万円〜100万円
都市部で利便性が高く、アクセスしやすい立地が多い。
樹木葬:10万円〜30万円
自然に還る形での供養を選ぶ方に人気。
散骨:5万円〜20万円
法律に準じて海や山に散骨する方法。
手元供養:1万円〜5万円
遺骨の一部を自宅で保管して供養する。
選択時のポイント
・家族の意向と費用のバランスを考える
・長期的な管理費が発生するかどうかも確認
・見学や資料請求をして比較検討する
離檀料やその他の費用に注意
寺院にお墓がある場合、檀家から外れる際に離檀料が必要になる場合があります。離檀料は明確な基準がないため、トラブルの原因となることもあります。
離檀料の相場
・10万円〜50万円程度
・お寺との関係や地域によって大きく異なる
その他にかかる可能性のある費用
法要の費用:法事や読経に伴う費用(3万円〜10万円程度)
書類の取得費用:証明書の発行手数料など(数百円〜1,000円程度)
遺骨の移動にかかる費用:業者への依頼料や交通費
費用トラブルを避けるポイント
・離檀料は事前に明確に相談し、納得した上で支払う
・見積もりを細かく取り、どの工程でいくらかかるのか把握する
・不明点があれば専門家に相談する
費用を抑えるための具体的な方法
墓じまいは、一般的に30万円〜200万円ほどの費用がかかるとされています。しかし、事前の準備や工夫次第で、費用を抑えることは可能です。ここでは、墓じまいの費用を少しでも安くするための具体的な方法をご紹介します。
複数の石材店で見積もりを取る
墓じまいの中で、最も大きな費用を占めるのが墓石の解体・撤去工事です。この工事費用は、依頼する業者によって大きく差が出るため、複数の石材店に見積もりを依頼することが重要です。
見積もりを取る際のポイント
3社以上から見積もりを取得する
相場を把握するためには、最低でも3社の見積もりを比較するのが理想的です。
見積もり内容を細かく確認する
「撤去費用」「更地に戻す費用」「運搬費用」など、各項目の費用が明確に記載されているか確認しましょう。
オプション費用が含まれていないか確認
不要なオプションが追加されていないかチェックし、不要なものは削除を依頼しましょう。
価格交渉も検討
他社の見積もりを参考に、値下げ交渉を行うのも一つの手段です。
費用を抑えられる理由
・業者ごとに工事費用が異なるため、最適な価格を選べる
・地元の石材店を選べば、出張費などのコストが抑えられる
補助金制度を利用する方法
一部の自治体では、墓じまいにかかる費用の一部を補助金として支援している場合があります。地域によって制度の有無や内容が異なるため、事前の調査が重要です。
補助金の対象となる費用
・墓石の解体・撤去費用
・改葬許可申請手数料
・新たな納骨先への移動費用
補助金の支給額の例
・一般的には5万円〜20万円程度
補助金の申請方法
・役所の担当窓口やホームページで、補助金制度の有無を確認
・申請書類を準備して提出(改葬許可証の写しや見積書などが必要)
・書類審査を経て、条件を満たせば補助金が支給される
注意点
・補助金には条件や制限があるため、事前に確認が必要
・予算の上限があるため、早めに申請することをおすすめします
墓じまいパックの活用
最近では、墓じまいに必要な手続きを一括で代行するパックサービスも提供されています。これを活用することで、個別に業者を手配するよりもコストを抑えられるケースがあります。
墓じまいパックに含まれるサービスの例
・改葬許可申請の代行
・墓石の解体・撤去工事
・閉眼供養の手配
・新しい納骨先への手続き代行
費用の相場
・20万円〜50万円程度が一般的
・すべての作業を個別に依頼するよりも10〜30%程度のコスト削減が可能
パックサービスを選ぶメリット
・煩雑な手続きをまとめて依頼できる
・個別に業者を探す手間が省ける
・総額での費用がわかりやすく、予算管理がしやすい
利用時の注意点
・含まれるサービス内容を事前にしっかり確認する
・不要なオプションが含まれていないか注意する
・追加費用の発生条件についても確認しておく
追加で検討すべき節約方法
オフシーズンに工事を依頼する
墓じまいの繁忙期(お盆や年末年始)を避けると、業者の料金が安くなる場合があります。
親族で分担して作業する
遺骨の運搬や一部の手続きを自分たちで行うことで、費用を抑えることが可能です。
契約前に細かく確認し、不要なサービスを省く
パックサービスの場合でも、自分でできる部分があればその分の費用を削減できます。
業者のキャンペーンを利用する
業者によっては割引キャンペーンを実施していることもあるため、最新の情報をチェックしましょう。
墓じまいで起こりやすいトラブルとその回避策
墓じまいは親族の感情や宗教的な慣習、さらには行政手続きなど多くの要素が絡むため、さまざまなトラブルが発生しやすいものです。トラブルを未然に防ぐためには、事前の準備と慎重な進め方が重要です。
ここでは、実際に起こりやすいトラブルの事例と、その回避策について詳しく解説します。
親族との意見の不一致を防ぐ方法
墓じまいで最も多いトラブルが、親族間の意見の不一致です。お墓は故人や家族の思いが込められた大切な場所であり、感情的な問題が発生しやすいのです。
主なトラブル事例
・一部の親族が墓じまいに反対する
・費用負担の配分について意見が合わない
・墓じまい後の供養方法で対立する
トラブル回避のポイント
事前に親族全員で話し合いの場を設ける
墓じまいを進める理由を明確に説明し、なぜ墓じまいが必要なのかを丁寧に伝えましょう。
書面での合意を取る
口頭だけでなく、書面での合意を取っておくと、後からのトラブルを防ぐことができます。
費用負担の配分を明確に決める
費用については公平性が大切です。分担の割合を明確に決め、後で揉めないようにしましょう。
専門家の意見を交える
意見がまとまらない場合は、葬祭業者や行政書士などの専門家に相談してみるのも効果的です。
墓地管理者やお寺とのトラブル回避法
墓じまいでは、お寺や霊園の墓地管理者とのトラブルも起こりやすいです。特に、寺院の場合は離檀料や供養に関する問題で揉めるケースが多くあります。
よくあるトラブル事例
・離檀料の金額で揉める
・書類の発行が遅れる
・閉眼供養の実施日が調整できない
トラブル回避のポイント
事前に丁寧な相談を行う
墓じまいの意思を早めに伝え、管理者の意見を聞きながら進めましょう。
離檀料の相場を事前に確認する
離檀料は「3万円〜50万円」程度が相場ですが、お寺によって異なるため、事前に確認と交渉をしておくと安心です。
丁寧な態度で交渉する
無理に価格交渉をするとトラブルになりやすいため、感謝の気持ちを伝えながら丁寧に話し合いましょう。
トラブルになった場合は専門家に相談
離檀料が高額で納得できない場合は、消費生活センターや弁護士に相談するのも一つの方法です。
信頼できる業者の選び方
墓じまいの際には、石材店や葬儀社などの業者に依頼することになりますが、業者選びを間違えると費用トラブルや作業トラブルが発生する可能性があります。
よくあるトラブル事例
・事前に提示された金額と請求額が異なる
・作業が雑で不満が残る
・必要のない追加工事を提案される
信頼できる業者を選ぶポイント
複数の業者から見積もりを取得する
費用の相場を把握するためには、最低でも3社以上から見積もりを取りましょう。
過去の実績を確認する
実績のある業者は、信頼度が高いです。口コミやネットでの評判も参考にしましょう。
見積もり内容を細かく確認する
どの作業にどのくらいの費用がかかるのか、明確に記載されているかを確認します。
契約書は必ず取り交わす
契約書があれば、トラブルが発生しても証拠として活用できます。
改葬手続きにおける注意点
墓じまいに伴い発生する行政手続きでは、書類の不備や提出漏れによって手続きが遅れることがあります。
よくあるトラブル事例
・改葬許可申請書の記入ミス
・必要書類の不足で手続きが遅れる
・役所の手続きに時間がかかる
トラブル回避のポイント
事前に必要書類をリストアップして準備する
必要書類は自治体によって異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
申請内容は慎重に記入する
記載ミスや漏れがあると再提出が必要になるため、丁寧に記入します。
余裕を持って申請する
特に繁忙期は役所の対応が遅くなるため、早めに手続きを行うことが重要です。
わからない場合は役所に相談する
手続きに不安がある場合は、役所の担当窓口で詳しく説明を受けましょう。
おわりに
墓じまいは、故人への敬意と今後の家族の生活を考えた上で行う、非常に大切な決断です。しかし、多くの手続きや親族との調整、費用の問題など、悩みや不安を抱える方も少なくありません。
この記事では、「墓じまいとは何か?」という基本的な知識から、具体的な手続きの流れ、費用の相場、トラブル対策、供養方法の選択肢まで、総合的に墓じまいの進め方を解説してきました。
墓じまいは、単なる「お墓の撤去作業」ではありません。故人への感謝と敬意を込めた、家族にとって大切な節目の行事です。だからこそ、家族全員でしっかりと話し合い、それぞれが納得できる形で進めることが大切です。家族の未来にとって最善の選択ができるよう、慎重に、そして丁寧に進めていきましょう。
この記事が、みなさまの墓じまいに少しでもお役に立てれば幸いです。
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