終活でも確認したい「休眠預金」とは?知らずに損をしないための基本知識

2024.10.29

    休眠預金とは、銀行口座を長期間使用しないことで発生する預金です。普段の生活で意識することは少ないかもしれませんが、10年以上取引のない預金は「休眠預金等活用法」に基づき、民間公益活動に活用されることがあります。この記事では、休眠預金の基本情報とその管理方法を、終活の観点からも詳しく解説します。

    休眠預金の定義

    休眠預金とは、銀行口座で10年以上にわたり取引がない預金のことを指します。2009年1月1日以降に最後の取引があってから10年以上の間、預け入れや引き出しといった「異動」がない預金は「休眠預金」として扱われます。これらの休眠預金は、普通預金や定期預金、定期積金などが対象であり、預金保険貯金保険の対象となるものが含まれます。ただし、財形住宅貯蓄やマル優口座、外貨預金などは対象外です​。

    「預金等」に当たるもの

    普通預金、定期預金、当座預金、定期積金など

    「預金等」に当たらないもの

    外貨預金、譲渡性預貯金、2007年10月1日(郵政民営化)以前に預けられた定額郵便貯金など

    休眠預金となった預金は預金保険機構に移管され、民間公益活動に活用されます。

    休眠預金を防ぐための管理方法

    休眠預金にならないためには、定期的な口座の確認が欠かせません。特に、10年という長い期間で「異動」がなければ休眠預金になってしまうため、通帳の記帳や残高確認などを定期的に行いましょう。 「異動」とは、預貯金者が取引の意志を示す動きを指します。例えば、通帳の記帳や口座の残高確認、振込などが該当しますが、利子の支払などは異動には該当しません​。 また、口座を放置することを避けるため、不要な口座は解約することも大切です。 さらに、通帳やキャッシュカードの所在を確認し、金融機関に登録している住所やメールアドレスが正確であるか確認することもポイントです。住所変更などが未届けのままだと、金融機関からの重要な通知が届かない場合があります​。

    休眠預金の確認と引き出し方法

    休眠預金になってしまった場合でも、慌てる必要はありません。休眠預金になった後も、引き続き金融機関で引き出すことは可能です。預金者本人や相続人が必要書類(通帳、キャッシュカード、本人確認書類など)を持参すれば、休眠預金の払い戻しができます​。 休眠預金の確認や引き出しについて不安がある場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。

    通帳やキャッシュカードを紛失しても、引き出しは可能

    本人確認書類を持参すれば、手続きが可能です。具体的な必要書類は、取引のあった金融機関に問い合わせると安心です。

    預金保険機構への移管後も引き出し期限はない

    休眠預金は移管された後も、引き続き引き出すことが可能です。金融機関に問い合わせて、必要な手続きを行いましょう。

    なお、引き出しには金融機関によって異なる手続きが必要であり、時間がかかることもあるため、余裕を持って対応することが大切です。また、現金での受け取りか元の口座での継続利用かは金融機関ごとに異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

    終活としての休眠預金管理

    終活を進める際、財産の整理は避けて通れない大事なテーマです。特に、休眠預金となっている口座が多く存在することは、後々の相続において遺族に負担をかける原因になりかねません。終活の一環として、以下のポイントを意識しましょう。

    口座情報の整理とリスト化

    多くの口座を持っていると、自分でも把握しきれなくなりがちです。まずはすべての銀行口座のリストを作成し、残高や取引の有無を確認することから始めましょう。このリストは、家族や信頼できる人にも伝えておくと、万が一の場合に役立ちます。

    定期的な口座の確認

    終活では、定期的に各口座をチェックする習慣をつけることが重要です。例えば、年に一度でも通帳を記帳する、オンラインバンキングを活用して残高を確認するなど、口座の動きを定期的に記録しておくとよいでしょう。

    不要な口座の解約

    若い頃に開設した口座や、過去の給与振込口座がそのまま残っていませんか?使わなくなった口座は整理して解約し、シンプルな預金管理を目指しましょう。こうすることで、将来的な混乱を防ぎ、残された家族も安心です。

    まとめ

    休眠預金は、知らずに放置してしまうと、後々の財産管理や相続の際に問題を引き起こすことがあります。定期的な確認や整理を怠らず、使わない口座は解約することで、休眠預金のリスクを避けましょう。また、終活の一環として、家族に預金情報を共有しておくことで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。 (参照:https://www.fsa.go.jp/policy/kyuminyokin/kyuminyokin.html、金融庁「休眠預金等活用法 Q&A」)

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