【完全ガイド】葬儀の種類とは?形式ごとの特徴や費用・選び方を徹底解説!

【完全ガイド】葬儀の種類とは?形式ごとの特徴や費用・選び方を徹底解説!

公開日: 2024.4.19     更新日: 2025.2.14

葬儀は、大切な人との最後のお別れの場であり、故人を偲び、感謝を伝える大切な儀式です。しかし、近年は葬儀のスタイルが多様化しており、「どの形式を選べばよいのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか?

従来の一般葬に加え、家族葬や直葬、樹木葬や海洋葬など、新しい葬儀の形も増えてきています。また、宗教や費用、参列者の範囲などによっても最適な形式は異なります。

この記事では、それぞれの葬儀の種類や特徴、メリット・デメリット、選び方のポイント について詳しく解説します。事前に知識を身につけることで、もしものときに落ち着いて最適な選択ができるようになるはずです。大切な人との最期の時間を、後悔のない形で迎えるために、ぜひ参考にしてください。

葬儀の種類に関する基礎知識

葬儀の種類を知ることの重要性

葬儀は、故人を見送り、遺族や友人が最後のお別れをする大切な儀式です。しかし、ひとくちに「葬儀」と言っても、その種類や形式は多岐にわたり、宗教や文化、地域によって大きく異なります。

葬儀の種類を知ることは、以下のようなメリットをもたらします。

故人の意志を尊重できる

近年は「自分の葬儀はこうしたい」という希望を生前に持つ方が増えています。事前に葬儀の種類を知っておけば、故人の意志に沿った形で送り出すことができます。

遺族の負担を軽減できる

葬儀には、費用や準備にかかる労力が伴います。事前に種類を把握しておくことで、無理のない範囲で適切な葬儀を選ぶことができます。

適切な選択ができる

「一般葬」や「家族葬」など、形式によって参列者の範囲や儀式の流れが異なります。それぞれの違いを理解しておくことで、状況に応じた最適な選択が可能になります。

現代の葬儀の多様化と選択肢の増加

昔ながらの伝統的な「一般葬」が主流だった時代から、現代ではより多様な葬儀形式が選ばれるようになってきました。その背景には、社会の変化やライフスタイルの変遷が大きく関係しています。

現代の葬儀が多様化している主な理由

核家族化の進行

かつては親族が一堂に会し、大規模な葬儀を行うことが一般的でした。しかし、核家族化が進む中で、参列者を限定した「家族葬」や「一日葬」が増えています。

費用面の負担軽減

一般葬は数百万円の費用がかかることもあります。経済的な事情から、よりシンプルな「直葬(火葬式)」などを選ぶ家庭が増えています。

宗教観・価値観の変化

仏教式の葬儀が主流だった日本でも、近年は無宗教葬や自由葬を選ぶ人が増えています。音楽を取り入れたり、個性的な演出を加える「音楽葬」なども広まりつつあります。

新しい葬儀スタイルの登場

「樹木葬」や「海洋葬」といった自然葬、さらには「宇宙葬」のような革新的な葬儀方法も登場し、多様な選択肢が生まれています。

これから葬儀を考える際は、これらの変化を踏まえ、最適な形を選ぶことが大切です。

基本的な葬儀の種類

葬儀の種類には、伝統的なものからシンプルなものまでさまざまな形式があります。ここでは、基本的な4つの葬儀の特徴や流れを詳しく解説します。

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一般葬とは? 〜伝統的な葬儀の特徴と流れ〜

一般葬は、従来から行われている最も一般的な葬儀形式で、家族・親族だけでなく、友人や仕事関係者など、多くの人が参列するスタイルです。

一般葬の流れ

1. 通夜(つや)

亡くなった翌日または翌々日に行われることが一般的です。親族や友人が集まり、僧侶による読経や焼香を行い、故人と最後の夜を過ごします。

2. 葬儀・告別式

葬儀では、僧侶による読経、弔辞の朗読、参列者の焼香などが行われます。告別式では、故人とお別れをする時間が設けられます。

3. 出棺・火葬

棺に故人の愛用品や花を入れ、火葬場へ向かいます。遺族は火葬場で最後のお別れをし、火葬後に遺骨を拾い上げます(収骨)。

4. 精進落とし(食事会)

葬儀後、参列者や親族とともに食事をし、故人を偲ぶ場を設けます。

✅ メリット

・形式が確立されており、安心して進められる。

・多くの人が参列できるため、故人を広く偲ぶことができる。

❌ デメリット

・参列者が多いため、準備や手配の負担が大きい。

・費用が比較的高額になりがち。

家族葬とは? 〜小規模で温かいお別れ〜

家族葬は、親族や親しい友人のみが参列する、比較的小規模な葬儀です。形式は一般葬とほぼ同じですが、規模が小さい分、落ち着いた雰囲気の中で故人を送り出すことができます。

✅ メリット

・親しい人だけでお別れができ、精神的な負担が少ない。

・費用を抑えられる。

❌ デメリット

・参列を希望する友人や仕事関係者が参列できない場合がある。

一日葬とは? 〜通夜を省略したシンプルな葬儀〜

一日葬は、通夜を行わず、葬儀・告別式を1日で完結させる葬儀です。仕事の関係で時間を取るのが難しい方や、葬儀の負担を軽減したい方に選ばれています。

✅ メリット

・費用や時間の負担が少ない。

・遠方の親族が参加しやすい。

❌ デメリット

・故人との最後の夜を過ごす時間がない。

直葬(火葬式)とは? 〜儀式を省いた火葬のみの葬儀〜

直葬(火葬式)は、通夜や告別式を行わず、火葬のみを行うシンプルな葬儀です。

✅ メリット

・費用が最も安価。

・準備の負担が少ない。

❌ デメリット

・形式的な儀式がないため、後々後悔することもある。

特殊な葬儀の種類

葬儀には、一般的な「一般葬」や「家族葬」などのほかに、特定の目的や事情に応じた「特殊な葬儀」も存在します。企業や団体が主催するもの、生前に自ら執り行うもの、火葬後に改めて行うものなど、さまざまな形式があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

社葬とは? 〜企業が主催する葬儀の特徴〜

社葬(しゃそう)は、企業や団体が主催し、故人を弔うための大規模な葬儀のことを指します。会社の創業者や経営者、または特に功績のあった社員が亡くなった際に執り行われることが多く、取引先や関係者、従業員が参列します。

・一般葬よりも規模が大きく、数百人〜数千人が参列する場合もある。

・企業が葬儀費用を負担し、遺族の負担を軽減する。

・故人の業績や功績を称えるスピーチや映像上映が行われることがある。

・通常の葬儀とは異なり、ビジネスマナーに沿った弔問対応が求められる。

社葬の流れ

1. 社葬の準備

・遺族と企業の間で話し合い、日程や形式を決定。

・取引先や関係者に訃報を通知する。

2. 社葬の実施

・企業代表や関係者の弔辞、故人の功績紹介。

・一般の葬儀と同様に、読経や献花、焼香が行われることが多い。

3. 社葬後の対応

・返礼品の送付、弔問客へのお礼。

・企業の広報活動として、故人の業績を社内報やホームページで紹介する。

✅ メリット

・遺族の金銭的負担を軽減できる。

・故人の功績を社内外に伝えることができる。

❌ デメリット

・企業側の準備負担が大きい。

・参列者が多く、進行管理が難しい。

合同葬とは? 〜複数の主催者が行う葬儀の形〜

合同葬(ごうどうそう)は、複数の主催者が共同で行う葬儀のことです。主に以下のようなケースで執り行われます。

社葬と家族葬を兼ねる場合

遺族と企業が共同で葬儀を行い、参列者の負担を軽減する。

複数の故人を同時に弔う場合

事故や災害で亡くなった方々を一緒に供養する葬儀。

同じ団体・組織の関係者をまとめて弔う場合

組織内で複数の関係者が亡くなった際に、合同で行うことがある。

✅ メリット

・一度に多くの関係者が参列できるため、個別に行う負担を軽減できる。

・遺族と企業・団体が協力することで、費用を抑えることができる。

❌ デメリット

・参列者の範囲が広がり、個別の弔問がしづらくなる。

・意思決定に関わる関係者が多いため、調整に時間がかかる。

密葬とは? 〜本葬前に行う非公開の葬儀〜

密葬(みっそう)は、遺族や親しい親族のみで執り行う小規模な葬儀のことです。一般の葬儀の前に行われ、後日「本葬」や「社葬」を改めて執り行うケースが多く見られます。

・葬儀の日時や場所を公にせず、少人数で行う。

・メディアや一般の参列者を招かない。

・葬儀の後、故人の遺族や関係者が集まる本葬を実施することが多い。

✅ メリット

・遺族が落ち着いて故人と向き合える。

・余計な手続きや対応に追われず、シンプルに葬儀を行える。

❌ デメリット

・友人や知人が故人と最後の別れをする機会を失う。

・本葬と二度行う場合、準備の手間が増える。

骨葬とは? 〜火葬後に行う葬儀の形式〜

骨葬(こつそう)は、火葬を先に行い、遺骨を用いて執り行う葬儀のことです。

・遺体ではなく遺骨を前にして葬儀を行う。

・火葬場の予約が取りづらい地域や、葬儀を急いで行う必要がある場合に選ばれる。

生前葬とは? 〜生きている間に自ら行う葬儀〜

生前葬(せいぜんそう)は、本人が存命中に自らの葬儀を執り行う形式です。

・本人が主催し、自由な形式で行われる。

・家族や友人と直接感謝を伝え合う場として活用される。

・形式にとらわれず、パーティー形式や音楽葬として行われることもある。

お別れ会・偲ぶ会とは? 〜宗教色を排除した自由な形式〜

お別れ会・偲ぶ会は、宗教儀礼を伴わず、自由な形式で故人を偲ぶ会です。一般的な葬儀とは異なり、食事会やスピーチを中心に進行することが多い。

・宗教儀礼なしで、気軽に参加できる。

・故人の思い出を語り合う場として設けられる。

・レストランやホテルで開催されることが多い。

自然葬・新しい葬儀の種類

近年、葬儀の形は多様化しており、自然環境に配慮した「自然葬」や、個人の価値観に合わせた「新しい葬儀スタイル」が増えています。これらの葬儀は、伝統的な儀式を簡素化したり、個性的な演出を加えたりすることで、故人の希望や家族の想いを尊重する形式となっています。ここでは、自然に還る埋葬方法から宇宙葬まで、現代的な葬儀の種類を詳しく紹介します。

樹木葬とは? 〜自然に還る埋葬方法〜

樹木葬(じゅもくそう)は、墓石の代わりに樹木を墓標とし、遺骨をその周囲に埋葬するスタイルの葬儀です。従来の墓地とは異なり、自然に溶け込む形で故人を偲ぶことができます。

自然に還る埋葬方法

墓石を使わず、木の下や花畑に遺骨を埋める。

維持管理が不要

従来の墓地と異なり、草むしりや掃除の手間が少ない。

費用が比較的安価

墓石を建てる費用が不要なため、一般的な墓地よりもコストを抑えられる。

樹木葬の種類

シンボルツリー型:1本の大きな木の下に複数の遺骨を埋葬する。

個別区画型:それぞれの遺骨ごとに小さな木を植える。

共同埋葬型:特定の場所に複数の遺骨を一緒に埋葬する。

✅ メリット

・環境に優しく、自然と一体化できる。

・維持管理の手間が少なく、墓じまいの心配が不要。

・従来の墓石に比べて、比較的安価な費用で埋葬できる。

❌ デメリット

・一般的な墓地と違い、故人の遺骨を特定しづらい場合がある。

・遺族によっては「墓石がないこと」に抵抗を感じることも。

・すべての地域で提供されているわけではなく、選択肢が限られる。

海洋葬(海洋散骨)とは? 〜海に還る葬送方法〜

海洋葬(かいようそう)とは、遺骨を粉末状にし、海に撒く葬儀のことです。散骨することで、故人を自然の一部として送り出すという考え方に基づいています。

・船に乗って海上で散骨する

・宗教儀礼を伴わない場合が多い

・火葬後の遺骨を粉末化してから撒く

海洋葬の種類

個別散骨:遺族のみで船をチャーターし、故人を見送る。

合同散骨:複数の家族が同じ船に乗り、共同で散骨を行う。

代行散骨:遺族が立ち会わず、専門業者に依頼して散骨を行う。

✅ メリット

・お墓を必要とせず、管理費用がかからない。

・自然に還る葬儀として環境負荷が少ない。

・故人の好きだった海で眠ることができる。

❌ デメリット

・遺族が故人の遺骨に直接手を合わせることができない。

・天候に左右されるため、実施が延期されることもある。

・法律上、一定のルールを守る必要がある(海洋散骨は沿岸から一定の距離を保つなどの規制がある)。

宇宙葬とは? 〜遺骨を宇宙へ送る新しい形〜

宇宙葬(うちゅうそう)は、遺骨の一部をカプセルに入れ、ロケットで宇宙空間に送り出す新しいスタイルの葬儀です。宇宙に散骨するわけではなく、宇宙空間を旅した後、カプセルが地球へ戻るものや、大気圏で燃え尽きるタイプがあります。

・遺骨の一部のみを宇宙へ送るため、通常の埋葬と併用できる。

・故人を宇宙へ旅立たせるというロマンあふれる葬儀方法。

・費用は比較的高額で、100万円以上かかることが多い。

宇宙葬の種類

地球周回軌道葬:遺骨を地球の周回軌道に送り、数年間宇宙を回った後、大気圏で燃え尽きる。

月面葬:遺骨をカプセルに入れ、月面に着陸させる。

深宇宙葬:遺骨を地球の重力圏外へ送り、永遠に宇宙を漂わせる。

✅ メリット

・故人の願いや夢を叶えられる。

・一部の遺骨だけを送るため、他の葬儀と併用できる。

・他にない特別な葬儀として注目される。

❌ デメリット

・費用が非常に高額である。

・実施できる企業や国が限られている。

・故人の遺骨が宇宙へ行くことに対して、家族の賛同が得られない場合がある。

葬儀の規模や費用で考える種類

葬儀を選ぶ際に重要な要素の一つが、「規模」と「費用」です。家族葬のような小規模な葬儀を希望するのか、それとも社葬のような大規模な葬儀を選択するのかによって、準備や必要な費用が大きく異なります。また、葬儀には式の内容に応じたさまざまな費用がかかるため、事前に相場を理解しておくことが大切です。ここでは、小規模な葬儀と大規模な葬儀の特徴、そして葬儀の種類ごとの費用相場について詳しく解説します。

小規模な葬儀

小規模な葬儀とは、主に家族や親しい友人だけが参列し、シンプルな形式で執り行われる葬儀を指します。参列者の数が少ないため、落ち着いた雰囲気の中で故人を見送ることができます。また、費用を抑えることができるのも特徴です。

葬儀の種類

参列者

特徴

費用相場

家族葬

10〜30人程度

家族や親しい友人のみで行う一般的な小規模葬儀

50万〜150万円

密葬

10人以下

公開しない非公開の葬儀。後日本葬を行うことが多い

30万〜100万円

直葬(火葬式)

ほぼなし

通夜や告別式を行わず、火葬のみを実施

10万〜30万円

✅ メリット

・親しい人だけで静かにお別れができる。

・費用を抑えられる。

・形式に縛られず、自由な葬儀が可能。

❌ デメリット

・参列を希望する人がいても、招待できない場合がある。

・葬儀後に弔問を希望する人が訪れることがあり、対応が必要になることも。

大規模な葬儀

大規模な葬儀は、故人の家族だけでなく、親族、友人、仕事関係者など、幅広い層の人々が参列する葬儀のことを指します。伝統的な一般葬のほか、企業が主催する社葬や合同葬などもこのカテゴリーに含まれます。

葬儀の種類

参列者

特徴

費用相場

一般葬

50〜200人

最も一般的な葬儀形式で、親族や友人、仕事関係者が参列

150万〜300万円

社葬

100〜1000人

企業が主催し、取引先や従業員も参列する葬儀

300万〜1000万円

合同葬

50〜500人

家族と企業が共同で行う葬儀

200万〜800万円

✅ メリット

・多くの人が故人と最後のお別れができる。

・社会的なつながりを大切にした形式で行える。

・故人の功績を広く称えることができる。

❌ デメリット

・準備や手続きに時間と労力がかかる。

・費用が高額になりがち。

・参列者の対応に追われるため、遺族がゆっくり故人を偲ぶ時間が取りにくい。

葬儀の種類別の費用相場

葬儀費用は、式の規模や形式、地域によって異なりますが、ここでは代表的な葬儀の費用相場を詳しく比較してみましょう。

葬儀の種類

費用相場

含まれる主な費用

直葬(火葬式)

10万〜30万円

火葬費用、遺体搬送費、納棺費用

家族葬

50万〜150万円

通夜・告別式費用、祭壇、飲食接待費

一般葬

150万〜300万円

斎場費用、僧侶への謝礼、返礼品

社葬・合同葬

300万〜1000万円

会場設営費、企業関係者の接待費用

葬儀費用を抑えるためのポイント

・事前に葬儀社と相談し、見積もりを確認する

・不要なオプションを削減し、必要最低限のプランを選ぶ

・火葬場の公営施設を利用することで、コストを抑える

・家族葬や直葬など、小規模な葬儀を選択する

まとめ

葬儀は、故人を見送り、残された家族や親しい人々が心の整理をつける大切な儀式です。しかし、葬儀にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。宗教や価値観、家族の希望、経済的な事情などを考慮し、最適な形式を選ぶことが重要です。

どの形式を選ぶにせよ、故人にとって最もふさわしい形で葬儀を執り行うことが大切です。しっかりと準備を整え、後悔のないお別れをしましょう。

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