自分で納骨を考えている方へ:メリット・デメリットと注意点

自分で納骨を考えている方へ:メリット・デメリットと注意点

公開日: 2024.10.18     更新日: 2024.10.25

納骨は、故人の遺骨をお墓や納骨堂に安置する重要な儀式です。多くの場合、僧侶や専門業者に依頼して行いますが、費用を抑えたり、家族だけで静かに見送りたいと考える方の中には、自分で納骨を行う選択をする人もいます。この記事では、自分で納骨を行う際の流れや注意点、業者に依頼する場合の費用相場などを詳しく解説します。

1. 自分で納骨を行うメリット

自分で納骨を行うことには、以下のようなメリットがあります。

1.1. 費用を抑えられる

専門業者や寺院に依頼する場合、宗教儀式や手数料がかかりますが、自分で行うことでその費用を抑えることが可能です。

1.2. スケジュール調整が容易

納骨の日程を家族の都合に合わせて柔軟に調整できるため、家族全員が集まりやすくなります。

1.3. プライバシーが保たれる

外部の関与が少なく、家族や親しい人だけで故人を静かに見送ることができ、ゆっくりとした時間を過ごすことが可能です。

2. 自分で納骨を行うデメリット

一方で、自分で納骨を行うことには次のようなデメリットもあります。

2.1. 法的手続きが煩雑

埋葬許可証や改葬許可証といった書類の手続きが必要で、これらを自分で管理しなければならず、慣れていない場合は負担に感じることがあります。

2.2. 技術的な問題

墓石の開閉や遺骨の取り扱いには専門的な知識が必要です。不適切に行うと、墓石の破損や遺骨の損傷などのトラブルを引き起こすリスクがあります。

2.3. 慣れない作業による負担

納骨は心身に負担がかかる作業です。特に心理的なプレッシャーを感じることもあるため、準備や手続きに不安がある場合は注意が必要です。

2.4. 宗教儀式の欠如

宗教的な儀式が省略されることがあり、故人や家族が宗教的供養を重視している場合には、専門家による儀式を欠かすことは不足感を生むかもしれません。

3. 自分で納骨を行う際の基本的な流れ

自分で納骨を行う際は、次のような流れで進めます。

3.1. 墓地や納骨堂の確認

まず、納骨先の墓地や納骨堂が自分で納骨可能な場所かを確認しましょう。事前に管理者に問い合わせ、規則を確認します。

3.2. 納骨のための準備

骨壺の準備や、墓石の開閉が必要な場合には石材店に依頼するなど、必要な準備を整えます。

3.3. 納骨日程の調整

家族の予定に合わせて納骨の日程を決め、納骨先の管理者にも連絡し、スケジュールを確定します。

3.4. 納骨の実施

遺骨を墓地や納骨堂に安置し、家族とともに故人を見送りながら静かな時間を過ごします。献花やお祈りをするのも一般的です。

4. 自分で納骨する場合に必要な書類や手続き

自分で納骨を行う際には、以下の書類や手続きが必要です。事前にしっかり準備しましょう。

4.1. 埋葬許可証

遺骨を納めるために市区町村の役所で取得する必要があります。これは火葬後に役所で発行され、納骨時に必要です。

4.2. 墓地使用許可証

納骨先の墓地や納骨堂の使用許可証が必要です。納骨する場所が正式に使用許可を受けているか、管理者に確認しておきましょう。

4.3. 改葬許可証(移動する場合)

遺骨を別の墓地や納骨堂に移す場合は、「改葬許可証」を役所で取得する必要があります。改葬を希望する際は、事前に手続きを行ってください。

5. 自分で納骨する際の注意点

自分で納骨を行う際には、次の3つの点に特に注意が必要です。

5.1. 親族としっかり話し合う

納骨は家族や親族にとって重要な儀式です。事前に親族とよく話し合い、全員が納得したうえで納骨の方法や日程を決定することが大切です。特に宗教的な儀式の有無や、どのような形で納骨を行うかについて、意見を調整しましょう。

5.2. 霊園に事前に許可を得る

自分で納骨が可能かどうかは、霊園や納骨堂の規則によります。事前に管理者に連絡し、必要な許可を得ることが重要です。場合によっては、管理者の立会いや特定の手続きが必要なこともあるため、確認を怠らないようにしましょう。

5.3. 墓石の取り扱いに注意する

墓石の開閉や移動は専門的な技術を要することがあります。無理に自分で行うとして、墓石が破損してしまうと、思わぬところで費用がかかってしまうリスクがありますので、必要に応じて石材店に依頼しましょう。安全に作業を進めるためにも、専門家に頼む方が安心です。

6. 納骨を業者に依頼する際の費用相場

納骨を専門業者に依頼する場合、相場は5万円から11万円程度です。この費用には、遺骨の納骨作業や墓石の開閉、宗教的な儀式が含まれることが多いです。費用の内訳は、依頼する内容によって異なるため、事前に確認しておきましょう。業者に依頼することで手続きや作業の負担が軽減され、スムーズに納骨を進めることができます。

7. 専門業者と自分で納骨の違い

専門業者に依頼する場合

・手間がかからない:手続きや作業をすべてプロが行うため、負担が軽減されます。

・宗教儀式を確実に行える:僧侶や牧師が正式な宗教儀式を執り行い、安心して納骨を進められます。

・安心感:プロが対応するため、手続きや作業に不安がなく、トラブルを避けられます。

自分で納骨を行う場合

・費用を抑えられる:業者に依頼する費用が不要となるため、経済的な負担が軽減されます。

・自由度が高い:家族の都合に合わせて、個別の儀式や日程を調整でき、プライベートな空間で故人を送ることが可能です。

まとめ

自分で納骨を行う選択には、費用を抑えられる、自由な儀式ができるといったメリットがありますが、法的手続きや技術的な注意点も多くあります。特に、親族としっかり話し合うことや、霊園に事前に許可を得ること、そして墓石の取り扱いに注意することが重要です。納骨は故人にとって大切な儀式であり、適切に行うためには準備が欠かせません。

また、納骨を業者に依頼する場合は、相場が5万円から11万円程度となっており、専門的なサポートを受けながら安心して納骨を行うことができます。特に宗教儀式や書類手続きの負担を軽減したい場合には、業者に依頼することがスムーズな選択肢です。

お金がないなど特別な事情がない限り、納骨は大切な儀式ですので、手続きの負担や心理的な負荷を考慮して、専門業者に依頼する方が安心できる選択肢となるでしょう。

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