香典返しのタイミングは四十九日後?宗教別の違いと注意点を解説

2025.3.6

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葬儀後、香典をいただいた方々へ感謝の気持ちを伝える「香典返し」。しかし、「いつ送るのが正しいのか」「どのような品物を選べばよいのか」「宗教によって違いがあるのか」など、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 香典返しには、宗教ごとのルールや地域による違いがあり、正しいマナーを理解しておくことが大切です。また、品物選びや挨拶状の書き方にも注意が必要で、適切に手配しないと失礼にあたることもあります。 本記事では、香典返しの基本的なルールやマナー、贈るタイミング、品物の選び方、挨拶状の書き方まで、詳しく解説します。初めて香典返しを準備する方でも安心できるよう、具体例を交えながら分かりやすくまとめています。 ぜひ最後までお読みいただき、正しい香典返しの知識を身につけてください。

香典返しとは?

香典返しの意味と目的

香典返しとは、葬儀の際にいただいた香典に対するお礼の品を指します。日本の弔事における重要な習慣のひとつであり、主に以下のような目的があります。 ・故人への供養 参列者が香典を通じて故人を偲んでくれたことへの感謝を表す意味があります。 ・葬儀での支援に対する感謝の気持ち 香典は遺族の経済的負担を軽減する目的もあるため、いただいた方へ何らかの形でお礼をするのが一般的です。 ・「忌明け(きあけ)」を迎えたことの報告 仏教では四十九日、神道では五十日祭を終えることで喪が明けるとされ、香典返しはこの節目に行われることが多いです。

香典返しの歴史

香典返しの風習は、古くから日本の葬儀文化の中で受け継がれています。 もともと、日本では弔問者が持ち寄った供物(米や酒、塩など)を、葬儀の後に遺族が分配してお返しする習慣がありました。これが「香典返し」の原型となっています。 江戸時代以降、都市部では金銭を香典として渡す習慣が定着し、それに伴い、香典返しも品物を贈る形へと変化しました。特に仏教の葬儀では、「忌明け」を迎えたことを示す意味もあり、四十九日後に香典返しをするのが一般的になりました。 現在では、香典返しの品物として「消えもの(使ってなくなるもの)」を選ぶことが一般的であり、お茶や海苔、洗剤、タオルなどが広く選ばれています。これは、「不幸が続かないように」という意味合いが込められたものです。

香典返しが必要な場合と不要な場合

香典返しは基本的に、香典を受け取ったすべての人に対して贈るものですが、一部例外的に不要とされるケースもあります。

香典返し ケース

香典返しが必要なケース ・一般の弔問客から香典を受け取った場合 ・会社関係者や知人など、故人と直接の関係があった方からの香典を受け取った場合 ・遠方から参列し、香典のみをいただいた場合 香典返しが不要なケース ・香典を辞退している場合 事前に「香典は辞退します」と案内していた場合、香典返しを準備する必要はない。 ただし、辞退を伝えていたにもかかわらず香典を受け取った場合は、その分の香典返しを行うのが礼儀とされる。受け取った金額に応じて、通常の香典返しと同様に「半返し」を目安に品物を贈るとよい。 ・会社や団体からまとめていただいた香典の場合 会社の社員一同として香典をいただいた場合は、代表者にお礼を伝え、お礼状を送るだけで済ませることが多い。 ・香典そのものが発生しない場合 直葬や火葬式など、ごく限られた関係者のみで執り行う場合は、香典のやり取り自体が発生しないことがある。 香典返しを準備する際には、これらのケースを考慮しながら、適切に対応することが重要です。

「宗教別」香典返しのタイミング

香典返しを贈るタイミングは、宗教や宗派によって異なります。しかし、基本的には「忌明け」を迎えた後に贈るのが一般的です。 ここでは、主な宗教ごとの忌明けと、統一した香典返しのタイミングについて詳しく解説します。

仏教の場合

忌明け:四十九日法要後 仏教では、故人が亡くなった日から数えて四十九日目に「四十九日法要(忌明け法要)」を行い、これをもって忌明けとします。 この法要が終わると、故人の魂が仏の元へ旅立つとされるため、香典返しはこの四十九日法要後、1か月以内に贈るのが適切です。 宗派による違い

宗派忌明けの考え方香典返しのタイミング
浄土宗・曹洞宗・天台宗・真言宗など亡くなってから四十九日後に忌明け四十九日法要後、1か月以内
浄土真宗亡くなった直後に成仏すると考えるため、忌明けの概念がない初七日法要後、1か月以内

地域によっては、四十九日を待たずに三十五日(35日目)や初七日(7日目)で忌明けとする場合もあります。その場合も、地域の習慣や菩提寺の指導に従い、忌明け後1か月以内に香典返しを贈るのが望ましいでしょう。

神道の場合

忌明け:五十日祭後 神道では、仏教の「四十九日法要」にあたるものが「五十日祭」です。 故人が亡くなってから数えて五十日目に「五十日祭」を行い、これをもって忌明けとします。 したがって、香典返しは五十日祭の後、1か月以内に贈るのが適切です。 また、香典返しの表書きには仏教の「志」ではなく、「偲び草」や「奉献」と書くのが一般的です。 神道の忌明けの流れ 1.十日祭(亡くなって10日目) 2.二十日祭(亡くなって20日目) 3.三十日祭(亡くなって30日目) 4.五十日祭(亡くなって50日目・忌明け) 5.百日祭(亡くなって100日目・弔い上げ) 五十日祭の後に「清祓(きよはらい)」という儀式を行い、忌明けを迎えますが、香典返しはその後1か月以内に贈るのが適切です。

キリスト教の場合

忌明け:カトリックは「追悼ミサ」後、プロテスタントは「召天記念日」後 キリスト教には本来、「香典返し」の習慣はありませんが、日本では仏教の影響を受け、香典返しを行うことがあります。

キリスト教の宗派忌明けの時期香典返しを送るタイミング
カトリック亡くなった日から30日目(追悼ミサ)追悼ミサ後、1か月以内
プロテスタント亡くなった日から1ヶ月目(召天記念日)召天記念日後、1か月以内

カトリックでは「死者のための追悼ミサ」を、プロテスタントでは「召天記念日」の礼拝を行い、これを一区切りとします。 香典返しの表書きは、「志」ではなく「偲び草」「記念」とするのが一般的です。

香典返しを贈るのが遅れた場合

香典返しは、基本的に忌明け後1か月以内に送るのがマナーですが、事情によっては遅れてしまうこともあります。 もし遅れてしまった場合は、「遅くなりましたが」と一言添えて、お礼状とともに贈るようにしましょう。 例文(遅れた場合のお礼状の一文) 先日はご丁寧なご厚志を賜り、誠にありがとうございました。 事情によりお礼が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。 ささやかではございますが、感謝のしるしとして心ばかりの品をお送りさせていただきます。 何卒ご容赦いただきますようお願い申し上げます。

当日に香典返しをする場合もある?

香典返しは通常、忌明け後に贈るものですが、最近では葬儀当日に香典返しを渡す「当日返し(即日返し)」という方法を選ぶケースも増えています。 ここでは、「当日返し」のメリット・デメリット、どのような場合に適しているのかを解説します。

1. 当日返し(即日返し)とは?

「当日返し(即日返し)」とは、葬儀や通夜の際に香典をいただいたその場で、お礼の品を直接お渡しする方法です。 これは、主に以下の理由から広まったといわれています。 当日返しが広まった背景 ・葬儀後の遺族の負担を減らすため ・遠方からの参列者が多く、後日改めて送るのが難しいため ・近年の「簡素化」の流れに沿っているため 当日返しの場合でも、後日改めて挨拶状を送ることで、感謝の気持ちをより丁寧に伝えることができる。

2. 当日返しを選ぶメリット・デメリット

メリット ・遺族の負担を軽減できる → 葬儀後に個別に香典返しを手配する手間が省ける。 ・香典返しの送付ミスを防げる → 参列者に直接渡すため、送付漏れの心配がない。 ・参列者にとって受け取りやすい → 遠方から来た人も、後日受け取る手間が省ける。 デメリット ・香典額に応じたお返しができない → 一律の品物を渡すため、高額の香典をいただいた方には後日別途お返しが必要。 ・香典返しを渡せない人がいる可能性がある → 代理で香典を持ってきた人や、後日香典を送ってくれた人には、別途対応が必要。

3. 当日返しの相場と品物

当日返しでは、香典の額にかかわらず、一律で1,000円〜3,000円程度の品物を用意するのが一般的です。高額の香典をいただいた場合には、後日改めて品物を贈る「二重返し」の対応をするのがマナーとされています。 当日返しの目安

香典額当日返しの目安後日返しの必要性
~5,000円1,000円~3,000円程度原則なし
1万円2,000円~3,000円程度原則なし(地域による)
3万円~2,000円~3,000円程度別途、後日香典返しを送る

当日返しは参列者全員に一律の品物をお渡しするため、香典の額によって細かく対応することができません。そのため、香典額が3万円以上の場合などには、後日改めてお返しをする「二重返し」が必要になります。 二重返しの計算方法 香典返しは、いただいた香典の1/3〜1/2を目安に品物を用意します。二重返しの場合は、この「半返し」の金額から当日返しの品物の値段を差し引き、不足分の金額を目安に品物を選ぶのが基本です。 例えば、5万円の香典をいただいた場合 ・半返しの金額目安:1万5千円~2万5千円 ・当日返しの品物(2,000円)を差し引く ・不足分の1万3千円~2万3千円程度の品物を後日送る 二重返しの時期 二重返しは、従来通りの香典返しと同じく、忌明け(四十九日)後に行うのが一般的です。突然送るのではなく、挨拶状を添えて感謝の気持ちをしっかり伝えることが大切です。 二重返しをする際の注意点 ・当日返しの品物と被らないようにする ・後日贈る際には挨拶状を添える ・地域や家のしきたりによって香典返しの習慣が異なるため、確認して対応する このように、当日返しの相場を踏まえつつ、必要に応じて二重返しを適切な時期に行うことで、失礼のない香典返しをすることができます。

4. 当日返しをしない方がよいケース

・家族葬・密葬の場合 → 参列者がごく限られている場合、後日改めて香典返しを手配する方が適している。 ・高額な香典をいただくことが多い場合 → 香典額がバラバラな場合、一律の品物では対応しにくいため、後日個別に返すのが望ましい。 ・弔問客が葬儀当日に集中しない場合 → 例えば、葬儀後に訪問して香典を持参する人が多い場合、当日返しだけでは対応しきれないため、後日対応が必要。

香典返しの相場

香典返しを準備する際、どの程度の金額の品物を贈るべきか悩む方も多いでしょう。特に、香典の額に応じた適切なお返しの金額や、地域による違いについて知りたい方も多いはずです。 本章では、一般的な香典返しの相場をはじめ、香典の金額ごとの目安や、特別なケースに応じた対応について詳しく解説します。

香典返しの相場の基本ルール

1. 香典返しの目安 香典返しの金額は、前述した通りいただいた香典の三分の一から半額程度(半返し)が一般的です。たとえば、1万円の香典をいただいた場合、3,000円~5,000円程度の品物を贈るのが目安です。 ただし、香典返しの上限は1万5,000円程度とする考えもあり、高額な香典をいただいた場合には、必ずしも一般的な相場にこだわる必要はありません。特に、3万円以上の香典をいただいた場合は、返礼品の額に厳密にこだわらず、柔軟な対応をすることが望ましいとされています。 2. 高額な香典をいただいた場合の考え方 高額な香典には、 ・「遺族を支えたい」 ・「故人を悼む気持ちを示したい」 といった贈り主の厚意や思いやりが込められています。 そのため、返礼品を選ぶ際は、贈り主のお立場や気持ちを汲み取り、無理なく誠意を示せる内容で対応することが重要です。 3. 地域や慣習による違い 香典返しの相場は、地域の慣習によって異なることがあります。例えば、関西地方では「三分の一返し」が一般的な場合が多いようです。また、香典返しの習慣自体が異なる地域もあるため、事前に親族や菩提寺(ぼだいじ)に確認するのが望ましいでしょう。

香典の金額ごとの香典返しの相場

香典の額に応じて、香典返しの品物の相場が変わります。以下に、金額ごとの目安をまとめます。 一般的な香典返しの相場

香典の金額香典返しの目安
3,000円1,000円~1,500円程度
5,000円1,500円~2,500円程度
10,000円3,000円~5,000円程度
30,000円10,000円~15,000円程度
高額な香典(3万円以上)柔軟な対応が求められる

※あくまで目安であり、地域や慣習によって異なる場合があります。

香典返しでよく選ばれる品物

香典返しを選ぶ際には、「受け取る方に失礼のないもの」を選ぶことが重要です。しかし、どのような品物を贈るべきか迷う方も多いでしょう。香典返しの品には定番のものがあり、贈る意味や相手への配慮を考えながら選ぶことが大切です。 また、地域や宗教によって選ばれる品物に違いがあるため、故人の宗派や土地の慣習を考慮しながら、適切なものを選ぶことが望ましいでしょう。 本章では、香典返しとしてよく選ばれる品物をカテゴリ別に紹介し、それぞれの特徴や選び方について詳しく解説します。

香典返しの品物を選ぶポイント

香典返しの品物を選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。 1. 実用的なものを選ぶ 香典返しは、贈られた方が使いやすいものを選ぶことが大切です。食品や日用品など、家庭で役立つ品物が喜ばれる傾向にあります。 2. 縁起の悪いものは避ける 香典返しには、不吉な意味を持つ品物は避けるべきです。例えば、刃物(縁を切る)、ハンカチ(別れを連想)、靴下(踏みつける印象)などは避けた方がよいでしょう。 3. 価格帯を考慮する 香典返しの相場は、いただいた香典の3分の1~半額程度が目安ですが、受け取る方の負担にならないよう、適切な価格帯の品を選びましょう。

香典返しとして人気の品物

1. お茶・コーヒーなどの飲料ギフト 【選ばれる理由】 ・「香り高いものは供養になる」とされるため、お茶やコーヒーが人気。 ・どの家庭でも使いやすく、保存が利くため喜ばれる。 【おすすめの品】 ・高級煎茶や玉露の詰め合わせ ・ドリップコーヒーセット ・紅茶やハーブティーのセット 2. 和菓子・洋菓子 【選ばれる理由】 ・日持ちするお菓子は、贈りやすく、受け取る側も気軽に消費できる。 ・供養の意味を込めて、和菓子(羊羹、最中)を選ぶことが多い。 【おすすめの品】 ・羊羹、カステラ、最中、どら焼き ・クッキー、フィナンシェ、マドレーヌ 【注意点】 ・賞味期限が短すぎるものは避ける。 ・チョコレートなど、溶けやすいものは季節によって考慮する。 3. 海苔・調味料・乾物セット 【選ばれる理由】 ・料理に使える品物は実用性が高く、好まれる。 ・「縁が切れない」とされる醤油や味噌なども人気。 【おすすめの品】 ・海苔のセット(焼き海苔・味付け海苔) ・醤油や味噌のセット ・高級オリーブオイルやごま油 ・乾麺(素麺・蕎麦・うどん) 【注意点】 ・アレルギーの可能性があるため、ナッツ系の調味料は注意が必要。 4. 洗剤・石鹸・タオル 【選ばれる理由】 ・「悲しみを洗い流す」という意味があり、香典返しに適している。 ・実用的なため、どの家庭でも役立つ。 【おすすめの品】 ・洗剤セット(洗濯用・台所用) ・高級石鹸やボディソープ ・今治タオルやガーゼタオル 【注意点】 ・香りが強すぎるものは、好みが分かれるため避けるのが無難。 5. カタログギフト 【選ばれる理由】 ・受け取る方が好きな商品を選べるため、無駄がない。 ・価格帯が豊富で、香典の額に合わせやすい。 【おすすめの品】 ・グルメ系カタログ(肉、スイーツ、フルーツなど) ・生活雑貨系カタログ(キッチン用品、寝具など) 【注意点】 ・カタログの内容を確認し、香典返しにふさわしい商品が含まれているか確認する。

香典返しに適さない品物

香典返しの品として避けたほうがよいものもあります。 1. 縁起が悪いとされる品物 ・刃物(包丁・ナイフ):「縁を切る」とされるため、香典返しには不適切。 ・ハンカチ:「手巾(てぎれ)」とも書き、「別れ」を連想させるため避ける。 ・履物(靴・靴下):「踏みつける」という意味につながるため、避けるのが無難。 2. 宗教上好まれない品物 ・仏教 → 肉や魚は避けることが望ましい。 ・神道 → お酒は神事で使われることが多いため、避けることもある。 ・キリスト教 → 香典返しの習慣がないため、簡単なギフトに留めることが多い。

香典返しのマナー

香典返しには、品物選びだけでなく、贈る際のマナーや作法にも注意が必要です。どんなに適切な品物を選んでも、贈り方を誤ると失礼にあたることがあります。 ここでは、香典返しを贈る際に押さえておきたい3つのマナーについて詳しく解説します。

1. 香典返しの「のし紙」の付け方

香典返しには、「のし紙(掛け紙)」を付けるのが一般的です。のし紙は、香典返しを贈る際の礼儀を示し、受け取る方に丁寧な印象を与えます。 のし紙の表書き(表書きの種類) 香典返しの表書きは、宗派や地域によって異なります。適切なものを選びましょう。

宗教・宗派表書きの例
仏教(一般)
浄土真宗
神道偲び草
キリスト教

【ポイント】 ・「志」はどの宗派でも使えるため、迷ったときは「志」と覚えておくとよい。 ・神道では「偲び草」が一般的とされている。 ・関西地方では、黄白の水引に「満中陰志」と書くことが多い。 水引の種類 水引は、地域によって異なりますが、一般的には以下のようになります。

地域・宗教水引の種類
全国的に一般的黒白または双銀の結び切り
関西地方黄白の結び切り

名入れの方法 のし紙の下部には、喪主の姓のみ、または「○○家」と記載するのが一般的です。

2. 直接手渡し or 郵送?

香典返しは、直接手渡しする場合と郵送する場合があります。どちらを選ぶべきかは、相手との関係性や距離によって判断するとよいでしょう。 直接手渡しする場合 近親者や身近な方には、直接手渡しするのが一般的です。手渡しする際は、以下のポイントを意識しましょう。 【手渡しの際のマナー】 ・ 手渡しのタイミング:四十九日法要後に訪問し、お礼を伝えるのが望ましい。 ・ 品物の渡し方:風呂敷や紙袋に入れ、相手に表書きが見えるように渡す。 ・ 一言添える:「このたびはお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。」 郵送する場合 遠方の方や多くの方に香典返しを贈る場合は、宅配便での発送が一般的です。 【郵送の際のマナー】 ・ お礼状を同封する:「お品のみを送る」のは失礼にあたるため、必ずお礼状を添える。 ・ 送り状に「お礼状在中」と記載する:相手に内容が分かるようにする。 ・ 事前に連絡する:「心ばかりの品をお送りしましたので、お納めください。」と伝えると丁寧。

3. 四十九日法要前に香典返しを贈るのはマナー違反?

香典返しは、基本的に四十九日法要後(忌明け後)に贈るのがマナーとされています。これは、「まだ故人が成仏していない段階でお礼をするのは不適切」と考えられているためです。 しかし、四十九日を待たずに香典返しを贈るケースもあり、一概にマナー違反とは言えません。 マナーやしきたりを重んじる方へ贈る場合は、四十九日前に届くよう手配するのは避けたほうがよいでしょう。 例外的に早めに香典返しをするケース ・ 相手の希望で早めに送る必要がある場合 ・ 海外在住の方で配送に時間がかかる場合 ・ 特定の宗派(浄土真宗など)で忌明けの概念が異なる場合 基本的には四十九日法要後に贈るのがマナーですが、特別な事情がある場合は例外的に早めに送っても問題ありません。 相手の考え方や状況に応じて、適切なタイミングを見極めることが大切です。

香典返しの挨拶状の書き方

香典返しを贈る際には、品物とともに挨拶状(お礼状)を添えるのがマナーです。挨拶状は、香典をいただいたことへの感謝を伝えるとともに、法要が無事に終わったことを報告する大切なものです ここでは、挨拶状を書く際の基本構成や注意点について詳しく解説します。

1.挨拶状の基本構成

挨拶状は、以下の要素を含めて作成します。 ① 頭語(拝啓など)と時候の挨拶(省略可) ② 香典への感謝の言葉 ③ 法要が無事に終わったことの報告 ④ 香典返しの品をお贈りする旨の説明 ⑤ 結びの言葉と頭語に対応する結語(敬具など) この流れに沿って書くことで、簡潔かつ丁寧な挨拶状になります

2. 挨拶状の注意点

・ 句読点は使わない ・ 挨拶状は封筒に入れる ・ 重ね言葉(「度々」や「再び」など)は避ける ・ 縁起の悪い表現は使わない 香典返しの挨拶状では、一般的な手紙とは異なる作法があるため、形式を守ることが大切です

3. 香典返しの挨拶状の例文

拝啓 このたびはご多忙中にもかかわらず 故〇〇の葬儀に際しまして ご厚志を賜り 心より御礼申し上げます おかげをもちまして 〇月〇日に滞りなく四十九日の法要を相営みましたことをご報告申し上げます また 故人が生前に賜りましたご厚誼に深く感謝いたしますとともに 変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます つきましては 供養のしるしといたしまして 心ばかりの品をお贈りいたしますので ご受納いただければ幸いに存じます 本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちまして謹んで御礼申し上げます 敬具

香典返しを辞退された場合の対応

香典返しを準備する際、「お気持ちだけで十分なので、お返しは不要です」と辞退される方もいます。 こうした場合、無理に品物を贈るのではなく、相手の意向を尊重しながら感謝の気持ちを伝えることが大切です。 ここでは、香典返しを辞退された場合の適切な対応について解説します。

1. 挨拶状のみを送る

香典返しを辞退された場合でも、感謝の気持ちは必ず伝えるようにしましょう。 ・ 香典をいただいたことへの感謝を簡潔に述べる。 ・ 香典返しを辞退されたことへのお礼を添える。 ・ 法要が無事に終わったことを報告する。 お礼状を送ることで、相手に対する敬意を示すことができます。

2. 後日、別の形でお礼をする

香典返しの品物は辞退されたとしても、別の機会にお礼を伝えることも可能です。 ・ 年賀状や寒中見舞い、暑中見舞いの際に一言お礼を添える。 ・初盆や一周忌などの法要後に、簡単な贈り物や手紙を送る。 ・ 直接会う機会があれば、その場で改めて感謝を伝える。 無理に贈るのではなく、相手の負担にならない形でお礼を伝えることが大切です。

3. 香典返しを辞退された理由を尊重する

香典返しを辞退される理由はさまざまですが、相手の意向を尊重することが大切です。 ・ 「感謝の気持ちを受け取ってほしい」と無理に贈るのは避ける。 ・ 目上の方はお返しを辞退することが多いため、挨拶状のみで対応するのが望ましい。 ・ 地域や家庭によっては、親族間で香典返しをしない習慣があるため、状況を見極める。 相手にとって負担にならない形で、丁寧な対応を心がけましょう。

まとめ

香典返しは、香典をいただいた方への感謝の気持ちを示し、故人の供養や忌明けの報告を兼ねて行う大切な習慣です。香典返しのタイミングは宗教や地域によって異なり、一般的には四十九日法要後1か月以内が目安とされています。品物選びでは、日常で使える「消えもの」やカタログギフトが好まれ、マナーとしてのし紙や挨拶状を添えることが重要です。また、香典返しを辞退された場合は無理に贈らず、挨拶状や別の機会に感謝を伝える配慮が求められます。正しい知識を身につけ、適切に対応しましょう。

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